26話 期末テスト①
あっという間に月日が経ちもう期末テストの時期がやってきた。光正の期末テストは普通校と変わっており、座学と自分が専攻している実戦系の授業、モンスターとの実技テストの三つだ。これは他の攻略校から見ても変わっているらしいが、他校のことは関係ないのでみんな気にしていない。
「テスト大丈夫かな? 先生は真面目に授業受けてたら赤点取るなんてことないって言ってたけど」
「大丈夫だろ。それに、光正って卒業するのが難しいって聞いてたけど案外簡単だし。今のうちだけかも知れんけど」
食堂でみんなと話してると、金田先輩が話しかけてきた。
「お前らテスト大丈夫か?」
「俺は大丈夫です」
「俺も」
俺と勝はテストの事は心配していないのでそのまま伝えた。すると、透と春奈が心配そうに金田先輩を見つめており、金田先輩が二人に話した。
「過去問とまではいかないけど、どういう形式かだけ教えておく。座学は論述問題で、一人でモンスターと戦う時気をつける事、戦法、パーティでの対処法とかを聞かれるから答えるようにしておけ。ちなみに、小出とかヨハネスさんは切り刻むとか出来るかも知れないが、そうやって書いても点は貰えないぞ。その問題は自分じゃなくて全く別の誰かっていう問題だからな。基本的な戦い方を書いとけば点数は貰えるから。それより重要なのは後半の実技の方だ。
自分が専攻してる授業のままテスト受けることになるから体調は万全にな。基本的に半年でどのぐらい成長したか見られるから。そんなに難しいことは問われない。でも、実技テストは結構難しい。実際にモンスターと戦うわけだからな。人間とは訳が違う。座学の方で詳しくやったモンスターが出るだろうからきちんと復習しておくように。まぁお前らほど強ければ苦戦しないだろうがな。何か聞きたいことがあれば聞くぞ」
金田先輩は途中から隣の席に座り始め本格的に話を聞いてくれる体勢を取っていた。透と春奈は金田先輩の時のことについて聞いた。金田先輩は思い出しながら話してくれた。
「俺の時はな、座学でオークの群れにどうやって対処するか聞かれたな。多分だけど、一年生はオークとかの災害級しか問われないだろうから安心しな。ちなみに実技テストは座学で問われたオークだったから、座学と実技テストは同じモンスターが出てくるって俺は思ってる。事前に対処法を考えさせて、それを実践する力を問うてるんじゃないかなって。まぁそんなに心配しなくても大丈夫だ。一年生のうちからそんなに求められることないから」
金田先輩の話を聞いて透と春奈は安心していた。すると、ユースさんが金田先輩に聞いた。
「ちなみに、塩田先生って厳しいですか?」
「いや、塩田先生は結構優しい方だと思うぞ。どっちかって言うと尾形先生の方が厳しいかな。あの人は魔法の威力とかじゃなくてちゃんと魔法を使えているか、狙った所に魔法を出現させられるかとかの正確性を求めるタイプだからって言っても相川とヨハネスさんには関係ないか。小出と中村くんは頑張りなよ。羽栖さんは鹿島先生か。鹿島先生はそもそも少ない特殊系を進学させるためになるべく生徒側に寄り添ってくれるから安心しな」
透は少し苦い顔で春奈は安心した顔をしていた。でも、基本に沿ってやったら及第点は取れそうな感じだ。俺たちは金田先輩に感謝を伝えテスト対策に取り組んだ。まず、災害級で問われそうなモンスターの特徴と生態を復習したり、パーティでの戦い方を調べたりした。動画サイトで災害級のモンスターの対処法、戦い方を動画にしてくれている人の動画を見たりした。大体こんな感じでやればいいというのは理解した。後何か気を付けておかなければならないことはないため、実力を伸ばすために残りの昼休みの時間は特訓に当てた。一人がモンスター役をして攻撃の仕方を真似たりして対策はバッチリだ。
いよいよ期末テスト当日となった。テストは三つしかないため午前に座学と実戦系のテストを終え、午後に実技テストをする時間割だ。俺たちは登校中に問題を教え合ったり、生態の確認をしたりした。学校に着くとみんなノートを見返したりしていた。俺たちもそれに倣い座学のノートを見返したりして一秒も無駄にしなかった。
