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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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179話 対戦結果

 選抜戦が終わり今日から校内選抜が始まる。と言っても今年は選抜戦の各学年トップ10しか校内選抜に挑戦出来ないため最大三十人のトーナメントであるためそこまで時間もかからずサクッと終わるだろうなと思いながら学校に向かっていた。懸念点を挙げるとすればスカウトの人たちだが、昨日教頭先生にあれだけ言われたのだから少しは改善するだろうと思っていると学校に着いた。多少スカウトの車はあったが、昨日ほど多くはなく安心した。教室に入りゆっくりしていると朝のホームルームが始まった。今日も手伝いをしなくて楽だなと思った。おそらく選抜戦に続き校内選抜を行うため設備などを用意する必要がなく俺たちの手伝いもいらないのだろう。そんなことを思っていると塩田先生が言った。


「今年の校内選抜は三十人しかいないから午前中に終わると思うから中村放課後アイテム受け取りに来るように。他に伝えなくちゃいけないこともないから今日のホームルームは終わり。実戦場に移動」


 ものすごく簡素なホームルームで塩田先生も疲れているのかなと思った。俺たちが帰った後も色々仕事が残ってて残業しないといけない状態だと思うと可哀想だと思った。教師の残業問題はこのまま放置され続けるのかと思うと将来的に教師になる人が激減しそうだなと考えていると、みんなもう実戦場に移動を始めていて置いて行かれないように小走りでみんなの後を追った。みんなと一緒に実戦場に着きいい感じの席に座っていると昨日のスカウトが実戦場でどんな感じだったのか気になり透に聞くことにした。


「そう言えば昨日のスカウトあり得ないぐらい来てたけど実戦場ではどうだった?」


「うーんまぁいい反応とは言えなかったね。何人も観客席に出て来て健ちゃんとユースのこと探してたぽかったけど、一向に見つからなかったから不満そうだったよ。選抜戦にも出てなかったし」


「スカウトの人たちには残念だっただろうけど、他の出場してた奴らからすればスカウトの人たちの注目を取られず、アイテムも貰えて一石二鳥だっただろうな」


「そうだね。出場してたみんな健ちゃんとユースがいないから安心してたって言うか気楽に出来たっぽかったし」


 そんな話をしていると校内選抜が始まるアナウンスを放送委員が始めた。


「今年から新しい校内選抜と言うことで選抜戦の各学年トップ10のみ挑戦することが出来る形式になりましたので比較的早く終わると見込まれています。だからと言って薄味の校内選抜になるというわけではありません。各学年屈指の実力者たちがしのぎを削る戦いとなりますので凝縮された時間になるでしょう。それでは校内選抜スタートです!」


 実戦場は盛り上がりを見せたが、去年ほどの熱量は無いように感じた。俺たちがいないだけでここまで変わらないだろうから何かあったのかなと思っていると周りから競技会三連覇は無理だなと言った声や小出とユースが出てくれたらなという声が聞こえてきた。校内選抜はいいが、その後の競技会のことまで考えてみんなそこまで盛り上がっていないのかと思うと透の実力が認められていないように感じ少しイラッとした。そして、俺は透に言った。


「透、最初から本気でやれ。僕はこんなに強いんだぞって思い知らせてやれ」


「ん? まぁ分かった」


 透はなんで俺が最初から本気でやるように言ったのか分かっていないようだったが、これで透の実力は皆の知るところになるだろうと思っていると、ついに透の番になった。透の対戦相手は二年生ということで一瞬で型がつくだろうなと思っていると対戦が始まった。透は空掴の遊び人で対戦相手を掴み空中に浮かせた。対戦相手が何が起こっているのか分からないでいると透は対戦相手の目の前に火の玉と地面から生やした槍のように鋭利な木の先端を向けた。対戦相手は堪らず降参を選んだ。その光景に実戦場はしーんと静かまり帰った。放送委員は絞り出したような声で実況をした。


「え、えっと勝者は中村選手です……おそらくですが、アイテムと魔法を同時に操り対戦相手は手も足も出ないほど完璧な勝利を収めました」


 観客は絶句と言うべきか驚愕と言うべきか定かではないが、到底信じられないような出来事を目の当たりにしたような表情で固まっていた。透が観客席に戻ってくると心配そうな声で尋ねて来た。


「やり過ぎちゃったかな?」


「全然! むしろこのぐらいしないと透のことみんな舐めてただろうしちょうどいいぐらいだ」


「そうかな? みんなドン引きしてない?」


「透の強さにドン引きしたのよ。今までの選抜戦とかで透は魔法しか使って来なかったから普通に強いぐらいの認識だったけど、今日を境に絶対敵わないぐらいの認識になったでしょうね。空間ごと掴むなんてチートじみたアイテム持ってる相手に勝てるって思うようなバカそうそう居ないでしょ?」


 ユースも透を励ますような言葉を投げかけると透は俺とユースの言葉に自信がついたのか心配そうにしていたのが嘘のようにいい表情になった。そこから透は誰にも負けることなくストレート勝ちで校内選抜を制した。あまりにも呆気なく終わってしまった校内選抜だったが、俺たちの本番これからだった。と言っても透のアイテムを貰いに行くだけなので本番と言えるかは分からないが、重要なのは間違いないため早速職員室に向かった。職員室にはアイテムを受け取りに来た生徒たちでごった返しになっていた。透は少し後ろからアイテムを受け取りに来た生徒たちのことを眺めているとそれに気がついた生徒たちが萎縮したような慄いたような感じがした。そしていつの間にか職員室前にいた生徒たちは静かに先生が来るのを待っていた。少しすると鷲田先生が出て来てアイテム保管庫に行くように促された。その時誰かが言ったわけでもないのに自然と透が一番前に行けるように道が作られた。透は一瞬その道を通っていいのか不安そうにしていたので俺とユースで背中を押し一番前を歩かせた。俺たちは最後尾からついて行きアイテム保管庫に着くと鷲田先生が言った。


「誰から選ぶ?」


 その場にいた皆が透が一番に選ぶように手を挙げないでいた。後ろを見てそれに気がついた透は手を挙げた。この異様な光景を早く終わらせようとしている気すらした手の挙げ方だった。


「それじゃあ中村から選べ」


 鷲田先生もこの光景が異様なことには気づいており少し動揺していた。透がアイテムを選び保管庫から出てくるとその場にいた生徒たちは透が帰れるように道を開けた。透は足早に俺たちの元に向かって来てすぐに帰ろうと言った。俺たちは透のアイテムがどんなものなのか教えてもらおうと校門近くで聞いた。


「どんなアイテムにしたんだ?」


「機械仕掛けの狩人武器ってアイテム」


 名前だけ聞けばとても強そうなアイテムに俺たちは説明を求めると透がアイテムを見せながら説明してくれた。


「このアイテムは機械仕掛けになってて盾の中に双剣と刀があってそれを使えるようになってるんだって」


 そう言って透は上半身を全て隠せるほどの中盾を見せてくれた前から見る分には何の変哲もない盾だが、内側を見てみると双剣と刀が左右に配置されていた。機械仕掛けというだけあり双剣と刀は取り出す時以外は落ちたりしないようにガッチリ固定されていた。試しに刀を抜いてみてくれと頼むと機械仕掛けが動き刀が抜けるように隙間が空いた。男のロマンを詰め込んだアイテムにテンション爆上がりで俺たちはしばらく帰らずに機械仕掛けの狩人武器を楽しみ尽くした。

次回もお楽しみに


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