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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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165話 中枢深域①

 次なるエリアに向かうため風魔法で飛びながら道を進んでいると、魔獣型のモンスターが俺たちのことを見つけ襲ってこようとしたが、春奈の銀翼の天使で妨害されうまく俺たちに攻撃出来なかったりそもそも俺たちの飛んでるスピードに追いつけず攻撃をしようとすらしないモンスターが多かった。しばらく道を真っ直ぐ進んでいるとトールさんが言った。


「スピード落とせ。この先何かいる」


 トールさんの発言に俺たちはその場で浮遊し春奈が万感リングで道の先を注視した。だが、今までのようにすぐにモンスターの姿が見えなかったのか苦い顔をしてトールさんに報告した。


「モヤみたいなのがかかってて全然見えません」


「モヤ? 具体的にどんな感じだ?」


「少し前にダンジョンの中で霧が発生した時があったんですが、その時の霧みたいな感じで白くモヤがかかってるんです」


「ここからじゃそのモヤが分からないからもう少し近づこう。みんな戦闘準備を」


 俺たちは魔法の準備をしてゆっくりと進んだ。少し進むと春奈が言った。


「これって蜘蛛の巣?」


「蜘蛛の巣ってことはアラネアだよね? こんな所でアラネアが生き残れるとは思わないけど」


 ユースがそう言うとトールさんが続いた。


「変異個体かも知れないし、新種の可能性もある。みんな十分注意してね」


 俺は念には念をということで豪嶽砕を擦り合わせた。すると、その音が思っていた以上にダンジョン内に響き道の先からギィギィという木が軋むような音が鳴った。だがその音が木が軋む音であるわけがない。俺たちはいっそう警戒心を強めいつでも攻撃出来るようにしていた。だが、待てど待てどその音の主は姿を現さない。俺たちの先にいるモンスターが本当にアラネアの同系統なら蜘蛛と同じく獲物が蜘蛛の巣に引っ掛かるまで待っているだろうからこの時間は無駄だと感じていた。その時道の先から何の音もなく白く丸い球のような物が飛んで来た。一瞬何のことか理解出来なかったが、トールさんは一瞬にして道のずっと先まで届くぐらいの火魔法を撃った。どうして火魔法を撃ったのかは分からなかったが、それが開戦の火蓋を切ることになるのは間違いないため俺たちも魔法を撃った。ユースが雷魔法を撃ち透が蒼紋の杖で道の奥に動きを止める目的で木を生やし勝は名射の拳銃を撃ち、拓郎さんと未来さんは火と雷と思しき混成魔法を撃ちひとまずトールさんの撃ち止めの指示に従い撃つのをやめた。その時、道の奥からアラネアとは比べ物にならないほど大きな蜘蛛のモンスターが透が生やした木を容易く薙ぎ倒しながら俺たちの前に現れた。その大きさは全長十メートル無いぐらいで道全体を埋め尽くすほどだった。その大きさに呆気に取られていると、トールさんがミョルニルを取り出しその蜘蛛の頭にアッパーをかました。その一撃は巨大な蜘蛛のモンスターとは言え外骨格に守られていない首関節を飛ばすのは容易なことだった。見事に蜘蛛の頭が天井にめり込みパラパラと天井の破片が落ちてくると、蜘蛛のモンスターの体は制御を失い轟音を立てながら地面に崩れた。


「「「おぉ!」」」


 一撃で頭を吹き飛ばし討伐に成功したことに感嘆の声を上げているとユースがトールさんに聞いた。


「ねぇあれってアラネアだよね? さっき言ってたみたいに変異個体か新種なの?」


「おそらく変異個体だろうな。見た目はアラネアと同じなのにここまで巨大化したのは突然変異だろう。もし、新種だったとしても原種のアラネアと大きな違いが無いから同じ種だってなるだろうな。兎にも角にもこいつは調査対象として攻略者協会が調査するだろうから協会に連絡しないとな。拓郎頼めるか?」


「はい」


 そう言うと拓郎さんはスマホを取り出しどこかに電話を掛けた。話の流れ的に攻略者協会に電話をしているんだろう。でも、こんなに大きさ個体をどうやって移動させるんだろうと思ったが、移動させるのは現実的ではなく調査員がここまで来て調査するんだろう。そんな考えを巡らせていると拓郎さんは電話を終えた。トールさんはと言うとアラネアの変異個体の体に英語で攻略者協会による調査を行うため接触厳禁と貼り紙をしていた。その間俺たちは特にやることはなくただ待っていた。


