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忘れられた記憶の断片から力を得れる俺は小出しで成り上がる  作者: 描空
学生編

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38話 武帝

 シロとじいちゃんから古代魔法について教えてもらい魔法はひと段落ついたと思う。魔法の基礎的な知識は頭の中に入っているため、あとは近接戦闘が課題として残っている。今は夏休みということもあり時間がある。とは言え近接戦闘をつきっきりで教えてくれる人なんていないからどうしようかと思っていると、ピッタリな人がいるのを思い出した。それは、武帝だ。一度武帝に稽古をつけてもらったが、それ以来会っていない。それは武帝の指示であるため仕方なかったが、今となっては魔法もかなり上達したし、再び武帝が稽古をつけてくれると思った。思い立ったが吉日ということで早速武帝に会いに行くことにした。


「コンベルタ。アペルタ」


 じいちゃんの次の所に武帝がいるため、コンベルタと唱えてから忘れられた記憶の断片(アルカディアリベル)の中に入った。そこには座禅している武帝がいた。瞑想している最中で目を瞑っており俺が来たことに気づいていない。瞑想の邪魔をすべきではないことは誰にでも分かることなので黙って武帝が瞑想を終えるまで待った。しばらく武帝を眺めていると、目があった。ようやく瞑想が終わったようで話始めようとしたら武帝が先に口を開いた。


「お前いつの間にいたんだ?」


 武帝は少し驚いたような声で聞いて来た。俺は別にはぐらかすようなことなんてなかったので事実をそのまま伝えた。


「少し前からです。瞑想の邪魔をしてはと思って黙って待ってました」


「そ、そうか。それよりちゃんと自分の学びたいことは学べたか?」


「はい。一通り学んできたので再び剣の稽古をつけていただきたく戻って来ました」


「それじゃあ俺様に成長のほどを見せてみろ。もし、全然成長してないようだったら今回の稽古は無しだからな」


「はい」


 俺はシロとじいちゃんに学んだ古代魔法を披露した。火、水、風、雷、爆発魔法をじいちゃんの時と同じ規模感で出現させた。


「認めざるをえないな。準備をしろ」


 俺は氷刃剣を抜き呼吸を整えて準備をした。俺が準備を終えたのを確認した武帝が続けた。


「今から、俺様の戦闘スタイルで稽古つけてやる。そこで、お前の怪我を最小限にするために俺様は木剣を使う。これはお前を守るためだ。木剣だからと言って、舐めてかかるんじゃないぞ。それと、木剣を斬っても続けろ。手を止めるな。俺様はお前に負けるほど弱くない。万が一俺様に傷をつけることができたら、俺様が持ってる武器系のアイテムのどれかをやろう。制限時間は無し。気力が無くなるまでやること。以上だ。早速始めるぞ」


「お願いします!」


 俺は気合を入れて稽古に臨んだ。忘れられた記憶の断片(アルカディアリベル)の中は体力を消耗しないため永遠と武帝に斬りかかることが出来た。だが、武帝の圧倒的な戦闘センスと経験値を前に擦り傷すらつけられずにいた。次第に武帝に傷をつけるなんて無理なんじゃと思っていると、武帝が言った。


「諦めるな! 健斗、お前なら出来る。お前は可能性の塊だ。こんなところで諦めて自分の道を狭めるのか? それが嫌ならもっと志を高く、意志を強く持て!」


「はい!」


 俺は自分に喝を入れてより一層稽古に打ち込んだ。体力を消耗しないのだから、どんな無茶な攻撃だって出来る。どんな連撃だって打ち込める。現実では無理でも、ここでなら出来ると今までとは全く異なる戦闘スタイルで畳み掛けた。でも、武帝は難なく凌いでいる。このままではダメだと思いアークシィリュームを発動させ、笑みの寵愛も発動させるために笑みを浮かべた。すると、さっきまで真顔だった武帝の顔が少しづつ焦りを覚え、笑みを浮かべるようになった。俺がようやく本気になって嬉しくなったのだろう。


