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アルカディアリベル  作者: 描空


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76話 今年のトップ10

 選抜戦二年の部が始まってから三日が経った。今日でようやく二年の部が終わりトップ10が決まる。長かった選抜戦もようやく終わるとなると少し寂しい気持ちになった。


 クラスメイトの中には未だ勝ち残っている生徒が十名ほどいた。彼らの中の何人がトップ10入り出来るのかと思ったが、去年トップ10入りしたメンバーに勝たちも全員残っていることから、残っているクラスの人たちがトップ10入りするのは厳しいなと思った。そんな事を思っていると対戦が始まった。


「初戦はユースさんと間宮くんの対戦です! 一見ユースさんが有利に見えますが、間宮くんは昨年小出くんを追い詰めた生徒ですからどうなるか分かりません!」


 実況の言葉にその場にいた皆が釘付けになった。鷲田先生の合図で対戦が始まるとユースは速攻を仕掛けた。去年トップ10を決める対戦で俺と間宮が当たった時、速攻を仕掛けられず長期戦になり不利を押し付けられたからそれを警戒しての行動だろう。こんなに早く攻められたら設置方の爆発魔法も展開出来ないだろうからいい選択だろう。間宮はユースに一方的に攻め切られ敗北した。


「勝者ユース・ヨハネス! やはり強いこれに雷魔法もあるのだから大抵の人は手も足も出ないでしょう!」


 ユースは実戦場を後にした。こんなの通過点と言わんばかりの態度に間宮は悔しそうにしていた。去年は俺と当たり今年はユースと当たるという何とも不運なマッチに同情せざるを得なかった。そこからクラスメイトの対戦があったが、十名のうち勝ち残ったのは半分の五名だった。勝たちは全員勝ち残り俺の番となった。


「今回は小出くんと剛田くんの対戦だー! 迫力ある対戦が見られることでしょう!」


 剛田は斧の二刀流で奇しくも俺も二刀流が出来る。これはやるしかないと感じた俺は豪嶽砕を取り出し擦り合わせた。鷲田先生の合図で対戦が始まると俺と剛田は二刀流を活かした派手な近接戦闘を始めた。


「楽しいな小出!」


「あぁそうだな!」


 剛田は笑みを浮かべながら言った。俺はそれに呼応するように笑みを浮かべながら返事をした。そこから俺と剛田は一進一退の近接戦闘を十分ほど繰り広げた。剛田は次第に体力が残り僅かになってきたが、気合いで俺との打ち合いを続けた。


「まだ行けるだろ!?」


「もちろんだ!」


 俺の問いかけに剛田は気合い十分の返事をした。そこから五分間剛田は気合いだけで俺と打ち合いを続けた。だが、さすがの剛田も体力の限界で徐々に攻撃の手が弱まってきた。俺は最後まで手を抜かず剛田のプライドを傷つけないように勝利した。


「およそ十五分にも及ぶ激しい近接戦闘を制したのは小出くんだー! 彼に出来ないことはあるのでしょうか!? いや無い! 彼はそう思わせられるほどの実力を証明してくれました!」


 俺の対戦が終わり二回戦目が始まった。ユースとクラスメイトの一人が当たったが、ユースは手を抜く事なく勝利を掴んだ。勝たちもクラスメイトと当たったが、全員勝利をおさめた。残っていた五人のうち四人が敗退したが、全員清々しい顔をしていた。悔しいという思いはあったのだろうが、自分と相手の実力がかけ離れているためそこまで悔しくなかったのだろう。逆にクラスのみんなはここまでよく頑張ったと褒めていた。みんな本当に優しいなと思った。その時残っていた五人のうち最後の一人前田の対戦が始まった。前田は鬱蒼のダンジョンでユースと指揮を変わるぐらい勇気のある奴だからもしかしたらと思った。


「次は宮村くんと前田くんの対戦です! 宮村くんは多様な魔法を扱えるため前田くんはその魔法をどう掻い潜るかが勝利の鍵となるでしょう!」


 クラスのみんなが前田に声援を送り始めた。前田はみんなの勝てという期待を一身に受けて自分を鼓舞するように足や胸を叩いた。鷲田先生の合図で対戦が始まると前田は槍を宮村に向けて突進した。宮村は土魔法で前田の突進を止めたと思ったその時、前田の突進は土魔法では止められず宮村は火魔法を前田に撃った。だが、前田は槍を地面に突き刺し棒高跳びのように火魔法を避けた。そして、空中で槍を地面から抜き宮村に向かって槍を振りかぶった。宮村は前田の奇想天外な行動に対処出来ず、脳天に槍の柄部分が当たり前田の勝利となった。


