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モーメント  作者: 夕月 遥(はるか)
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第3話〜覚醒

こんにちは。書かせていただきました。主人公がさらに覚醒していく過程です。二人の愛は本物のようです。水天 海をどうぞ 乞うご期待!

 土砂降どしゃぶりの雨が、アスファルトを激しく叩いていた。

「待てよ!」

 背後から響いた怒声に、私は足を止める。振り返ると、傘も差さずに濡れそぼった彼が立っていた。

 お兄さんの言葉が頭をよぎる。――『あいつの白髪が増えた。もう、あとがない』。私のせいで、彼の命を削らせてしまった。絶望で視界が歪む。

「もう来ないで! 私、あんたの傍にいたくないの!」

 突き放すための嘘。けれど彼はひるむことなく、私の肩を強くつかんだ。前髪の間から覗く、増えてしまった白い髪が夜の闇に白く浮き上がる。

「嘘つくな! 俺の命の使い道くらい、俺に決めさせろ!」

「……っ、死んじゃうかもしれないんだよ!?」

「お前がいない世界で生き延びて、何の意味があるんだよ!」

 雨の音に負けない叫びが、私の胸に突き刺さる。彼の瞳は、限界の恐怖ではなく、私を失う恐怖だけに燃えていた。

 逃げるんじゃダメだ。この手を引き剥がすのではなく、私が彼の隣で、その命を絶対に守り抜く。雨の中で、私は新たな覚醒かくせいを静かに迎えていた。

ご一読いただきまして誠にありがとうございました。

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