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忘れられた記憶の断片から力を得れる俺は小出しで成り上がる  作者: 描空
学生編

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52話 ダンジョン攻略②

 休憩を終えダンジョン攻略の準備を終えた俺たちは攻略を再開した。俺がユースと金田先輩にアークシィリュームをかけ、爆速でモンスターを撫で斬りにしていった。湿地帯が終わると普通のダンジョンの様相に戻っており何故さっきの一帯だけ湿地帯だったのか疑問に思った。そんなことを思っていると、ダンジョン内の気温が上昇していることに気がついた。ユースと金田先輩はモンスターを倒してアドレナリンが出ているのか気づいていない様子だった。


「二人とも止まって!」


 二人の後を追いかけながら言うと、二人は急に立ち止まり二人の背中にぶつかった。こんなに急に止まるとは思っていなかった俺のミスで二人にぶつかってしまい互いに痛い思いをした。


「何よ急に止まってって」


 ユースの問いかけに答えた。


「なんか暑くない?」


 俺が二人に問いかけると二人は少し体感温度を感じるために意識を向けた。


「確かに」

「そうだな」


 二人が答えると俺は間違っていなかったと思ったと同時に、この暑い原因はなんなのかを探る必要があると思った。


「さっきの湿地帯みたいに暑い所があるのかな?」


 俺が二人に問いかけると二人はうーんと首を傾げた。俺たちはその原因を探るために手分けしてダンジョンの中を探索した。その結果、暑さの原因は進む道の先にあった溶岩溜まりだった。何故ここに溶岩があるのか、どんなモンスターのせいなのか分からずにいると金田先輩が言った。


「テラコーバスラヴァだ」


 金田先輩の言うモンスターの名前は聞いたことがなくどんなモンスターなのか聞いた。


「どんなモンスターなんですか?」


「体内で溶岩を作り出しその溶岩の中を自由に動くモグラだよ。大きさは二メートルぐらいであんまり大きくないんだけど、全身に溶岩を纏ってて近接攻撃は出来ない厄介な奴だ。でも、俺たちにはお前らがいるから大丈夫だな。それよりアイツを溶岩の上に這い出させなくちゃいけないのが面倒だな」


「ちなみに俺が水魔法で溶岩を全部冷やしたらどうなります?」


 俺の質問に金田先輩は悩んだ。その時ユースが言った。


「いいんじゃない? 溶岩固まらせてその上から私と健斗で雷魔法撃ちまくったら倒せるでしょ」


 ユースの言葉に金田先輩が反論した。


「多分固まった溶岩はそんなに電気を通さないんじゃないかな? それに、テラコーバスラヴァが怒って先に進んでた俺たちの背後から攻撃してくる可能性もあるし」


 俺たちはどうやって倒すかしばらく考えた。でも、これといった方法は思いつかず難儀していると金田先輩が言った。


「巣穴が見つかればそこから水を流し込んでどうにでも出来るだろうけど、この広い溶岩溜まりから体長二メートルのモンスターの巣穴を見つけるのは至難の業だな」


 そこで俺はひらめいた。


「表面だけ溶岩固まらせたら巣穴見つけやすいんじゃ? 固まった溶岩の上に水を張ったら巣穴のところだけ水がなくなるでしょ?」


「確かにそれならいけるかも」


 金田先輩は希望を見つけたような表情になった。早速俺は行動に移した。溶岩の上に水魔法で水を流すとたちまち水蒸気が発生した。その水蒸気のせいで辺りの気温はさらに上がりサウナのようになった。一刻も早くこの状況をやり過ごすべく溶岩の表面を固まらせた。さすがに暑すぎるから風魔法や水魔法で体感温度を下げた。俺たちのコンディションが万全の状態になるまで待ってからテラコーバスラヴァの巣穴を探し始めた。溶岩の上に水を張ったが、なかなか見つけることが出来なかった。金田先輩の言う通り溶岩の量がかなり多くそこから巣穴を見つけるのは至難の業だった。でも、時間をかけなんとか巣穴を見つけた。巣穴に二人を呼んでから巣穴に水を流し込んだ。しばらく流し込んでいると巣穴の中から何やらゴポゴポと音が鳴り始めた。何の音かと耳を傾けていると、その音が徐々に近づいて来ているのが分かった。