「何とも奇妙な対処法で前田くんの勝利だー!」


 クラスのみんなは前田の勝利に大喜びだった。前田はトップ10入りが決まり雄叫びを上げた。まさか一年でこんなにも強くなってるとは思っておらず俺たちも驚いた。前田の勝利を讃えてあげたかったが、次の対戦は俺だから後で言葉をかけてあげることにしたが、実戦場に向かう途中前田と出会ったので今言うことにした。


「おめでとう。でも、まだまだこれからだぞ」


「分かってます。期待しててください」


 俺の対戦が始まったが、相手は魔法使いだったためユースに倣い速攻で相手を倒した。魔法使い相手にはこれが一番効果的だから対戦がしょうもなくなっても仕方ないと自分に言い聞かせた。


 勝ち残ったのは俺、ユース、勝、透、春奈、前田の六人だった。トップ10を決めるための対戦が行われ結果として剛田、間宮、宮村、神田という俺と戦った生徒だった。他の敗退した人たちには申し訳ないが去年と顔ぶれが変わらなすぎて少し笑ってしまった。


 トップ10が決まり後は優勝者を決めるだけとなった。組み分けは勝と透、ユースと春奈、俺と前田だ。今年も最後は三つ巴なので俺とユースと春奈は少し有利だ。まずは勝と透の対戦が始まった。近接職と魔法使いなため有利不利がハッキリとしているためどちらが勝つのか分からない対戦だ。勝が速攻を仕掛けてくるのは分かっているであろう透が有利かと思われたが、勝はあえて魔法を使った。火魔法で透の視界を塞ぐと勝は死角から透に近づいた。透は蒼紋の杖で地面から木を生やし高所有利を取ろうとしたが、勝は既に透の目の前まで来ており透は手も足も出なかった。透はギブアップを宣告した。


「勝者は相川くんだー! 近接職の強さを全面に押し付けるための火魔法は見事なものでした!」


 次はユースと春奈の対戦だ。どんな戦いになるのかなと思っていると鷲田先生の合図と同時に二人は近接戦闘を繰り広げた。ユースは雷王の剣で全身に雷を纏い身体能力を上げていた。春奈はユースに対応できるように銀翼の天使で自由に動けるようにしていた。二人は攻防一体のような戦い方をしており近接戦闘なのにかなり長期化した。二人は決着がつかないことに腹を立てたのかどんどん素早く攻撃をするようになった。いつの間にか二人のスピードは大抵の人には追いつけないほど速くなっており実況も困惑していた。その時、二人が同時に動きを止めた。よく見てみると二人ともかなりのダメージを負っておりいつ倒れてもおかしくない状況だった。二人は最後の一撃を決めるために距離を取り構えた。その刹那二人は互いに位置が入れ替わるように一撃を繰り出した。そして、二人ともほとんど同じタイミングで倒れた。まさかの相打ちだった。二人は先生たちに怪我を倒してもらい保健室に運ばれた。


「え、えっとー……気を取り直しまして次は小出くんと前田くんの対戦です!」


 何とも言えない雰囲気で俺と前田の対戦が始まった。前田は槍を構えいつでもいけるという感じだった。俺は今回は魔法のみを使うことにした。鷲田先生の合図で対戦が始まると前田は俺に向かって突進してきた。俺は風魔法で前田の上に飛び上がり爆発魔法を撃った。前田は持ち前の身体能力で爆発魔法を避けた。でも、避けた後の体勢が悪く次の一手は避けられないなと思ったが、手を抜くことなく爆発魔法を撃った。前田は爆発魔法をモロにくらい立てなくなり、俺の勝利で対戦が終わった。


 最後は俺と勝の対戦だ。俺はちょうど良い機会だから劣覆拳で勝と拳対決をすることにした。勝は俺が拳のアイテムを装着しているのを確認するとニヤリと笑った。鷲田先生の合図で対戦が始まると俺と勝は互いに殴り合った。剛田との戦いの時のように一進一退の攻防を経て俺と勝はへとへとになった。俺と勝はこれで決めようとノーガードで殴り合うことにした。俺が一発殴ると勝も一発殴るのを繰り返していると、俺と勝は共にダウンした。頭がガンガンなる中立ち上がると勝はダウンしたままだった。俺は勝との殴り合いに勝利し選抜戦二年連続で一位に輝いた。

次回もお楽しみに


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