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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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167話 一騎討ち

 トールさんの作戦通り行動しようとした時メアリーさんが言った。


「四つの道を探索するペアはどうするの?」


 俺たちはメアリーさんの言葉でペアを作った。トールさんメアリーさんペアに拓郎さん未来さんペア、俺とユースペアに勝と透と春奈ペアに決まった。ペアも決めたことで早速作戦開始となり俺たちはペアで探索する道の近くに移動した。拓郎さんがプロボカティオを道の中に投げ入れた合図を火魔法で送ったその瞬間、道の中から狼のような咆哮が聞こえてきた。だが、その咆哮は異常なほど大きく動揺していると他の道からもドシンドシンと大きな足音が地地面から伝わってきた。俺たちは静かに道の近くで待機していると、ぴょんぴょんと跳ねるプロボカティオが大穴の真下で光った。すると、巨大な狼と思しきモンスターがプロボカティオを追って道から出てきたのが分かった。プロボカティオは不規則な動きで巨大な狼を翻弄していると他の道からも巨大なライオンなどの肉食獣が姿を現した。まさかまさかの展開に興奮しているとユースに道の先を探索するよと服を引っ張られたことで気持ちを切り替えられた。道の先を探索していると道は坂道になっていてどんどん奥へと続いていた。どういうことなんだと疑問に思っているとトールさんや勝の声が道の先から聞こえてきたので急いで走った。すると、四つの道は全て繋がっていて全員と再開出来た。余計にこの道が何のために作られたんだと思っていると拓郎さんが言った。


「あれ、武士の鎧か? でも、何でこんなところに?」


 そう言う拓郎さんの視線の先を見てみると、そこには人が入っていそうなほど綺麗な形をした鎧が一式あった。俺たちはどういうことなんだと警戒していると鎧の目の部分が赤く光り言葉を発した。


「合言葉は?」


 意味の分からない問いかけに困惑していると鎧が再び問うた。


「合言葉は?」


 俺たちは何か言わないといけないのかと思っていると鎧が立ち上がり言った。


「合言葉を言えない貴様らを侵入者と捉え排除する」


 鎧は本当に誰かが着込んでいるかのように腰にさしてあった刀を鞘から抜いた。俺たちは各々戦闘体制をとった。すると、鎧が名乗った。


「拙者は高杉晴政。武士の誇りにかけて、拙者にこの任を与えてくださった主君のため貴様らを排除する」


 そう言い終えると鎧武者は目にも止まらない速さで俺たちとの距離を詰めてきた。咄嗟にガードするのがやっとの速さに驚いていると春奈が防ぎきれなかったようで腕に負傷を負った。それを見たトールさんが言った。


「ここは私が時間を稼ぐから全員逃げろ!」


 その言葉にみんな来た道を引き返した。でも、俺は違った。何故なら俺にはヤンウェイといういつでも逃げられる最強魔法があったからだ。だが、この鎧武者を相手に少しでも時間を稼がなければヤンウェイを発動する時間も入る時間も無いのは明白だった。だからと言ってトールさんを一人にしてヤンウェイを発動させて逃げたとしても負傷は免れない。だから、二人で時間を稼ぐ方を取ったのだ。トールさんは察してか何も言わずミョルニルを構えていた。すると、鎧武者が言った。


「仲間を逃すために時間を稼ぐその精神は素晴らしい。だが、敵前逃亡は見逃せない。貴様らを屠った後、奴らも貴様らと同じ場所へと送ってやる。さぁ名乗れ。二対一で相手をしてやる」


「トール・ヨハネス」


「小出健斗」


「よかろう貴様らの力、我が身に刻み糧にしてやろう」


 俺は自分とトールさんにいつもの三倍のアークシィリュームを発動させた。その結果、鎧武者の攻撃を防ぎ何とか戦えるレベルまで引き上げた。二対一でようやく戦える相手だったが、その戦い方は実直で隙が少なく理想的なものだった。だが、そこにこそ反撃の余地があった。武士の戦い方である以上魔法での反撃を予想していないのだ。俺はついこの間習得したばかりのオペラティオで鎧武者の両腕を支配した。その隙にトールさんがミョルニルで鎧武者の刀を粉々に粉砕した。これで戦えないだろうと思っていると鎧武者は俺が一瞬油断した隙を見逃さず腕の支配を解いた。やっぱりオペラティオは難しなと思っていると鎧武者は右手に薙刀を召喚した。何でもありかよと思っていると鎧武者は薙刀で地面を叩いた。すると、さっきまで横にいたはずのトールさんがいなくなっていて辺りは何処かの湖畔だった。何が起こったのか理解出来ないでいると鎧武者が言った。


