表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルカディアリベル  作者: 描空


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/132

82話 デュラハン

 真島たちギャルグループと離れてから別の道を進み始めてしばらく経った。だが、逆さのダンジョンに入ってからかなり時間が経っているためどこの道も誰かが通った後のようでモンスターが残っておらずもっと別の場所に進まなくちゃいけないのかなと思っているとユースが斜め上を向いて立ち止まった。


「ねぇあそこ、道かな?」


 そう言いながら指を差し所には大人一人が通れそうなほどの大きさの穴があった。俺たちはただの穴だと思い真剣に考えなかったが、ユースは違った。


「健斗、あそこに火魔法撃ってくれない? どのぐらい深いのか確認したい」


 俺はユースの指示に従いその穴に向かって火魔法を撃った。火の玉は穴に向かって一直線に飛んでいきそのまま穴に吸い込まれるように入ったが、消えたりせずにずーっと進み続けた。穴の中から光が漏れてこないほど奥まで火の玉は進み続けた。


「ビンゴね」


 そう言うユースの顔は嬉しそうにしていた。俺たちはまさかあんな所に道が繋がっているとは思っておらず驚いた。


「健斗お願い出来る?」


「あぁ分かった」


 俺は一人づつおんぶをして風魔法で飛び、全員をその穴に降ろした。穴の中はかなり窮屈だったがかなり先まで続いていて好奇心をくすぐられた。ユースが先頭に立ち穴の中を進んだ。道というのはどうかと思えるほど狭いその道は斜め上に向かっていて、進んだ先には何があるのだろうとワクワクさせられた。しばらく進んでいると少しづつ道幅が広くなってきた。それでもまだまだ窮屈な道を進み続けると広い空間に出た。ようやく広い空間に出られたことによる開放感と今までの傾向通りいけば何らかのモンスターがいることによる緊張感が同時に襲ってきた。


 俺はその広い空間を明るくするために天井まで明るく出来るぐらいの火魔法を撃った。すると、その空間の中央に馬とその手綱を握っている中世の騎士のような甲冑を着込んだ人が見えた。だが、その騎士は手綱を握っていない方の腕に自分の頭を抱えていた。兜のおかげで人相までは分からないのが唯一の救いだ。だが、自分の頭を抱えているモンスターなんてデュラハン以外いないため俺たちは最大限警戒した。


 デュラハンは破滅級のモンスターであり高い知性と戦闘力を有している。さらに、馬に乗っていることから機動力も高くかなり討伐難易度の高いモンスターだ。だが、その有名さから他の破滅級モンスターとは比べ物にならないほど討伐方法やどんな力を持っているのかが広まっている。とは言え、破滅級モンスター相手に油断するようなバカではないため全力で叩くことにした。


「みんな分かってるね?」


 ユースの掛け声に俺たちは互いに一番得意な戦い方でデュラハンを相手にすることになった。ユースと勝が近接、透と春奈が遠距離、俺は何でもこなすオールラウンダーといういつもの感じだ。まずはユースと勝がデュラハンに向かって行った。デュラハンは巧みに馬を操り二人の攻撃を避けた。だが、二人も負けていられないと果敢に攻撃を続けた。その間、透と春奈は遠距離からデュラハンを攻撃していてデュラハンはなかなかに苦しそうだった。デュラハンと言えど多勢に無勢だと思ったその時、デュラハンが言葉を発した。


「我、死を告げる者。貴様らの魂を刈り取る者。その使命を今果たす」


 そう言いデュラハンが剣を抜くと、何とも言えない禍々しいオーラを感じ取った。背筋がゾクゾクするような感覚を覚えたが、ここから逃げては他の人たちに迷惑がかかる。ここは俺たちで倒すしかないと思った。それに、死嫌のリングは何も反応していなかったので大丈夫だという確信もあった。俺は全員にアークシィリュームを発動させた。みんな少し自信を持てたのか構えてデュラハンを迎え撃とうとしていた。


