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おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


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2/88

第2話:おじさんは幼女を見つけたようです

(しかし暗いな……電気は通っていないのか?)


外と同じ、黒い壁。床も同じ色で、来た道が分からなくなる。


(こんな状況で、宝探しなんかできるのか? そもそも宝って、何なんだ)


ディスプレイに映った影は、宝の形状を伝えなかった。それで探せると、本当に思っているのだろうか。


(もしかしたら。宝探しではなく、俺たち全員を殺すことが目的なのかもしれない)


白い部屋にいた人々は、若くても20代。今の浦見(うらみ)より年をとっている者は、いなかった。主催者が誰かは分からないが、どこかで出会っていて、憎まれるようなことをしたのかもしれない。


(って、考えてても、分からねえな)


彼には自分の記憶がない。誰とどんな関わり方をしていたのか思い出せないのでは、心当たりを探すこともできないと。そう思って、男はビルの外に出る。駐車場の方から、錆(さ)びた鉄の臭いがした。そちらに向かうと、閉じたシャッターの隙間から、赤黒い液体が流れ出している。


「……な、なんだよこれ……。どうなってんだよ……!」


滲(にじ)みだす液体……血だまりの前で、金髪の男が腰を抜かしている。浦見は少し迷ってから、その男に声をかけた。


「どうかしたのか」


「……っ?!」


男が飛び上がり、逃げだす。けれど動揺していたせいか、その動きは鈍(にぶ)かった。よろよろと立ち上がり、ほうほうの体(てい)で逃げ出す彼を、浦見は追わない。


(無理もねえ。これは、本物の血だ)


赤い液体の前にしゃがんで、彼はそれを確かめる。ここで人が死んでいて、金髪の男はその一部始終(いちぶしじゅう)を目撃した。そう考えれば、怯(おび)えるのも当然のことだ。


(アイツが俺を、主催者と勘違いした可能性もあるしな)


街は静まりかえっている。あの場にいた多くの人々は、どこに行ったのか。殺されたのは、何人か。


(まずは情報を集めねえとな)


浦見は周囲を警戒(けいかい)しながら、道を歩く。道路に車の姿はないが、念のため。歩道(ほどう)を選んで、彼は進んだ。道の先、十字路(じゅうじろ)の真ん中に、何かある。小さな、丸い塊(かたまり)。近づいてみると、それは小学生くらいの女の子だった。体を丸めて、横たわっている。


「……おい! 大丈夫か?」


子供が、こんな場所にいるわけがない。そう思いながらも、彼は声を張り上げて駆(か)け寄った。少女が目を開けて、まばたきする。


「どこか痛いところはないか」


彼女の前で膝をついて、浦見はその目を見ながら言った。蜂蜜色の髪に、エメラルドの瞳。人形のように整った顔をした子供は、黙って彼を見上げている。


「お前、名前は? 親はいるのか?」


「……ホリー」


透(す)きとおった美しい声で、彼女は答える。宝石のような目に、浦見は吸い込まれそうになって手を伸ばした。





1/一部始終

「成り行きの初めから終わりまで」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

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