「テスト用紙配るから荷物全部ロッカーに入れるように。不正は絶対するなよ。ちゃんと授業受けてたら赤点取るようなテストじゃないからな」
塩田先生の指示でみんなロッカーに荷物を入れた。準備を終えると先生がテスト用紙を配った。
「始め」
先生の合図で一斉にテストを解き始めた。テスト用紙には問題が一つと大きな解答欄用意されていた。問題文はオークとの戦闘方法、対処法について個人とパーティの二通り書きなさいというものだった。そして、注釈に自分の戦闘スタイルで書くようにと書かれていた。金田先輩の話とは少し異なっていたが、概ね同じだと安心した。俺は自分の戦闘スタイルでオークとどう戦うかを具体的に書いた。魔法を使って足留めをして氷刃剣で斬るということや、爆発魔法を使いながら引き気味に戦うということを書いた。次はパーティでの戦い方だ。パーティでは基本的な戦い方しか勉強していないため知っている事を全て書いた。
「終了。実戦服に着替えて校庭に集まるように。特殊系は実戦場な」
俺たちはテストどうだったかを話し合いながら実戦服に着替え次のテストの準備をした。俺は塩田先生か尾形先生どちらのテストを受ければいいのか分からず塩田先生に聞いた。
「先生、俺ってテストどっち受ければいいですか?」
「小出は俺と尾形先生の両方で見るから一番最後だ。それまでアップでもしておいてくれ」
「わ、分かりました」
少し心配だったが、いつも通りやれば大丈夫だと自分に言い聞かせた。テストと言っても普段の授業とあまり変わらなかった。本当に授業がテストになっている感じで少し安心した。みんな少し拍子抜けと言った感じでテストを終え俺の番になった。
「それじゃあ始めてくれ。自由にやってくれて構わない」
「分かりました」
塩田先生の指示に俺は黎杖で結構大きめの爆発魔法を出現させ氷刃剣で地面を凍らせ一太刀素振りをした。その後氷を出現させ俺のテストは終わった。氷の大きさは三メートルほどで結構いい出来だと思った。
「よしありがとう。これで午前のテストは終わりだ。午後は全員実戦場に集まるように」
俺たちはテストの振り返りをしながら食堂に向かった。途中で春奈と合流し実技テストはどんなモンスターなのかなど話した。今日は一年生がテストなため他学年は休みとなっている。一年生のテストに先生たち人員を割かなくてはいけないため他学年は授業できないのだ。俺たちはなるべく災害級のモンスターをスマホで調べたりして対策した。実戦場に向かい遅刻しないようにしているとゾロゾロと一年生が集まり昼休みが終わった。全員集まったのを確認した鷲田先生が話し始めた。
「全員集まったな。それでは説明を始める。今回は例年と違うテストを行おうと思っている。皆も知っての通り選抜戦でトップ10に入った生徒はかなりの実力を有している。他の生徒は彼ら彼女らに成績でどうしても勝てない。そこで、全員を平等にするために今年からパーティで実技テストを行ってもらう。パーティはこちらで決めており、トップ10は五人二組に分かれて他の生徒より少し強いモンスターを倒してもらう。他の生徒はなるべく連携を取れるように話し合っておくように。それではパーティを発表する」
電光掲示板に名前が記載された。そこには俺の名前と春奈、剛田、西田、宮村と書かれていた。残りの五人がトップ10のもう一組だった。向こうにユースさんがいるから大丈夫だろうと俺たちは作戦を練った。俺と剛田が前衛を担当し西田と宮村が後衛、春奈が前衛と一緒に空中から攻撃するというものだ。バランスの良いパーティに俺たちは少し自信を持てた。
「小出パーティ、降りてこい」
俺たちは実戦場に降りた。どんなモンスターが出てくるのかワクワクとドキドキが入り混じっていると鷲田先生が話した。
「治癒魔法を使える先生が十人体制でお前らも守ってくれる。臆する事なく果敢に挑め」
俺たちはその言葉に少し恐怖心を抱いた。そして、鷲田先生の合図でモンスターが実戦場にやってくると、天災級のガーゴイルが現れた。俺たちは聞いていた話が違うと抗議したが、先生たちはお前らならやれると言ってテストを続行した。俺たちはやらなくちゃいけないなと覚悟を決めた。
果たしてガーゴイルに健斗たちは勝てるのか?
ゆっくりお待ちください




