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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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169話 気分転換

 ホテルに戻ってきた俺たちはひとまずダンジョンでの疲れを取ることにした。お風呂に入り晩ご飯を食べゆっくり眠った。目を覚ますと困難のダンジョンに入ってからもう十日も経っていた。そんなに時間経ったかと不思議に思ったが、アドレナリンが出ていて正確にどのぐらい時間が経ったか分からない状態なのはいつものことだと気にしないようにした。朝ご飯を食べこれからどうなるんだろうと少し心配に思っているとユースからメールが届いた。


『お父さんたちはヴェナトレスのこと報告に行ったからしばらく戻って来ないんだって。その間自由にしてていいからって言ってたから気分転換にどこか遊びに行かない?』


 俺は勝と透に遊びに行くか聞くと二人はそこまで乗り気ではなかったが、気分転換に遊びに行こうと誘うと了承してくれた。その旨のメールを送るとすぐにユースから返事が返ってきた。


『それじゃあ十時にロビー集合ね』


『分かった』


 二人に十時にロビー集合に決まったことを伝え俺はヴェナトレスについて何か詳しい情報は無いかと調べてみることにした。しばらくネットの海を彷徨ったが、これといった情報は出てこずヴェナトレスが攻略者狩りをしてるんじゃないかという憶測の情報しか出てこなかった。ヴェナトレスはうまいことバレないように工夫してるんだと思った。本拠地も極力バレないように隠してあったし、合言葉で関係者以外は立ち入れないようにしていた。俺たちはメアリーさんの解析解除の杖で侵入することに成功したが普通の人では到底辿り着けない場所にあるから攻略者協会の人たちでも大変だろうなと感じた。それにトールさんたちみたいに顔が割れてる人だと務まらないし、かと言って新人だとヘマするだろうし大変だなと思っているとメアリーさんが振り掛けてくれた香水のアイテムを思い出した。おそらくあのアイテムは振り掛けることで一定時間別人に変装できるみたいなアイテムなんだろうなと考えているといつの間にか十時十分前になっていた。俺たちは少し急いでロビーに向かった。


「おはよう」


「おはよ」


 俺たちは約束の三分前にロビーに着いた。少し焦っているのがユースと春奈には分かっているだろうが、時間には遅れていないからと特に何も言われることなく二人は歩き出した。


「行く場所は決まってるの?」


 俺がユースに問うとユースは少し得意げに答えた。


「アイテムショップよ。あんなことがあった後だから普通のお店に行ってもつまらないし気分転換にもならないだろうから、それならアメリカの日本より圧倒的に品揃えが良いアイテムショップに行きたいなって。今ならスーツケースとか持ってないし風魔法で飛んで行けるから遠くまで行けるしね」


「ということはそのアイテムショップは結構遠い感じ?」


「ロサンゼルスよ。飛行機でこっちまで来たからまた戻っちゃうことになるけど、アリゾナにあるアイテムショップよりロサンゼルスの方がより良いらしいからせっかくならってことで。それじゃあ行くわよ」


 ということで俺たちはロサンゼルスにあるアイテムショップに向かった。かなりの速さで三十分ほど飛び続けているとユースが言った。


「何で私たち飛んでるんだろ。健斗のヤンウェイで空港に行けばいいじゃん」


 ユースの言葉に勝たちは確かにと俺を見つめた。俺は仕方ないなとロサンゼルスの空港の屋上にヤンウェイを出現させた。みんなありがとうと短く感謝を伝えながらヤンウェイの中に入り俺もロサンゼルスにテレポートした。


「本当にあっという間だね」


「ねー!」


「あんまり人にバレたくないから今後は控えめでね」


 俺がそう言うとユースがアイテムショップの場所をマップで確認して先導してくれた。しばらくロサンゼルスの街並みを楽しみながら飛んでいると建物の壁面に大きくジャックズアイテムショップと書いてあるのが見えた。自分の店に自分の名前を付けたんだろうなと思った。


「あそこだよ」


 ユースがそう指を差すと俺たちはそのアイテムショップ前に降りた。遠くから見るとあまり大きくないように感じたのだが、目の前まで来てみると建物自体かなり大きくショーウィンドウには西洋式の甲冑や剣などが飾られており期待出来た。俺たちはどんなアイテムを売ってるのかワクワクしながら店の中に入ると店主と思しき漢らしい髭を蓄えた恰幅のいい人が俺たちに向かって言った。


「ここは攻略者見習いが来る場所じゃねぇんだ帰んな」


 その言葉にカチンときた俺だったが、喧嘩を売るような言い方はよくないと自分を制し一言言おうとした時、ユースが先に言った。


「私たちはまだ攻略者見習いかも知れないけど、将来的にはちゃんとしたお客になるんだからそういう態度改めた方がいいよ。大の大人がみっともない」


 そんな喧嘩腰で大丈夫かと心配に思ったが、店主は予想とは裏腹にニヤリと笑い言った。


「俺の一言でビビるような奴攻略者になったところですぐ死んじまうだろうから俺の客にはならねぇよ。お前らみたいな自分に圧倒的な自信があって、それに実力が伴ってるような奴なら大歓迎だ。心ゆくまで見てってくれ」


 ある種の審査みたいな感じだったんだなと思いアイテムを物色していると鞭や投げナイフ、刀身が意図的に曲げられている剣、弓、装飾系のアイテムなど多種多様なアイテムが売られていた。こんなに数があったら盗まれたりしないのかなと思っていると、レジに座っているはずの店主が喋り始めた。


「ここにあるアイテムは全て俺のアイテムの効果で店外に持ち出すことは出来なくなっている。それと、俺は相手が今何を求めているか大体分かる。そっちの坊主が棚上にある盾の効果がどんなのか知りたいことも、そっちの嬢ちゃんは三つの装飾系の内どれ買うか悩んでいることも大体分かる。だからと言って施し過ぎは相手の自主性やプライドを傷つける場合もあるから聞きたいことがあれば何でも言え。将来の客を見過ごすほど甘ったれた商売してねぇからな」


 俺たちはジャックさんに色々アイテムの効果を聞きなるべく安価で実用性のあるアイテムを探した。安価と言っても日本円で数万円からの物しかなく渋々諦めて帰ろうとしていた時ジャックさんが言った。


「お前ら、攻略者になって金に余裕ができたらまた来い。その時は格安で売ってやる。ま、それまでに死んでなければの話だがな」


「言質取りましたからね」


「おうこれ持って行け」


 そう言うとジャックさんは俺たちに赤いカードを受け取るように差し出した。そこには新米攻略者割引と書かれていた。これを持ってまた来店すれば割引してくれるんだろうなと思っているとジャックさんが説明してくれた。


「そこにも書いてある通り新米攻略者を手助けするために渡してるカードだ。お前らみたいな気に入った奴にしか渡してねぇから失くしたりするんじゃねぇぞ。また来るの楽しみに待ってるからな」


「「「ありがとうございます」」」


 俺たちはジャックさんに感謝を述べ店を後にした。それから俺たちはロサンゼルスで昼ご飯を食べ気分転換も出来たことだしホテルに戻ることにした。

次回もお楽しみに


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