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忘れられた記憶の断片から力を得れる俺は小出しで成り上がる  作者: 描空
学生編

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41話 校内選抜①

 今日は全国高校選抜競技会の校内選抜一回戦が始まる日だ。一回戦と言っても、エントリー者数が多すぎて一日で終わらないから三日に分けられているのだ。そして、初日はユースさんの対戦があるのだ。俺たちはユースさんを応援すべく朝早くから実戦場に集まった。選抜戦の時と同じで朝早くから場所取りをしている生徒はちらほらいた。かく言う俺たちもそのうちの一人だ。俺たちは場所取りをして校内選抜が始まるまで雑談をして待った。


 しばらくすると校内選抜を見に来た生徒が多数現れたが、選抜戦三年の部の時とは比べ物にならないほど人が少なかった。とは言うが、多いのは多い。おそらく、ユースさんの実力を一目見ようという生徒でこれほどの人数が集まったのだろう。だが、多くの生徒は選抜戦の時にユースさんの実力は見ているだろうから、ここに集まった生徒はユースさんの実力を見られなかった生徒なのではないかと考えた。もちろん普通に友達が今日戦うから見に来ている人もいるだろうから決めつけるのはよくない。でも、実戦場に来ている生徒の大半がユースさんのことを口にしていたのだ。そう思っても仕方ないだろう。そんなことを思っていると選抜戦の時と同様に実況が喋り始めた。


「今年もこの時期がやって参りました。全国高校選抜競技会の光正代表を決める校内選抜。今年は異例のエントリー者数が例年の約三倍。それに伴い競技会に間に合うようにするために対戦数を減らし、三つ巴となりました。新入生にとってはあまり違和感はないでしょうが、先輩たちを見れば分かることでしょう。校舎中ザワザワしております。そんな話をしているとあっという間に校内選抜が始まる時間となってしまいました。それでは競技会、校内選抜始まりです!」


 実況が校内選抜開始を告げると三人の生徒が実戦場に出て来て三つ巴を始めた。あまり見応えはなかったが、戦った人に失礼のないように対戦が終わるまで顔に出さず、対戦が終えるときちんと拍手をして対戦者を称えた。そこから何組もの対戦が終わりいよいよユースさんの番となった。実戦場はさっきまで盛り上がりを見せていなかったが、ユースさんの登場に一気に盛り上がった。やはり、ここに来ていた大半の生徒はユースさん目当てだった。あまりいい気はしなかったが、仕方ないなとも思った。


「さぁ、今年の一年生で……いや、光正で最も有名なユース・ヨハネスの登場だ!」


「「「うおおお!」」」


 実況の言葉に実戦場は一気に盛り上がった。ユースさんは面倒くさそうにため息をついていた。今から戦うっていうのにこんなことされちゃって感じのため息だった。鷲田先生の合図でユースさんの対戦が始まった。すると、対戦相手の二人がユースさんに向かって行った。事前に口裏を合わせていたかのように完璧なシンクロ攻撃にどうするのかと思ったら、ユースさんは瞬時に雷王の剣で体に雷を纏い二人を寄せ付けないようにした。ユースさんはスッと剣を抜き二人に向かって剣先を突きつけた。二人は怖気付いたのか攻めれないでいると、ユースさんは左手に持っていた雷電応杖(らいでんおうじょう)を二人に向け雷魔法を撃った。二人は避けることも防ぐことも出来ず、モロにくらいユースさんの勝利となった。


「勝者はユース・ヨハネス! 杖から放たれた雷魔法で対戦相手二人を一撃で倒しました!」


 実戦場はさらに盛り上がった。ユースさんの実力を見て興奮しない奴の方が少ないだろうから無理もないだろう。ユースさんの対戦が終わりそこから何十戦と対戦があり、初日の対戦は全て終わった。見た感じ一年と二年が中心の対戦だったように思えた。選抜戦の時に見た三年生はもっと実力も練度も高いからそう感じたのだ。


 校内選抜初戦二日目となった。今日は朝早くから場所取りはせずゆっくりと実戦場に向かった。昨日より人が多く、もう既に大半の席は誰かが座っていた。今日と明日は三年生が多いだろうから観客席が埋まるのも納得できる。俺たちはどこに座ろうか探し回りなんとか席を見つけた。少しすると実況が喋り始めた。


「校内選抜二日目となりました。今日は昨日より人が多くていいですねー。逆にプレッシャーとなる人もいるでしょうが、競技会に行った時、それではまともに戦えなくなってしまいますから、会場を支配する勢いで自分の強さを見せて欲しいですね」