「そうだよ本気を見せてろ健斗!」


「はい!」


 そこから俺は自分の持っているもの全てをぶつけるつもりでやった。全身を駆け回るマナのスピードを上げて身体能力をさらに底上げし、氷刃剣を振るスピードを早め笑みを忘れず無我夢中で武帝に打ち込んだ。武帝もそれに応えるように全力だった。武帝が握る木剣は武帝のあまりの握力にミシミシと鳴っていた。今まで武帝は完璧に俺の氷刃剣の太刀筋を見切り受け流していたが、握力で柄が曲がり氷刃剣に斬られてしまった。だが、俺は手を止めなかった。事前に手を止めるなと言われていたからだ。武帝は瞬時に腰から短剣を取り出した。武帝とは言え短剣で普通の剣を相手にするのは厳しく次第に俺が優勢になって来た。俺はここぞと畳み掛けた。俺は武帝の短剣を弾き飛ばし武帝に一太刀くらわせた。


「よくやった」


 武帝を見ると、胸に受けた斬り傷を治癒魔法で治していた。傷は深くなくみるみるうちに治っていった。俺の感覚としてはもう少し深く傷をつけたつもりだったが、武帝の鍛え抜かれた肉体によくやったと自分を褒めた。武帝が傷を治し終えると少し待っているように言われた。俺は座して待っていると、武帝が何もない空間から武器系のアイテムを両手で抱えきれないほど取り出した。アイテムの多さにも驚いたが、何もない空間からアイテムを取り出したことの方が気になりすぐに聞いた。


「そ、それどうやったんですか!?」


「ん? これか。俺様にも分からん」


 その言葉にガッカリした。武帝が編み出した魔法とか俺が知らない魔法ではないかと一瞬思ったのに、分からないの一言で片付けられたのだ。こんな便利そうな魔法があったらなと思っていると武帝が続けた。


「ちなみにここは便利なもんで大体思ったことは出来る。俺様がこの収納出来るのを発見したのだって、片付けられる場所ないかなって思ってたら出来たんだからな」


 そもそもここはアイテムの中であり、存在自体が魔法のようなものなのでそういうものだと自分に言い聞かせた。気を取り直して、武帝のアイテムの中から欲しい物を選ぶことにした。一応確認することにした。


「どれか一つ貰ってもいいんですよね?」


「おうそうだ。説明が必要なら都度教えてやる。使いたかったら使っても構わん。自分に一番合うのを選べ」


 武帝の優しい言葉に甘えることにした。武帝のアイテムを見てみると、世界中の武器があるのではないかと思うぐらい多種多様な武器系のアイテムがあった。剣から戦鎌やヌンチャクなど博物館に展示されていても何ら不思議ではない代物に見惚れていると武帝が言った。


「とりあえず気になったやつから手に取ってみろ。見てるだけじゃ分からないものもある」


 そういうものかと見た目がカッコいい戦鎌を手に取ってみた。すると、重心の位置がいつもと全く違い違和感を感じた。俺の反応をみて戦鎌はやめておくように言われた。自分でも合ってないなと思ったので次は槍を手に取った。その槍は二メートル弱で長過ぎず扱いやすい長さだった。俺がいいなと思っていると武帝が説明してくれた。


「それは貫突槍(かんとつそう)と言って、どんな物体でも中心を捉えれば貫けるっていう槍だ。普通に使ってもいい槍だぞ」


「第一候補ですね」


 槍を置いて次のアイテムを手に取った。そのアイテムは弓だ。と言っても、遠距離攻撃は魔法で事足りているのでまぁいいかと置いた。次に手に取ったのは二刀一対の両手剣だ。持った感じしっくりきたので武帝に説明を求めた。


「これは?」


「それは両刃・豪嶽砕(ごうがくさい)と言う。その二刀を正しく扱えれば山をも粉砕できる両手剣だ。感覚としては決められた手順に沿って攻撃したら、真の力を発揮して力が倍増する感じだな。それにするか?」


「これにします」


 俺は豪嶽砕を貰った。新しいアイテムというのはテンションが上がるもので自然と笑みが溢れた。


「ありがとうございます!」


「おう。両手剣には慣れが必要だから俺が練習台になってやるよ」


「はい!」


 俺はそこから両手剣が手に体に馴染むまで稽古をつけてもらった。両手剣はやれることが多いが扱いはそこまで難しくないためとても利便性の高い武器だと感じた。


「よしいいだろう。自主練も忘れないようにな」


「はい。ありがとうございました。また来ます!」


「強くなってからな」


「頑張ります」


 俺はキールと唱え戻った。夏休みの間にいろんなことがあったなと思っているとご飯が出来たようなのでリビングに駆け降りた。そこまでお腹は空いていないが、記憶は残っているので無性にご飯を食べたくなったのだ。

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