「向かってくるのであれば容赦はしない」


 ユースと勝が再びデュラハンに近接戦闘を仕掛けた。だが、デュラハンもさっきまでのようにやられてばかりではなく剣で反撃をしてきていた。二人とも俺のアークシィリュームで何とか避けれていたが、攻撃の手が少し弱まった。デュラハンはその隙を見逃さず馬を操りユースと勝の包囲網から抜け透と春奈に近接を仕掛けようとしていた。だが、それを俺が許すはずもなく爆発魔法で後退させた。デュラハンは俺に標的を変えた。常に頭の片隅にアークシィリュームを発動させながらの戦闘は少し大変だったが、これに慣れないといけないなと自分に鞭を打って戦闘を続けた。馬に乗りながらの相手と戦うのは初めてでどう戦えばいいのか分からず馬を攻撃したりデュラハンを攻撃したりしたが、デュラハンは紙一重のところで攻撃を避け続けた。俺もデュラハンの攻撃は紙一重のところで避けていたがこれでは埒が開かないと思っているとユースが雷魔法を準備しているのが分かった。俺がデュラハンと攻防を繰り返していると勝も助太刀してくれ少しはデュラハンを追い詰めることが出来た。透と春奈の遠距離攻撃もいい具合に面倒臭そうにしていたが、俺と勝は今度は流さないとラッシュを続けた。


「二人ともどいて!」


 ユースの声に俺と勝はデュラハンに少しの間動けなくなればという思いで重たい一撃をくらわせて距離をとった。だが、デュラハンは俺と勝の攻撃を完璧に防ぎユースの雷魔法が当たる前に馬から降りて雷魔法を回避した。馬には当たったが、肝心のデュラハンには掠りもしていないことにユースは舌打ちをした。


「今までよくやってくれた。今度は我に魂として力を貸してくれ」


 デュラハンが倒れた馬の体に触れながらそう言うと、その馬は半透明になり立ち上がった。まさか死んで魂になった馬を霊体として再び共に戦えるようにしたのかと驚いた。馬はデュラハンの声に応えるように嘶いた。少しは有利になったと思ったのにこれで元通りになってしまった。と言うより霊体になったことで攻撃が通らなくなり逆に不利になったのではないかとすら思えた。霊体の攻撃が俺たちには通るとなると面倒なためやめてほしいなと思ったが、どう考えても俺たちには攻撃通るよなと少し落胆した。


「どうした人間来ないのか? それならこちらから行かせてもらう」


 そう言うとデュラハンと馬が同時に向かってきた。俺は咄嗟に目の前にプライシディウムを出現させた。デュラハンと馬はプライシディウムにぶつかり不思議そうにしていた。その様子は少し笑えたが、戦闘の真っ最中だとすぐに切り替えた。デュラハンはどうすればいいのか分からないのか立ち尽くしていたが、自慢の剣で何度も何度も斬りプライシディウムが破壊された。だが、その間十分な時間が俺たちにはあり俺の古代魔法は準備万端だった。プライシディウムが破られると同時に春奈の銀の羽がデュラハンを襲った。だが、デュラハンは超反応で銀の羽を止めた。両手が塞がった一瞬の間に透が地面からデュラハンの四方を囲むように木を生やし逃げられないように半球状にした。今だと確信した俺は雷の古代魔法を撃った。


「うがあ゛あ゛あ゛」


 デュラハンは雷に打たれ絶叫した。それを見ていたデュラハンの馬が俺たちに向かってきたが、俺たちは回避した。結構なダメージを与えられただろうがまだ油断は出来ないともう一度雷の古代魔法を撃とうとしたその時、デュラハンを覆っていた木が粉微塵になった。デュラハンは肩で息をしていて明らかにダメージが通っていそうだったが、どのぐらい通っているのかまでは分からなかった。このまま数の暴力で倒せると確信した俺はみんなに指示を出した。


「援護よろしく」


 俺は豪嶽砕を擦り合わせた。みんなは俺を援護出来るように少し下がった。


「ここまできて一人で戦うとは、傲慢なのかただの馬鹿なのか分からん奴だな」


「どっちでもねぇよ。お前には俺が強くなる踏み台になってもらう。お前の持ってる技術と力全部見せてくれ。お前が死んでもお前の技術と力は俺が受け継ぐ。だから、全力でかかってこい。安心して逝けるようにな」


「ここまで慈悲深い人間がいたとはな。その言葉信じてもよいのだな?」


「もちろん。お前という存在を俺に刻み込め。お前の愛馬ともども面倒見てやる」


「それなら悔いはない。全力で行かせてもらう」

次回もお楽しみに


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