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忘れられた記憶の断片から力を得れる俺は小出しで成り上がる  作者: 描空
学生編

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49話 個人戦①

 休息を終えた俺たちに待っていたのは勝ち抜きトーナメント個人戦だった。個人戦は同じ高校の味方とも当たる可能性があるトーナメントで、出場者全員の中で一番を決めるものだ。警戒しなければならない相手はやはり美園(らん)だろう。チーム戦で一度戦って勝ったとはいえ、今度も勝てるとは限らない。入念な準備をしなければならない。とは言えトーナメント表次第ではすぐに当たるかも知れないしかなり後の方かも知れない。きちんと準備出来るだけの時間があればいいなと思いながら朝ご飯を食べていた。その時ユースが話しかけてきた。


「個人戦負けないわよ」


「俺以前に美園藍に負けないようにね」


「言われなくても分かってるわよ」


 そんな会話をしていると金田先輩が言った。


「なるべく互いに戦力削らないようにどっちかはギブアップしてね」


「嫌よ。健斗がギブアップしてよね」


「俺だって嫌だよ。ユースがギブアップしてよ」


「嫌よ!」


「俺だって!」


 俺たちは互いに譲らなかった。そして、ユースが言った。


「ならトーナメントで決着つけましょ。正々堂々戦って勝った方が勝ち進む。トーナメントのルールに則ってやるの。これなら文句ないでしょ?」


「負けても文句言うなよ」


「言わないわよ!」


 そんな話をしているとトーナメント表が発表された。なんと、俺は一番右端でトップバッター。ユースはほとんど中央。美園藍はどこかと見てみると、一番左端で仕組まれているのではないかと思った。


「これヤラセじゃないわよね?」


 ユースも意図的と思わざるを得ないトーナメント表に疑問を感じているようだ。


「言われても仕方ない配置だけど、さすがにそうじゃないと信じたいな」


 俺とユースがトーナメント表の前で話していると金田先輩もトーナメント表を見て言った。


「確かにこれは運営の意図がありそうだな。最終試合で小出と美園が戦うのを観客たちも見たいだろうから仕方ないって感じもするな。運営としても最終試合まで二人の戦いを温存していた方が視聴率もいいだろうからな。仕方ないと思うしかないな」


 俺たちは他の人もトーナメント表を見るだろうと離れた。トーナメントが始まるのは十時からで、今は八時半。何かを始めればあっという間だが、何もしないにしては長い微妙な時間だ。こんな時のために忘れられた記憶の断片(アルカディアリベル)を持ってきたのだと部屋に戻った。まぁ忘れられた記憶の断片(アルカディアリベル)の中にいる時は時間が経たないから時間は潰せないがトーナメントの準備は出来る。


「アペルタ」


 中に入るとじいちゃんが暇そうにしていた。俺はじいちゃんの肩をツンツンとして気づいてもらった。そこから美園藍と戦った時のことを話したりした。戦ってる最中にもっと魔法を使えるようにした方がいいことや、近接ばかりにリソースを割くのではなくもっと広い視野を持つ方がいいことを教えてもらった。戦いの中で魔法を使うコツも教えてもらい、じいちゃんに別れを告げ武帝にも会いに行った。武帝には美園藍に勝ったことを褒められた。豪嶽砕(ごうがくさい)もきちんと使えて相手のペースに呑まれないようにも出来ていたとのことだった。まさかこんなにしっかりと褒めてもらえるとは思っておらず嬉しくなった。そこから武帝にさらに両手剣を上手く扱うためのコツを教えてもらった。武帝に別れを告げシロに会いに行った。シロは俺が来るのを分かっていたかのように目の前で待っていた。久しぶりのシロをワシャワシャしてシロ吸いをしてシロの成分を摂取した。シロからは野生の勘を信じることも時には大事だと教えられた。しばらくシロを堪能して別れを告げた。


