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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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173話 帰ってきた日常

 夏休みが終わり新学期がスタートした。ヴェナトレスの一件は日本でも大々的に報じられみんなの知るところとなったが、それほど世間では騒がれたりすることはなかった。学校でも時々誰かが話している程度でありヴェナトレスに対する意識の低さというか危機感の無さを実感した。でも、一般人からしたら何の影響も出ていないため気にすることでもないんだろうなと思いながら新学期を過ごしていると塩田先生から選抜戦と校内選抜の話が出てきた。


「えーみんなもう三度目だから説明されなくても分かってると思うが、今年は選抜戦と校内選抜を同時に行うため例年と形式が違うため一から説明していく。例年通りであれば選抜戦は各学年でトップ10を決めてそれで終わりだったが、今年はそれに校内選抜もくっつく。つまり、選抜戦のトップ10が校内選抜に挑戦することが出来るという方式になっている。一見すると校内選抜で競技会に行ける確率が低くなってるように感じるが、そこまで変わっていない。枠が出来てしまい確率が低くなったのは事実だが、そもそも学校内で三人しか行けないためそこまで大差はないだろうということでの変更だ。それに、反対意見も全然無かったからもう文句は通らない。というわけで競技会に出たいのなら選抜戦でトップ10に入るのが絶対条件となる。残り短い時間だが、夏休みもあったしみんな頑張って自分の実力を発揮するように」


 塩田先生はそれだけ言うと教室を後にした。これから生徒会の仕事が増えるんだろうなと考えると憂鬱だったが、最後の学生生活だから頑張ろうと気合を入れた。そんな考えを巡らせていると授業が始まろうとしていた。一時間目は座学であり石田先生が授業をしてくれた。今回の座学はついこの間アメリカでヴェナトレスの本拠地が発見されたことから攻略者狩りをしてきた人たちがどんな最期を迎えたのかという予想外な授業だった。今まで歴史上様々な攻略者狩りを行ってきた組織はあったが、どの組織も最期は壊滅又は崩壊したそうだ。

 どの時代にもヴェナトレスのような反抗勢力はいて攻略者狩りという手段では無くモンスターを人里に開け放つということをする組織もあったそうだ。想像しただけで被害の甚大さと組織への嫌悪感で怒りが込み上げてくるような感じがした。一方でヴェナトレスは転移アイテムを使い逃げてしまったためまだ存続し、攻略者狩りとモンスターを使った虐殺を行える可能性は十分あると考える。さすがに困難のダンジョンの施設が使えなくなったことで成長スピードは落ちるだろうが、それでも心配だ。そんなことを思っていると実戦授業に遅れそうになり急いで準備をした。


 実戦服に着替えグラウンドに集合した俺たちはいつも通り組み手をしたり魔法を使ったりした。でも、学校のグラウンドということで全力で魔法を使ったりは出来ないため消化不良のような感じだった。それならと混成魔法を試してみることにした。じいちゃんに色々教えてもらいながら出来るしと早速やり始めた。火と爆発魔法の混成魔法はシクットソルもそうだが以前やったことがあるため今日は火と雷魔法の混成魔法を試してみることにした。雷魔法の中に火魔法を入れ込んでみて右手から真っ直ぐ撃ってみると雷の中に炎が存在している幻想的な魔法が出来た。綺麗だなと思っているとじいちゃんが言った。


(フォルゴエットフラマはいつ見ても綺麗じゃな)


「綺麗だね」


 誰にも聞こえないようにじいちゃんに対しての相槌のように言い次の混成魔法は何と何を組み合わせようかなと考えていると試練のダンジョンの天井裏で火と風の混成魔法の名前じいちゃんに教えてもらってないなと思い出し火と風の混成魔法を撃った。


(フオフェンか。火を纏った竜巻というのは男心というかロマンを感じずにはいられんな)


 やっぱりカッコいいよねとじいちゃんと語り合いたかったが、今は周りに人もいるためグッと堪えていると透が問うてきた。


「ねぇ健ちゃん、今の魔法何!? 見たことない魔法だったけどどうやったの!?」


 何も喋ってなくて良かったと思いつつ透にフオフェンの説明を始めた。


「火と風の混成魔法だよ。て言うかこのやりとりした記憶あるけどどうだっけ?」


「したことあるかもだけど教えて」


「まぁいいや。風魔法の中に火魔法を入れ込むんだよ。二つの魔法を同時に発動させるからちょっと難しいけど殲滅力は目を見張るものがあるから頑張りな」


「分かった」


 そう言うと透はすぐにフオフェンの訓練を始めた。後の時間はこのまま透の訓練に付き合ってあげようと隣で火魔法を入れ込む時のコツや同時に魔法を発動させる時に意識していることなどを教えてあげた。その結果、まだ荒削りではあるものの透もフオフェンの習得に成功した。


「やったー! ありがとう健ちゃん。ってなんか久しぶりに健ちゃんって呼んだ気がする」


「確かに。まぁ習得おめでとう。俺も色々混成魔法使えるように頑張るから一緒に頑張ろうな」


「うん!」


 そんな会話をしていると授業が終わり昼休みになった。俺たちは食堂へ行き昼ご飯を食べていると懐かしい声が聞こえてきた。


「小出先輩ー! お久しぶりです! みなさんもお久しぶりです!」


 すみれちゃんと会うのはかなり久しぶりでその声に懐かしさを感じるほどだった。最後に会ったのが体育祭だからほとんど二ヶ月間も会っていなかったのかと思っているとすみれちゃんが問うてきた。


「小出先輩何考えてるんですか?」


「あぁいやすみれちゃんに会うの体育祭ぶりだなって」


「そうですよ二ヶ月以上も会えなくて魔法の腕鈍っちゃいますよ。てことでお昼ご飯食べたら魔法教えてください! もう少ししたら二回目の攻略授業あるんで心配なんです。だからお願いします」


「それじゃあついでだし透に教えた混成魔法みんなにも教えようか」


 と言うことで昼ご飯を食べ終えた俺たちはグラウンドに移動しみんなに混成魔法を教えた。透はよりフオフェンの練度を上げるために試行錯誤していた。杖を介して撃ったりしていた。その時黎杖ならもっと透の力になるんじゃないかと思ったが、黎杖はしばらく使っておらず忘れられた記憶の断片(アルカディアリベル)の中に収納しているためみんなの前で取り出すことは出来ないなと残念に思った。でも、黎杖なんか無くてもみんなの実力なら案外簡単に使えるようになるだろうと思っていると案の定みんな使えるようになった。みんな使えるようになり後は慣れるだけだと思っているともう昼休みが終わりそうな時間だと気づき急いで教室に戻った。そのまま授業を受け放課後になると生徒会の仕事が待っていた。と言っても大した仕事はまだ無く適度な量だった。攻略者になってもこんな平和な日々が続いて欲しいなと心から思った。

次回もお楽しみに


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