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アルカディアリベル  作者: 描空


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65話 ダンジョン攻略授業

 対人授業が始まり約一ヶ月が経った。みんな最初の方はてんでダメだったが、一ヶ月もするとかなり良くなり教えることは限られてきた。塩田先生も満足そうにしており対人授業もここで一区切りかなと思った。そんなことを思っていたある日、塩田先生が朝のホームルームで言った。


「来週からダンジョン攻略授業を始める。突然だと思うが、しっかり聞くように。まず、ダンジョンの中では基本的にクラス単位で動く。ある程度進み先生たちが休憩ポイントを見つけ、そこに休憩施設を設置したら、後はグループで行動してもらう。このグループは二人でも十人でもクラス全員でも構わない。ただし、アイテムは一番最初に見つけた奴の物だからアイテムが欲しい奴は二人ペアの方がいいだろうな。話を戻して、ダンジョン攻略授業は一週間まるまる行われる。各グループで休みたい時に休憩ポイントに戻ってきて、行動したい時に行動してもらって構わない。先生たちは休憩ポイントに交代で三人はいるようにしてて、巡回してる先生も何人かいる。それと、これから先の攻略授業は光正の管理下のダンジョンじゃなく、一般の攻略者の方もいるから積極的に話しかけるように。何か質問がある奴は手あげろ」


 先生の言葉にユースが手をあげて質問した。


「もし、ヴェナトレスのような攻略者狩りに出会した場合どうすればいいですか?」


「そういう非常事態の場合に、クラスの三分の一ぐらいに非常事態を知らせる笛のアイテムが渡される。そのアイテムの名前はスビティスシィと言って、そのアイテムを持っている全員にどこの誰が非常事態なのかを知らせることが出来る。もし、誰かが笛を吹いた場合、スビティスシィが吹いた生徒の方に向かって動き出す仕組みになっている。直線距離ではなく最短距離で動き出すから、スビティスシィが動き出した場合は全員でそちらの方向に向かうように。他にはないか?」


 クラスの女子が手をあげ質問した。


「一週間まるまるって荷物はどうするんですか?」


「必要最低限の着替えを持ってきてもらう。休憩施設にはお風呂もあるから心配する必要はない。とは言え、お前らが攻略者になった時はこんな贅沢な設備はどこにもないから慣れるためにもなるべく休憩施設を利用しない生徒もいるぞ。説明し忘れてたことがあった。今回の攻略授業には卒業した元三年の先輩が来てくれることになった。去年、小出たちと共に競技会に出場した金田先輩もいるから色々質問するように。他に質問ある奴は?」


 俺は気になることがあり手をあげ質問した。


「先輩方はどのぐらいいらっしゃるのですか?」


「結構いるぞ。確か四、五十人はいたかな。卒業した先輩って言っても、攻略者になった奴と大学に進学した奴で都合が合った生徒だけだから半分もいないけどな。ちなみにお前らも光正大学に進学したら後輩の攻略授業に顔出せるぞ。大学でこっちの授業に手伝いとして参加したら単位貰えるらしくて結構倍率高いらしい。ちなみにここだけの話、こっちの授業に手伝いに来る生徒は光正高校出身しか選ばれないから心配しなくても大丈夫だ。過去に別の高校出身で光正高校の生徒に被害出させた生徒がいたらしく、そこから光正高校出身者しか選ばなくなったらしい。他に質問は?」


 勝が手をあげ質問した。


「行くダンジョンの名前と日時はいつですか?」


「ダンジョンの名前は鬱蒼のダンジョン。ダンジョンの中が樹海のようになっている珍しいダンジョンだ。難易度はそこまで高くないが、遭難したりしないように。その時のためにスビティスシィがあるんだがな。日時は今週の金曜日の朝八時出発だ。結構遠いから向こうで一泊してから攻略し始める。他に質問は?」


 誰も手をあげず先生は教室を後にした。そこから俺たちは鬱蒼のダンジョンを調べたりで忙しかった。突然言い渡されたダンジョン攻略に心配そうにしている生徒も少なくなかった。まだ実戦経験が少ない生徒が多く大丈夫かなとこっちまで心配になった。でも、そんな心配を掻き消すようにユースが言った。


「みんなそんなに心配しなくても大丈夫だよ。自分の力を周りのみんなの力を信じて。それに、二年始まってすぐの私たちにそんなに高難易度なダンジョンを選ぶわけないでしょ? それでも怖いって言うのならクラス全員で行動しましょ。もちろん強制はしないから怖い人だけ一緒に行動してくれればいいわ」


 その言葉にクラスの女子の大半がありがとうと感謝し男子の一部も感謝していた。他の男子は自分たちだけで行動するっぽく少し心配だったが、自主性が成長する機会を潰してしまうのは勿体無いと声はかけないでおいた。その日からクラスのみんな金曜日になるまでずっとソワソワしていた。俺とユースは競技会でダンジョン攻略をしたし、夏休みもした。勝たちも夏休みに一回ダンジョン攻略の経験があるのでそこまで心配しているような感じはなかった。


 攻略授業の用意をしていたらあっという間に金曜日になった。俺たちはいつも通り勝の家に集まり学校に向かった。道中どんなモンスターがいるのかやダンジョンの広さはどれぐらいか休憩施設はどんな物なのか話し合った。学校に着くと半数ぐらいの生徒が集まっており少し待ち時間があった。その間グループ分けを決めており、ユースと勝がクラスのみんなと行動し俺と透、春奈はユースたちのグループの近くにいることにした。これならクラスのみんなも安心出来るだろうし、俺たちはある程度自由が効く一番いい案だと思った。そんな話をしていると出発時刻になったのでバスに乗り込み鬱蒼のダンジョンに向かった。先日先生が言っていたように鬱蒼のダンジョンまでかなり時間がかかるらしく俺たちはしばらくの間バス内で自由に過ごした。これから一週間ダンジョン攻略が始まるのだからこのぐらいは許してくれたということだ。バスに乗っている間、鬱蒼のダンジョンだと透の蒼紋の杖が活躍するのではないかという話題になった。


「僕の杖は自然系の魔法が得意だからね。て言うより自然系の魔法はアイテムでしか扱えないって言われてるからね」


 透のその言葉に俺の知的好奇心が刺激された。


「自然系の魔法ってどんな感じなんだ?」


「えーとね種から芽が出る感じって言ったらいいかな」


「へーちなみにそれって何も無い場所でも出来るの?」


「さすがにこのバス内じゃ無理だけど、コンクリートの下にある種とかに作用させることは出来るから結構広い範囲で出来るよ」


 それなら俺のマナ感知を最大限利用して黎杖も使えばコンクリート街でも一面ジャングルみたいに出来るんじゃないかと思った。でも、それを行うメリットが見当たらず思うだけに留めた。もしかしたら、今後使う場面が出てくるかも知れないからじいちゃんにでも教えてもらおうかなと思った。そんな話をしていると休憩時間になりサービスエリアに寄った。俺たちは買い食いをしたりガチャガチャをしたりしてサービスエリアを楽しんだ。再びバスに戻りダンジョンへと向かった。俺たちはバスに揺られ続けいつの間にか眠っていた。目を覚ますとかなり山の方まで来ておりバスは旅館のような建物の前に停まっていた。


「ここで一泊するからみんな降りろー」


 俺たちはバスを降り先生たちの指示に従い寝る大部屋に荷物を置き晩ご飯を食べ大浴場でゆっくりと体を休めて翌日のために早く眠りについた。バスで寝ていたが思いの外早く眠れ十分に疲れが取れた。

次回もお楽しみに


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