「そうですね。競技会は全国から人が押し寄せますから。それに、企業のスカウトも多数いる状況ですからね。緊張でまともに戦えないなんて勿体無いですからね」


「そんな話をしていたらもう始まりまそうですね。みなさんの健闘を祈ります」


 三人の生徒と鷲田先生が実戦場に現れ対戦が始まった。背格好からして一人は三年、後は一年か二年だった。これは三年の圧勝かと思ったが、一年か二年の二人が意外にも協力して三年を追い詰めた。だが、そこは流石三年といったところだ。アイテムの力と思しき爆発的な瞬発力で二人の攻撃から逃れ、同時に二人の背後に移動し二人を倒した。その様子に実況と実戦場の皆は大興奮だった。俺は膂力増強リングのようなアイテムが他にもあるのかなと思い三年生を注視したが、それらしい物は見えなかった。そこから初日と同様何十戦と対戦が行われた。三年生が多くかなり見応えのある対戦が行われ見ていてとても勉強になったし楽しかった。いよいよ明日が俺の校内選抜初戦だ。気合いを入れるために武帝に喝を貰いに行った。


「いよいよ明日です」


「そうか。お前なら絶対に勝てる。俺様の稽古を受けたんだ。勝てないはずがない」


「はい。頑張ります」


「気楽に行ってこい」


 武帝は笑いながら言った。その笑顔は俺に自信と余裕を与えてくれた。武帝に別れを告げ校内選抜に臨んだ。


「さぁ校内選抜初戦三日目になりました。ようやく今日で初戦が終わります。みなさんの勇姿を見せつけてください!」


 実況の言葉を聞いて俺はついに始まったんだと思った。俺の番はもう少し後だからその間自分を落ち着かせた。じいちゃんたちと訓練した日々を思い出し俺なら勝てると気合いを入れた。しばらくし俺の番となった。豪嶽砕(ごうがくさい)を使おうとも考えていたが、まだそこまで慣れていないので氷刃剣を手に実戦場に向かった。相手は三年生と思しき体格の良い男の人とニ年か三年の女の人だった。近接職と魔法使いかなと思いどうしようか考えていると鷲田先生が準備はいいか聞いてきた。先輩を含め俺たちは頷き対戦が始まった。


 俺は開幕から攻めるようなことはせず少し様子見をした。相手もそのつもりらしく三角形の頂点の位置でお見合いをしていた。一人が攻めればもう一人からやられるため攻めあぐねていると、周囲から早く戦えとヤジが飛んできた。だが、俺はそんな声は無視して戦いに集中した。俺は試しに火の壁を出現させて相手がどう動くのか見てみることにした。


「膠着状態を破ったのは小出くんの火の壁だ! 二人はどう対処するのか」


 実況の声に二人はどう対処するのか考えていることが分かった。なら、今のうちに古代魔法を使おうと考えたが、さすがに威力が高すぎると判断しそこそこのマナに抑えた。後は二人の対処次第でカウンターで魔法を出現させるだけだと考えていると、二人は火の壁を避けたり破ってきたりせず、アイテムで防御して対処した。まさか、守りで対処するとは思っておらずどうしようかと考えていると、女の先輩が火魔法を撃ってきた。俺はマナを分散させないように集中しながら火魔法を避け、水魔法を出現させた。防御で対処出来ない量の物量で押そうとしたのだ。すると、二人は俺の水魔法を避けるために空中に飛び上がった。俺はその隙を見逃さず、爆発魔法で追撃した。


「おおっと、ここで小出くんの爆発魔法だ! 二人はモロにくらったようだがどうだ!?」


 二人は防御が間に合っておりそこまでダメージを与えられなかった。だが、それは問題ではない。俺の多種多様な魔法を見せることで二人の注意を魔法に向けさせることだ。そこで、武帝から叩き込まれた近接戦闘をアークシィリュームで身体能力を上げた状態で打ち込むという考えだ。すると、二人は思っていたように俺の魔法を嫌がり近接戦闘を仕掛けるために距離を詰めてきた。俺はアークシィリュームを発動させ身体能力を底上げし二人の攻撃を避け一撃をくらわせた。だが、そこで終わらせず、怯んだ二人に追い討ちの爆発魔法をお見舞いし鷲田先生が俺の勝利を告げた。


「勝者は小出健斗! 選抜戦の時から間違えるほど強くなり先輩二人を打ち負かした!」


 実戦場は大盛り上がりだ。俺は右手を上に突き上げ勝利を喜んだ。この調子で勝ち抜いてやる。そう自分に言い聞かせるように心の中で言った。無事に初戦を勝ち上がりユースさんと共に健闘を称え合った。校内選抜初戦が終わり明日から二回戦となる。まだまだ足りないところが多いから二回戦までにじいちゃんたちに色々教えてもらおうと決めた。

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