表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/39

第26話:相談(前編)

「……それ、何?」


「黒いテントだ。木の枝を使えば組み立てられる。今夜からは、これを使え」


帰ってきた浦見(うらみ)に、ホリーが聞く。彼は、たたんだ黒い布を見せながら言った。その言葉を聞いて、根巳(ねみ)が顔を明るくする。


「やったー! わりと大きそうだし、きっとみんなで休めるよね! ねえねえ、今夜はおじさんも一緒に寝ようよ。一晩(ひとばん)くらい、別にいいでしょ?」


「……(わり)いが、それはできねえ相談だ。これはお前らだけで使え」


黒いテントを深命(しんめい)(わた)して、男は告げる。そして彼は話を続けた。


「心配すんな。お前らも聞いただろうが、このゲームの期間は3日だ。てことは、徹夜(てつや)は2回……昨日を(のぞ)けば、あと1回だ。そのくらいなら、何とかするさ」


「……でも!」


「……仕方ないよ。浦見さんに、任せよう」


納得できない様子の根巳に、深命が告げる。十矢(とおや)も横で(うなず)いていた。坂井(さかい)は相変わらず、厳しい表情のままで口を開く。


「……ねえ、おじさん。そんなことより、食べ物や飲み物を探すのが先じゃない? 確かにペットボトルはあるけど、あれじゃ絶対足りないわ。ここには、おじさんも(ふく)めて6人もいるのよ」


「……まあ、そうなんだが」


浦見が(うで)を組む。彼は重い声音(こわね)で続けた。


「なんつーか、森の中で探すより、あいつらを(たお)した方が(はえ)え気がしてな。俺も、この状況に(どく)されてるのかもしれん」


男の返答(へんとう)を耳にして、坂井が眉間(みけん)にシワを寄せる。反対に、根巳は能天気(のうてんき)な声で(さけ)んだ。


「え? ……それ、めちゃくちゃ良い考えじゃん?! おじさんがいれば、楽勝でしょ! 欲しい物、何でも手に入れられるんじゃない?」


「ちょっと、あなたね……!」 


坂井が声を(あら)げて、根巳に()め寄りかける。浦見は彼女の前に手を伸ばして、その行動を制止(せいし)した。


「まあ待て。……正直な、俺も同じようなことを考えたんだ。お前たちには(かく)れてもらって、俺だけで奴らと戦えば……最悪、失敗しても、俺が殺されるだけで()むだろうと」


彼の言葉に、少女の顔が青ざめる。彼女と手を(つな)いでいるホリーが、男を見上げて(つぶや)いた。


「……でも、私は。おじさんがいなくなったら、悲しいよ」


素直な言葉に、浦見も(ふく)めた全員が(だま)る。その場を沈黙(ちんもく)が支配して、根巳が気まずそうに目を()せた。坂井と深命は彼に冷たいまなざしを向けて、十矢はオロオロとし始める。そして男はしばらくして、(ほお)をかきながら言葉を(はっ)した。


「……あー、まあ、なんだ。俺だって死にたくはねえからな。それは最後の手段にするさ」


1/能天気

「軽薄でむこうみずであること。のんきでばかげていること」


2/制止

「他人の言動を押さえとどめること」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