「離れろ!」


 金田先輩の言葉に俺とユースは咄嗟に巣穴から離れた。その瞬間、巣穴から二メートル弱の真っ黒なテラコーバスラヴァが出てきた。何故真っ黒なのかは、体に纏っていた溶岩が冷えて固まったからだった。俺たちが様子を見ているとテラコーバスラヴァが鼻をスンスンと鳴らせて俺たちのことを探しているようだった。特徴はモグラと同じなのか少し離れているが目の前にいる俺たちに攻撃をして来ていないので目は見えていないのだろう。金田先輩が今のうちに攻撃しようと俺とユースに目配せで合図した。俺とユースは雷魔法を準備して撃った。


「ギュヴ!」


 テラコーバスラヴァは雷魔法をモロにくらったが、体に纏っていた溶岩が鎧のような役割を果たしあまりダメージは通っていなかった。すると、テラコーバスラヴァは俺たちの方に突進して来た。そのスピードはそこまで早くはないが、鋭利で大きな爪があるため距離を取った。すると、テラコーバスラヴァは俺たちがどこにいるのか分からなくなり口から溶岩を噴射した。全方位に噴射する溶岩に俺たちは恐怖した。溶岩に当たったらひとたまりもないのは誰でも分かるため俺たちはさらに距離を取った。そして、再び雷魔法を撃ったが、やはりあまりダメージは通らないため作戦を変えることにした。テラコーバスラヴァは俺たちを探しているため作戦を変える時間は十分にある。でも、テラコーバスラヴァにバレないようにもっと距離を取った。かなり距離を取り声が聞こえないのを確認してから作戦会議を始めた。


「どうする?」


「爆発魔法は溶岩に防がれるだろうし、火も水も雷も意味がない。正直言って無理じゃないですか?」


 俺が本音を言うとユースが言った。


「爆発魔法を何度も何度も同じ場所に撃ってテラコーバスラヴァの肉体が露出したら私の雷王の剣で雷流してトドメを刺せるけどいけそう?」


「うーん……」


 やろうと思えば出来るだろうが、その場合ダンジョンの壁にも爆発の影響が出るだろうし、爆発の影響が出ないように小さくしたら威力が足りないだろうした悩んでいるとじいちゃんの声が聞こえてきた。


(爆発のエネルギーを凝縮させるんじゃ。マナを凝縮させるのと同じ感覚じゃ)


 じいちゃんの助言にはいつも助けられてるなと心底思った。


「いけるよ」


 俺は自信を持って答えた。二人は嬉しそうな表情をしていた。俺はじいちゃんに言われた通りマナを凝縮させる感じのイメージを爆発魔法に持たせた。もしかしたら威力が足りない可能性があると考えてマナを上乗せしてこれで大丈夫だろうと二人に合図した。ユースが雷王の剣に雷を集中させ、金田先輩がテラコーバスラヴァの注意を引いた。金田先輩が壁際まで行きテラコーバスラヴァの突進攻撃を避けた。テラコーバスラヴァは顔面から壁にぶつかり隙が生まれた。その隙に爆発魔法をテラコーバスラヴァの背中に撃った。その爆発魔法は一度爆発すると爆発の中心に向かって凝縮し爆風がやってきた。


「グゥヴ!」


 俺の爆発魔法に怯んだ隙にユースがテラコーバスラヴァの背中の上から雷王の剣を突き立てた。さっきの爆発魔法でちゃんと固まった溶岩は割れており雷がテラコーバスラヴァの体に流れた。その雷でテラコーバスラヴァは動かなくなった。ユースが俺と金田先輩に倒したことを知らせてくれた。


「倒せたよー!」


 俺と金田先輩はユースにグッドを送った。俺たちの課題はこう言う初めて戦うモンスターや何かに極振りしたモンスターだと感じた。

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