51話 ダンジョン攻略①
勝ち抜きトーナメントが終わった翌日、今日は三種目目のダンジョン攻略が行われる。だからか朝からみんなソワソワしており落ち着きがないように思えた。ユースと金田先輩はそんな様子はなく俺も安心できた。朝ご飯を食べていると運営の人がやって来て言った。
「本日のダンジョン攻略ですが、各高校違うダンジョンに挑戦してもらいます。難易度はダンジョンによって違いますので各高校挑戦するダンジョンを選んでいただきます。ダンジョンの難易度に応じて点数が変動しますのでご注意を。一覧表を持って来ていますので競技が始まるまでには決めておいてください。もし、他の高校と被った場合はじゃんけんや話し合いで決めてください。本日はダンジョンに直接向かっていただきますのでなるべく早く決めてください。私はここにおりますので質問があれば聞きに来てください」
朝ご飯を食べ終えた高校からダンジョンの一覧表を見ていた。どんなダンジョンがあるのか分からないが、俺たちなら大丈夫だろうと他の高校の人たちがダンジョンを選び終わったタイミングで見にいくことにした。しばらくしてダンジョンの一覧表を見に行くと、ほとんどのダンジョンに高校の名前が書かれていた。先に選んだから残り物を選べということだろう。残っているダンジョンは二つ。滅殺のダンジョンと破殺のダンジョンだった。何とも悍ましい名前で他の高校は選ばなかったのだろう。それよりまだ選んでない一校はどこだろうと思っていてると隣に美園藍が来た。
「君たちもまだだったんだね」
美園藍は微笑みながら言った。ついこの間まで普通に戦いあった相手に笑みを向けられるなと思っているとユースが言った。
「滅殺と破殺どっちにする?」
「破殺にしようかな。それでいいかな?」
「ええ。健闘を祈るわ」
「そちらこそ」
そんな感じでダンジョン選びが決まった。そこから俺たち出場者は各々のダンジョンに向かうために用意されていた車に乗り込み連れて行ってもらった。しばらくすると車が止まり海の近くに着いた。そこは近くに浜辺があり普通に観光地みたいな場所だった。でも、ダンジョンがあるせいで観光地にはならなかったのだろう。滅殺のダンジョンを目の前にすると、俺たちをここまで連れて来てくれた運営の人が腕時計で時間を確認した。すると、持っていたアタッシュケースからドローンを取り出した。俺たちが何だと思っていると説明を始めた。
「只今より三日間ダンジョン攻略を行ってもらいます。必要な物はこちらで用意しておりますのでご安心を。こちらのドローンはお三方の安全を守ると同時に不正を防ぎ視聴者の皆様に映像を届ける役割を持っております。ドローンに指を一本立てていただければ食料と水を、二本立てていただければ救護を、三本立てていただければギブアップを意味します。救護は一度限りですのでご注意を。後五分で始まりますのでご準備を」
俺たちは準備運動をした。そして、俺が二人にアークシィリュームをかけた。これで爆速で攻略しようということだ。二人はニヤッと笑い俺の考えを理解したようだ。
「始まります。それではご健闘を」
運営の人がダンジョンの扉を開け、俺たちは爆速で中に入った。中に入るとゴブリンたちがいたが、俺たちは剣で撫で斬りにした。最初は弱いモンスターばかりだったが、しばらく進んでいくとオークやオーガが現れ始めた。でも、俺たちには敵ではなく撫で斬りにした。そのまましばらく進んでいると今までのダンジョンとは全く違う場所があった。何と湿地帯があったのだ。普通に植物が生えており水が豊富でここだけダンジョンの中とは思えないほどだった。さすがに俺たちは足を止めた。湿地帯ということは両生類のモンスターがいるだろうと警戒して進むことにした。俺が風魔法で空中から、ユースと金田先輩が地上から進んだ。空中から辺りを見ているとは言え、モンスターは見つけられず困惑していると金田先輩が言った。
「マングスアンギスだ!」
マングスアンギスとは、アナコンダをさらに大きくしたような蛇のモンスターであり、オークなどのかなり大きなモンスターを食う天災級のモンスターだ。二人は地上から、俺は空中から攻撃を試みた。ユースが雷魔法を金田先輩が爆斬刀・真を俺が火魔法をくらわせた。マングスアンギスはかなりダメージをくらったが、まだ息があった。その時、マングスアンギスが牙から毒液を噴出した。二人は超反応で避けた。俺はその隙に爆発魔法を撃ち倒した。
「大丈夫?」
二人に聞くと二人はグッドを見せてくれ安心した。そこからしばらく湿地帯を進んでいると、湿地帯の終わりが見えて来た。だが、その前に新たなモンスターが現れた。
「クロコディウスか……」
金田先輩が苦い顔をした。クロコディウスは世界最大のイリエワニを五割り増しにしたようなモンスターで体長十メートルはある破滅級で、知性はそこまでだが、シンプルな強さで破滅級に分類されているモンスターだ。俺たちがどうしようかと立ち止まっているとユースが雷魔法を撃った。だが、クロコディウスの硬い外皮によってダメージは通っていなかった。まさか雷魔法が通らないほど外皮が硬いとは思っておらず驚いた。
「マジか……」
ユースはクロコディウスに雷魔法を防がれことを悔しがっていた。すると、クロコディウスは攻撃された怒りからユースと金田先輩に攻撃を始めた。俺は空中から火魔法で二人を守った。クロコディウスは火に怯えているのか少し下がった。ユースと金田先輩はその下がった隙に近接攻撃を仕掛けた。さすがのクロコディウスも直接攻撃はくらっていた。でも、そこまで深く傷を与えられておらず苦戦していた。それならと俺は自由落下で空中からクロコディウス向かって氷刃剣を突き立てた。クロコディウスの首に刺さったが、それでも動いていたため氷刃剣で内部から凍らせた。クロコディウスは動かなくなり倒せた。俺たちは早く湿地帯を抜けたい一心でその場を後にした。湿地帯のジメジメした感じを払拭するために火魔法で乾燥させた。まぁまぁ進んだため少し休憩をすることにした。そこで気分転換に雑談をすることにした。
「そう言えば制限時間は三日間だげど、それより早く攻略したら点数加点されたりするんですか?」
俺が金田先輩に聞くと答えてくれた。
「そうだ。でも、今まで三日以内に攻略しきった奴らは数えるほどしかいないから現実的ではないな」
金田先輩の言葉を聞いて俺とユースは目を合わせ頷いた。
「俺たちなら出来ます」
「いや、さすがのお前たちでもダンジョンを三日以内に攻略するのは無理だろ」
金田先輩の言葉にユースが答えた。
「私たち連鎖のダンジョンって言うダンジョンの完全攻略したんですけど、その時大体一週間ぐらいかかったから、マジで時間重視でやったらいけると思います。それに健斗のアークシィリュームもあるからマジでいけると思いますよ」
金田先輩は本当かと言わんばかりの顔で俺のことを見てきた。俺は自信を持って頷いた。
「分かった。ならやれるだけやってみよう。でも、小出がキツくなったらすぐにやめる。攻略スピードメインじゃなくて俺たち全員の体調メインでいくから、誰かが怪我したら攻略スピードは落とす。スピードより命大事にだ」
金田先輩の指示に従いダンジョン攻略を再開するために準備を始めた。
ゆっくりお待ちください




