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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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166話 中枢深域②

 トールさんが俺たちに注意事項を話してから中枢深域の攻略が始まった。最低限の明かりで中枢深域をしばらく探索していたが、テネブライプロフェリやテネブラアデスどころか他のモンスターも現れなかった。何でこんなにも分かりやすい俺たちを襲って来ないんだろうと思い少し火魔法の明るさを上げてみると、俺の半円のプライシディウムを全て埋め尽くすようにテネブラアデスとテネブライプロフェリと思しき肉塊が蠢いていた。


「キャー!」

「うわ……」

「マジかよ……」


 俺たちはまさかの事態に絶句した。その時、トールさんがミョルニルを掲げ落雷を落とした。その一撃でプライシディウムを埋め尽くしていた奴らは壊滅した。


「まさかあんなにいたなんて……」


 トールさんも予想外だったのか呆気に取られていた。するとメアリーさんが言った。


「小出くんのおかげね。あなたがテンション上がってる間にプライシディウム張ってくれてたの。あなたのその癖直した方がいいわよ」


「そうだな。助かったよ小出くん」


「いえいえ。俺はただ最善だと思った選択をしただけです。それに、テネブラアデスたちに襲われるのはごめんなんで。普通に見た目気持ち悪いし」


「確かにそうだな。あいつらの見た目を好むような奴は人間じゃないだろうし当然だな。それと、さっきの落雷でここら辺にいるモンスターに気づかれただろうから各々魔法の用意してね。小出くんはプライシディウムの維持しててくれたらいいからね」


「はい。分かりました」


 トールさんの言う通り少ししたら辺りにいたであろうモンスターたちが動き始めた。ちょうどプライシディウムの中だけ明るく出来るぐらいの光源しかないためどんなモンスターがいるのかは分からないが、グチャグチャという音や鳴き声が聞こえた。俺以外の人がそれらの音が聞こえる度にプライシディウムの外を魔法で攻撃してくれるため耳さえ塞げば案外快適だった。しばらく他のみんながモンスターを倒してくれていると次第に襲ってくるモンスターが少なくなってきた。近くにいるモンスターのある程度は倒せたのかなと思っているとトールさんが言った。


「この辺りにはもういなさそうだし探索再開しようか。ここじゃまともに攻略出来ないから倒すモンスターは最低限にして宝箱とかまだ誰も見つけてない場所とかを探すのに切り替えよう。その方が楽しそうだし」


 トールさんの提案で中枢深域は攻略より探索をメインに切り替えた。中枢深域はどんなモンスターがどれだけいるのかを把握するのが難しく、また把握しようとしてもモンスターの股になってしまうだけなので探索する方がマシだというのが共通認識としてあったのだ。そんなわけで探索を始めて少しすると壁に着いた。予想以上に早く壁に着いたなと思っているとどっちに進むかで多数決を取ることになった。合計で九人いるため同数になることはなく多数決をすると左に進む派の方が多く左に進み始めた。壁に沿って進んでいると別の場所に行く道が現れた。ここでも多数決を取ることになった。今の場所をもう少し探索するか道の先に進むかの二択だ。少し考える時間を取り多数決を取ると全会一致でもう少し探索することになった。でも、この道をまた見つけるのに壁を沿って歩くのは面倒だということで春奈が火の精霊を生み出し目印になってもらった。探索を再開し壁に沿って歩いているともう一つの道を見つけた。大穴を中心とした時さっきの道からほぼ直角となる位置で見つけた道にも目印の火の精霊を配置し壁を一周してみると、先に見つけていた二つの道と同じように二つの道を見つけた。大穴を中心として九十度毎にあるその道は自然に出来たものとは考えづらくどうしようかと足が止まっているとトールさんが言った。


「四つの道は明らかに人工的に作られた道なのはまず間違いないと思う。今までに来た攻略者が作り出した道という説もあるだろうけどさすがに考えにくい。となると、道の先に何らかの仕掛けがあったり強いモンスターが配置されてる可能性もある。宝箱があってそれを守るためというのも考えられるけど、どうする? 小出くんたちは先進みたい? それとももう帰りたい?」


 トールさんの問いに透と春奈は結論を出せずにいた。でも、俺と勝は違った。ここまで来て危険だからという理由だけで帰ってしまっては勿体無いと心から思っていたため行くべきだと決めていた。その時ユースが透と春奈に言った。


「二人がこの先行きたくない気持ちも十分理解できる。でもね、ここで引き返すようじゃ攻略者としての野心が足りないと私は思うわ。まぁ危険を考慮せず探索するようなバカよりは断然マシだけど、こういう時ぐらいはアイテム欲しいとか道の先に何があるのかどんなモンスターがいるのか知りたいって思うのもいいと思うわ。それに、もし強いモンスターがいても私たちなら負けることはないわ。だから、行きましょう」


 ユースの説得に二人は首を縦に振った。二人の問題は解決したが、次は四つの道どれから行くのかという問題が浮上してきた。もちろん四つの道の先に何があるのかも分からないしモンスターがいるかも知れないため選ぶ順番が重要だ。どうしようかと思っていると春奈が精霊に偵察に行ってもらうと言ったがトールさんが却下した。いい考えだと思ったのに何がいけなかったのかと思っているとトールさんが言った。


「精霊が先陣を切ることで道の先にいるモンスターを起こしてしまい他のモンスターも目を覚ます可能性もあるから精霊での偵察は無しだ。もちろんいい案ではあるのだが、道の先にいるモンスターが私たちの会話を聞いていて狸寝入りしている可能性も僅かだがある。それなら一つ一つ全力で潰しに行く方が断然マシだ。でも、それだと他の三つの道がな……」


 どうすればいいのかと頭を悩ませているトールさんに俺は言った。


「俺の相手から見えない魔法で偵察して来ましょうか? マナ感知の高いモンスターだったら気づかれるかも知れないので精霊とあんまり変わらないかもですけど、隠密性は高いですよ」


 俺がそう言うとトールさんはすぐに反論した。


「ダメだ。小出くんのリスクが高過ぎる。それに、この真っ暗闇ではモンスターもまともに視認出来ないだろうし、拓郎のアイテムを使うしかないか」


 トールさんがそう言うと拓郎さんは腰のポーチから手のひらサイズの小さなボールのような物を取り出した。これがアイテムなのかと思っていると拓郎さんが説明してくれた。


「これはプロボカティオって言って起動すると目の前にいるモンスターを挑発してくれるアイテムなんだ。消耗品みたいな性能してるけど、どんな攻撃も柔軟性で受け流すしすばしっこいから結構役立ってくれるんだ。これを使って四つの道にいるであろうモンスターを誘き出して一網打尽にするかここから引き剥がして別の場所に移動させるってことも出来る優れ物だよ」


 拓郎さんの説明に面白いアイテムもあるんだなと思っているとトールさんが作戦を教えてくれた。


「そのプロボカティオを使って四つの道の先にいるであろうモンスターを誘き出すことによって探索を可能とする。もちろんモンスターが弱そうだったら倒してもいいけど、一体一体が強そうだったら面倒だし別のエリアに移動させてその間に探索を終わらせる。もちろんモンスターがいない可能性もあるからその時はラッキーってことで。ていう感じだけど修正点とかある?」


 俺たちは特に進言せずトールさんの作戦通りやることになった。

次回もお楽しみに


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