「キール」


 みんなに戦いで役に立つことを教えてもらい、後は個人戦が始まるのを待つだけとなった。ホテルのトレーニングルームで体を動かすのもいいが、何となく気分になれなかったので部屋でスマホを弄って時間を潰した。動画配信サイトやSNSでは俺と美園藍の戦いが至る所で取り上げられており、嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。その期待に応えられるように個人戦も頑張ろうと気合を入れた。そんなことをしているともうすぐ十時になりそうで控室に向かった。控室には金田先輩がいた。金田先輩と個人戦どうなるか話しているとユースがやってきた。ユースはやる気に満ちた目をしており俺も頑張らなくちゃなと思った。


「まもなく勝ち抜きトーナメント個人戦が始まりますので出場者のみなさんは競技場にお集まりください」


 アナウンスの指示に従い競技場に向かった。俺たちは出場者が競技場に入った瞬間から観客の声援が凄かった。昨日のチーム戦もかなりのものだったが、今日の声援は倍以上に感じるほどだった。何でこんなに盛り上がっているんだろうと思っていると金田先輩が言った。


「SNSで見たけど、小出と美園の戦いが色んなところで取り上げられてチケットの倍率二十倍以上だって」


「ひえー」


 まさかそんなことになってるとはつゆ知らず情けない声が出てしまった。そんな倍率のチケットを取れた人たちだから、より一層盛り上がっているのだろう。世間からの期待が莫大なものであるのを実感した。でも、その期待に押しつぶされたりせず逆に嬉しくなった。世間の期待が俺の実力を証明しているようなもので、じいちゃんたちみんなの実力も証明しているように感じたからだ。


「さぁ始まりました全国高校選抜競技会。本日の種目は勝ち抜きトーナメント個人戦。個人戦は試合数が多いため実戦場の数を増やし三組同時に試合を出来るようにしております。詳しいルールと致しましては、チーム戦と同じルールで行わせていただきます。チームでの戦いから個人の戦いに重きを置いた種目と考えていただければ分かりやすいと思います。それでは勝ち抜きトーナメント個人戦開幕です!」


 勝ち抜きトーナメントが始まり一番最初の俺は実戦場に向かった。相手は五大校の人ではなくそこまで記憶に残っていない。だからと言って油断したり手を抜いたりすることはしない。試合が始まると黎杖(れいじょう)で爆発魔法を撃ち一撃でノックアウトさせた。


「小出健斗選手、対戦相手を一撃でノックアウトだー!」


 実況の一言に観客たちはすごい盛り上がりを見せた。これだけ盛り上がってくれると戦っている自分としても嬉しいものだ。反面、周りのまだ戦ってる人たちには申し訳ないとも思う。トーナメントの熱狂具合はずーっと続き、ユースや他の五大校の人たち、美園藍の試合でも今までにないほど盛り上がっていた。前日までもすごい盛り上がっていたが、今日は異常なほど盛り上がっていた。二回戦が始まり俺が実戦場に上がると観客たちは今度はどんな戦い方を見せてくれるのかと期待しているように感じた。俺はその期待に応えるように次は氷刃剣を使うことにした。相手も俺と同様に剣を構えていた。試合が始まると相手から速攻を仕掛けてきた。でも、そこまで苦戦するような相手ではなくカウンターでサクッと勝利した。続いて三回戦の相手は拳のアイテムで超近接タイプだった。超近接タイプへの対抗策を持っておらず普通に魔法で遠距離から倒すというあまり面白みのない勝利となってしまった。昼休憩でトーナメントは一時中断された。その間に俺たちは出場者はホテルで昼ご飯を食べた。昼休憩も終わりトーナメントが再開された。そこから何戦か行われ残すところ後三戦となった。残ってる人たちは全員五大校で金田先輩とユースも残っていた。ここから楽しくなるなと観客たちも分かっており競技場は今日一番の盛り上がりを見せた。

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