164話 モンスターの肉
バラノスを倒しその肉を食べることになった俺たちはバラノスの肉を傷つけないように魔法やアイテムの効果を使わず倒すことになった。だが、相手は魔法が使えるのに俺たちはダメなのは人数有利があったとしても不安だ。破滅級モンスター相手にこちらは総勢九人であるため魔法を使わない基礎体力だけでも十分だと思うが、さすがにアークシィリュームは発動させようと考えているとメアリーさんが言った。
「アークシィリュームでみんなのことサポートするから一撃で首落としてね。貴重な食料だから少しでも損の無いように」
メアリーさんの言葉にホッとしたその時、ヌラ・レフラリフレクティブを使えばバレずに仕留められるのではと考えトールさんに言った。
「俺の魔法使えば姿見えなく出来るんでバレずに仕留められると思いますよ」
「いやダメだ。たとえ姿が見えなくてもバラノスはもう私たちの匂いを嗅ぎ分けている。姿が見えなくてもおおよその位置は捉えられる。だから全員で攻撃を仕掛けて対処しきれていないところで誰かがトドメを刺すんだ」
「なら、俺が姿を隠してトドメを刺します。バラノスも八人からの攻撃をいなしながら見えない一人の攻撃を避けられるほどではないでしょう?」
「そうだな。トドメは小出くんに任せる一撃で首を落としてくれ」
「はい」
というわけで重要な役割を任せられた俺は頭の中でどんな状況でも一撃で首を落とせるようにシュミレーションした。なるべく可食部を残すようにということだったのでみんな攻撃というより俺がトドメを刺すための時間稼ぎをしてくれるだろう。それなら透の空掴の遊び人でバラノスを地面に押さえつけ一撃で首を落とすのが最も効率的だと考えた。だが、バラノスの生態を知らないためピンチになった時自爆するみたいなことがあってはならいため、気を引いてもらうのが一番だ。そのため空中で様子を見つつ時がくればトドメを刺すことしか出来ない。頭の中で考えられる展開通りにはならないだろうし、誰かの動きがもっとこうならと不満に思うところも出てくるだろうからシュミレーションはそこまでにした。
そんなことを考えているとバラノスが近づいて来ておりその姿がハッキリと見えた。その姿はオオトカゲのようで二又に分かれた舌をペロペロとしていた。体長は三メートルほどでまぁまぁ大きかった。
「メアリー、アークシィリュームを」
「はい」
「みんな魔法とアイテムは使わないように。肉が傷ついちゃうからね。せっかくの食料を自分の手で減らすのはなるべく避けて。小出くんがトドメを刺してくれるからみんなは気を引くのをメインで守り気味に。後は野となれ山となれで」
何とも適当な作戦だなと思いつつもバラノスはそこまで強くないモンスターなんだろうと思い気楽にやることにした。
「さ、みんなこれが終わったら焼肉だ!」
「「「おー!」」」
トールさんの掛け声でみんながバラノスに向かって突撃し始めた。俺はヌラ・レフラリフレクティブを発動させて空中で待機した。みんながバラノスの周りを囲みバラノスの魔法を避けては守りに徹してを繰り返し徐々に壁際まで追い詰めた。その様子は野生動物を傷つけないように保護しようとする人たちのようにも見えた。その時トールさんが言った。
「小出くん今だ!」
俺はトールさんの突然の指示に一瞬困惑したが、豪嶽砕を一振り取り出し風魔法でバラノスの首目掛けて一気に加速し首を落とした。
「やったー! 焼肉だー!」
「焼肉焼肉!」
「肉だー!」
みんなさっきまでの保護しようとしていた雰囲気とは一変して食事ムードとなった。メアリーさんは早速調理器具と味付けの調味料を取り出し全員で手分けして焼肉を食べるために時間をかけた。九人もいればあっという間で一時間もあれば焼肉を始められるようになった。
「よし。焼肉をするのはいいが、肉の匂いでモンスターが寄ってくるのを防ぐためにプライシディウムで隔絶しよう。というわけで小出くんよろしく」
「任せてください。焼肉のためならお安い御用ですよ!」
というわけでバラノスの肉による焼肉パーティーが始まった。バラノスの肉は本当に牛肉のようで少し弾力はあるが味わいはかなり近かった。メアリーさんが下処理と味付けをしてくれたから余計な臭みも無く美味しく食べられた。全員でバラノスの肉を余すところなく食べ終えしばらく休憩することになった。お腹いっぱい食べたので血糖値が上がり眠くなるため一時間ほど時間を確保し三十分交代で仮眠をとることになった。半数が先に寝ている間俺はバラノスの肉を焼いた匂いを少しでも薄めるために風で空気を循環させた。しばらく循環させ続けているとトールさんがもう解除してもいいと言ってくれたのでプライシディウムを消した。それからしばらく辺りを警戒しながらみんなの仮眠を見守っていると三十分のアラームが鳴った。俺たちは交代で仮眠をとった。三十分の仮眠というのはあっという間だが、かなり疲労回復は出来るため一度に長く寝るのではなくこまめに寝るのが効率的だと感じた。俺たちは休憩を終え次なるモンスターのところに向かった。しばらく歩いているとトールさんが言った。
「もう少し歯応えのあるモンスターがいると思ったんだが、もっと奥まで行かないとダメなんだったか?」
「確かこのエリアは中心にさらに下にいく道があって円周上にショートカットのあの穴があるからこのまま一直線に進んで行けば案外すぐ次のエリアに行けるはずですよ」
メアリーさんの言葉にトールさんが続いた。
「それじゃあ次なるエリアに向けてここからはノンストップで行く。風魔法で飛びながらモンスターを倒しつつ進むから各々遠距離攻撃手段の用意を」
トールさんの指示に俺たちは各々準備をした。春奈は久しぶりに銀翼の天使を使うのか銀翼を展開していた。風魔法で飛びながら他の魔法を使うのがあまり得意ではない勝は遠距離攻撃手段も無いため今回ばかりは仕方ないと何もしないことになった。その時拓郎さんが言った。
「俺の名射の拳銃貸すよ。大体の照準合ってたら当たるからこれ使って」
「いいんですか!? ちなみにこれって弾は?」
「マナだから実質無料」
拓郎さんは冗談混じりの顔でそう言った。でも、マナが弾なら実質無料なのはあながち間違っていない。さらに、照準が大体合ってたら当たるというのはかなりというか革命的に便利だ。反動で連射するほど当たる確率は下がるだろうが、どんな人でも使いやすいいいアイテムだと思った。マナを使う以上魔法を二つ同時に使うことが出来ない人には不向きだが、勝は同時に使うことは可能なため普通に使えるだろう。そんなことを考えているとみんな準備出来たため次なるエリアに進むべく俺たちはトールさんを先頭に風魔法で飛び道を進んだ。
次回もお楽しみに