「これは貴様らが使う魔法の一瞬だ。厳密には違うらしいがそんなことはどうでもいい。拙者はあの男より

 貴様の方が価値があると考えた。そこで拙者と貴様だけの一騎討ちをしてもらう。拙者は戦国の世に生きた武士であるが故に若くして戦で命を落とした。貴様にはそうなってほしくはない。だが、主君の命が第一優先だ。だから、貴様には一騎討ちで拙者に勝ってもらう。もちろん手は抜かぬ全力の戦いだ。貴様にも拙者と同じ民族の血が流れているから作法は知っているだろう。さぁ始めようぞ」


 俺はやるしかないと豪嶽砕を抜き擦り合わせた。その刹那、鎧武者はさっきまでは遊びだったと言わんばかりの超スピードで距離を詰めてきた。マナ量三倍のアークシィリュームで本当にギリギリで防げるスピードだった。俺は鎧武者の攻撃を防いで弾き飛ばされたのを利用してアークシィリュームのマナ量を十倍に増やした。このレベルでないとついていけないのは明白だった。鎧武者は弾き飛ばれた俺が立ち上がるのを見てから追撃を行った。俺は薙刀という初めて相対する武器に苦戦していると鎧武者が言った。


「流石だ。拙者が見込んだだけはある。まだまだ行くぞ!」


 鎧武者はさらに攻撃頻度を高めた。このままでは捌ききれないと思ったその時武帝の声が聞こえてきた。


(何のために治癒魔法を教えたと思ってる。攻撃をくらいながらも戦い続けられるようにだろう。全てを防ぐんじゃなく致命傷になる攻撃だけ防げ。後は攻撃だ)


 武帝の言葉にさすがに無理だろと思ったが、このままだとやられるため武帝の言葉通り致命傷になる攻撃は防ぎ他の甘んじて受け反撃に転じた。すると、鎧武者が言った。


「そうだそれだ。極限まで追い詰められた時人間は再現不可能なほどあり得ない研ぎ澄まされた感覚を得る。今貴様の体に起こっているのもそれだ。致命傷だけは防ぎ後は反撃のために受ける。その感覚を忘れるな小出健斗! そして拙者を超えていけ!」


 俺はアークシィリュームと治癒魔法を同時に発動させながら高められた身体能力を活かして鎧武者に反撃をどんどん打ち込んでいった。いつの間にか鎧武者と俺のパワーバランスは逆転しており俺が攻め立てていた。このままいけば勝てると思ったその時鎧武者の手から薙刀を弾き落とした。と言うより力無く落下したような思えた。俺は呆気に取られていると鎧武者が言った。


「拙者の負けだ。最後は武士らしく死なせてくれ」


 そう言う鎧武者は力無く立っていた。俺はこれもある種の慈悲だと言い聞かせ豪嶽砕で鎧武者の鎧ごと胴体を叩き斬った。すると、鎧武者は何も言わず静かに消えていった。鎧武者の魔法が解けると俺は元いた困難のダンジョンに戻って来た。すると、トールさんやユースたちが大丈夫だったかと心配そうに言ってきた。俺は大丈夫だと言い何があったのか説明した。みんな落ち着きを取り戻し事情を整理すると、あの鎧武者には主がいてその主の命令で何かを守っていた。そして、ここに来た者には合言葉を求め合言葉が分からなければ殺されるというものだった。つまり、あの鎧武者はどこかに続く道を守っていたんだと結論づけた。でも、鎧武者がいた場所を見ても何も無くどういうことなんだと思っていると未来さんが近未来的な鍵を取り出し空中で開錠するように動かした。すると、鎧武者がいた場所が動き始めどこかに続く階段が現れた。どういうことかと説明を求めたが、道が閉じるより前に進まないとということで説明は後になった。階段を進んでいると未来さんが話してくれた。


「これは解析解除の鍵って言ってその名の通り魔法や罠を解析して解除してくれる凄いアイテムなの説明は以上。それより今はこの先に何があるのかの方が大丈夫でしょ」


 それもそうだと俺は気持ちを切り替えた。しばらく階段を降りて行くとどういうわけか大型の機械が蒸気を吹き出す音やそれに類する音が聞こえてきた。俺たちはどういうことだと疑問に思っているとメアリーさんが荷物の中から香水のような物を取り出し全員に振り掛けた。分からないことだらけで頭がパンクしそうになっていると階段の終わりが見えてきた。階段の一番下まで行くと、そこにはグランドキャニオンの下にあるとは思えないほど大規模な工場のような場所となっていた。

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