「それじゃあ行こうか。ここから先こういうモンスターがゴロゴロいる場所だろうからテンション上がり過ぎないようにね」


 そう言うトールさん若干嬉しそうな表情をしていた。アニメや漫画の主人公が強敵と出会ってワクワクするみたいな展開を地でやってる人いるんだと少し驚いた。でも、こういう性格だからここまで強くなれたんだろうなと感じた。俺たちはトールさんを先頭に次なるエリアに向かった。しばらく進んでいるとダンジョンの中が徐々に暗くなってきた。何で急に暗くなってきたんだろうと道の先はもっと暗く火魔法を明かりにして進んだ。こんなにも急に暗くなる訳ないでしょと思っていると拓郎さんが言った。


「テネブライプロフェリだろうな」


「何ですかそれ?」


「闇を生み出すモンスターだよ。テネブラアデスと共生関係を築いてて自分たちの領域に入って来た獲物を捕まえて食べるんだ。まぁでも、そこまで強くないから大丈夫だよ。それより面倒なのがその生み出した闇を利用する奴らがいるから普段なら気付けた攻撃にも当たっちゃう可能性があるのが厄介だね」


「テネブラアデスってなの気持ち悪いモンスターですよね……あいつの見た目マジで嫌だから出てこないで欲しいんですけど……」


 そんな会話をしているとトールさんが止まるように指示を出した。そして、近くに来るように言ったので俺たちはトールさんの近くに行った。すると、目の前にはどこまで続いているのか見当もつかないほど大きく真っ暗な大穴が開いていた。するとトールさんが言った。


「ここが次なるエリア中枢深域だ」


 その言葉に俺はやるしかないと覚悟を決めた。ここまで来て引き返すような人たちではないと分かっているため進むために心の準備を整えたのだ。トールさんは全員の顔を見て行く準備が整っているか確認した。そして、トールさんをはじめに俺たちは中枢深域に足を踏み入れた。火魔法で辺りを照らしているのに数メートルも先が見えないほど真っ暗なことに少し恐怖しているとトールさんが言った。


「少し先に下まで行くからみんなはそのペースで来るように」


 トールさんの頼もしさに感謝する一方で大丈夫なのかなと心配にもなった。しばらくそのまま降下していると下でトールさんが待っていた。ようやく一番下まで来たんだと思い地面に降り立った。一番下に来てより一層暗さを実感した俺はトールさんに聞いた。


「もっと明るくしちゃダメですか?」


「やめておいた方がいい。どんなモンスターがいるのか分からないし、周囲のモンスターが一気に襲ってくる危険性もある。まぁもし近くにモンスターがいればすぐに襲ってくるだろうけどな」


「大丈夫なんですか?」


「現に今大丈夫だから大丈夫だ」


 トールさんって知的だと思ってたし、戦う時も的確な指示をしてくれるのに何で今みたいにいつ襲われるか分からない時は的確な指示をしてくれないんだとがっかりした。さすがに自衛はしないといけないなと思い俺を中心に直径十メートルほどの半円のプライシディウムを展開しておいた。すると、メアリーさんが言った。


「小出くんはしっかり者で安心出来るわ」


「どういうことですか?」


「今プライシディウム張ってくれたでしょ。あの人テンション上がり過ぎないようにとか言っておきながら自分が一番テンション上がってるから周りのこと見えてないのよ。時々こういうことがあるから私が小出くんみたいにプライシディウム張ったりするんだけど、私より先にやってくれたからしっかり者だなって」


「そう言っていただけて嬉しいです」


「言って良かったわ。さ、攻略に集中しましょ」


 俺たちが会話を終えるとトールさんが言った。


「よしみんな今から中枢深域の攻略を始める。ここでの目標は色んなモンスターと戦い経験値を得ることそれだけだ。帰るまでに十体のモンスターとは戦いたいと考えてる。もちろんヤバそうだったたらすぐに帰る。悪魔のダンジョンみたいなことは避けなくちゃだからな。小出くんには迷惑をかけたし前回の反省を活かさないと成長しない大人のままだからな。ということで、全員の力をもって倒せないモンスターだと判断した場合はすぐに逃げるので、その時は大きな火魔法を空中に打ち上げ来た道を探す明かりとする。これが帰る合図だから忘れないように」


 というわけで中枢深域の攻略が始まった。

次回もお楽しみに


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