第三話9『セクハラ部』
◇
「す、すみません。部屋間違えました。」
黒髪の女の子は落とした荷物を素早く持ちUターンして扉に手を・・・・・・。
「ちょっと待ったぁぁぁ!」
俺は教室から出ようとした黒髪女子の手を掴んで引き留めた。
このまま誤解されるのはまずい。絶対にヤバい部活だと思われてる。
「えっ!?何ですか?もしかしてセクハラですか!?すぐに警察に・・・・・・」
「違う!!」
くっ、咄嗟に手を掴んだことが悪かったのか現状が悪化してしまった。
このままじゃこの部活は【セクハラ部】と呼ばれてしまうかもしれない。
呼ばれたら最後、俺は残りの高校生活を【セクハラ部】の一員として過ごさなければならなくなる。
後輩に「あっ、セクハラ先輩だ!」と呼ばれるかもしれない。
呼ばれたら死ねる。
もちろんその後輩は殺る。
「あ、あの。手を離してもらってもいいですか?」
黒髪女の子は身体を震わせながら言った。
って、よく見るとこの娘、超可愛い!
蓮宮と同じぐらい可愛い女の子なんて存在していたの!?
「あ、あのぅ...」
女の子は上目遣いで懇願してきた。
え?俺怖がられてるのかな?だとしたらショックだ。
...まぁ、見知らぬ男にいきなり手を掴まれたら怖いよな。
俺は即座に手を離した。
「あ、ありがとうございます」
女の子はそう言ってホッと息を吐いた。
よほど怖がられていたんだな俺…
「で、何の用かな?」
「あのぅ。私悲恋部に依頼しに来たんですけど、どうやら場所間違えてたようで...」
蓮宮の問いに女の子はビクリとしながらも答える。
「「「いや、ここが悲恋部だよ!!」」」
俺と刃と蓮宮の声が初めてハモった瞬間だった。




