第2話〜呪文のように
聞かせていただきました。彼の兄の登場です。こんな空気を感じていたが それを聞いた 私はショックだった。負担をかけてはいけない 彼に能力を使わせてはならない。を使う 展開です。
翌日、教室の窓際で、彼はいつも通り退屈そうに頬杖をついていた。
「おい、何見てんだよ」
視線に気づいた彼がぶっきらぼうに睨んでくる。そのとき、彼がくしゃりと動かした黒髪の隙間に、きらりと光るものが見えた。
(……白髪?)
昨日まではなかったはずの、細い一筋の白。胸が痛いほどに脈打つ。やっぱり、お兄さんの言葉は本当だったんだ。
その日の放課後、彼と別れて一人になった帰り道。夕日がつくる長い影の先に、見覚えのある人影が立っていた。彼の、お兄さんだ。
「あいつの髪、見たろ」
お兄さんは自販機で買った缶コーヒーを私に手渡しながら、淡々と言った。
「あれは、寿命が削られてる証拠だ。……はっきり言う。あいつが次に世界を止めていいのは、あと3回が限度だ。4回目はないと思え」
「あと、3回……」
手の中の缶コーヒーが、やけに冷たく感じられた。
「あいつはお前がピンチになると、前後見境なく能力を使う。だから――」
お兄さんの言葉を遮るように、私は冷え切った拳を強く握りしめた。
「使わせません。日常のトラブルも、事故も、全部私が先回りして防ぎます。あいつには、絶対に4回目を遣わせない」
夕闇が迫る通学路で、私は心の中で静かに、だけど深く、自分自身に呪文をかけるように誓った。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。書こうと思います どうぞよろしくお願い くださいませ。




