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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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159話 フライト中

 飛行機の中で寝てしまい目を開けるとトールさんたちが小さい声で話していた。隣の座席にいるユースやその奥にいる勝たちはまだ眠っていた。変な時間に目が覚めてしまったのかなと思いスマホで時間を見てみたらお昼を少し過ぎたぐらいの時間だった。寝てから三時間程しか経っておらずどうしようかと思いながら伸びをしているとトールさんが話しかけてきた。


「おはよう。時間はまだたっぷりあるから寝ててもいいよ」


「おはようございます。ちなみに後どれぐらいかかるんですか?」


「大体半日ぐらいかかるから後十時間前後だと思うよ。もしお腹空いてたらご飯持ってきてもらえるけどまだいい?」


「まだ大丈夫です。それより日本からアメリカってそんなにかかるんですね。正直もっと早いと思ってました」


「近いし存在だけど、思ってる以上に離れてるからね。風魔法で飛んで行けるような距離でもないし、そもそも風魔法での入国は禁止されてるからね」


 トールさんの発言に疑問が生じた。風魔法が使える人であればある程度の距離は飛べるため地続きの国はどうやって入国制限をしているのかと。だが、こんなことトールさんに聞いても分からないだろうし、分かっていたとしても詳しく教えてくれないだろうと思っているとトールさんが問いかけてきた。


「今、どうやって風魔法での入国を見張ってるのか気になったでしょ?」


「そんなに分かりやすかったですか?」


 俺はトールんに考えを見透かされたことに驚き聞いた。すると、トールさんは微笑みながら言った。


「結構分かりやすかったよ。まぁそれで入国を見張ってるのは主にマナ探知レーダーって言われる探知機だね。自衛隊とかが他国の船とか飛行機とかをレーダーで捉えるみたいに、マナも同じようなことが出来るんだ。日本みたいに島国だとそもそも不法入国しようとしてくる人が少ないからほとんどの場合入国する前に適切な処罰が与えられるんだけど、地続きの国は不法入国しようとしてくる人が多いから半分以上は取り逃しちゃうらしい。まぁでも、正直言って地続きの国じゃ不法入国を全部取り締まるのは不可能だろうから諦めてる国が多いらしい。仕方ないんだろうけど、みんながみんな法律を遵守するってわけじゃないから無理なんだろうね」


「日本って恵まれてますね」


「本当にそう思うよ。日本は教育レベルも高いし、攻略者も優秀な人が多いから平均レベルが高いんだけど、海外のトップは日本のトップより何もかもが一段階上って感じがするね。お金も企業、ギルドの規模もアイテムの数も。海外の最上位攻略者には日本に無いロマンというか夢があるね」


「いいですねぇ。いつか俺もそんなふうになってみたいなぁ」


 俺が願望を口にするとメアリーさんが言った。


「小出くんならすぐになれるわよ」


「いやいや、俺なんてまだ攻略者にすらなってないんですからまだまだ先ですよ」


 俺は本当にそう思ったことを口にするとトールさんが反論した。


「いや、小出くんならすぐになれるよ。私が保証する」


「トールさんにそう言ってもらえるなんて嬉しいです。期待に応えられるように精一杯頑張ります!」


 そんな会話をしているとユースたちが目を覚ましてきたのでみんなで昼ご飯を食べることにした。ファーストクラスの昼ご飯は豪華だが味わいは繊細でとても奥深しかった。それからしばらく雑談していると勝がトールさんに問うた。


「トールさん、今回行くダンジョンはどんなダンジョンなんですか?」


「そう言えばまだ話してなかったね。今回行くダンジョンはアリゾナ州にある世界最大級の地底型ダンジョンで困難のダンジョンって言われてるところだ。名前は物騒だが、攻略する側としてはそこまで難しくはない。どちらかと言えばダンジョンが広すぎるから怪我をして救助隊を呼んでも救助隊がそこまで辿り着けるか分からないことから困難のダンジョンって言われるようになったんだ。私たちからすればただ広いダンジョンだからそこまで気にすることはない。モンスターも強すぎる奴はいないからね。て言ってもダンジョンの奥の方には破滅級はいるから普通に難易度自体は高いから注意してね」


 トールさんの話を聞きそのダンジョンがどれぐらい広いのか気になり聞いた。


「世界最大級のって具体的にどのぐらいの広さというか深さなんですか?」


「正確な値は出てないから分からないけど、かなり深くまで攻略した人は地下百メートルぐらいじゃないかなって言ってるぐらいだから相当だと思うよ」


「それって調査とか行わないんですか?」


「調査するのもいいだろうけど、調査するってなったらお金も掛かるし、調査する時にモンスターに影響が出ないかとかも考慮しなくちゃいけないから大変なんだと思うよ。後、常に攻略者がどこかにはいるし調査するってなって攻略者に出てきてもらうにしても色々補償とかしないとだからやれないんだと思うよ」


「確かにそうですね。せっかく来たのに調査で攻略出来ないってなったら不満に思いますもんね」


 そんな話を続けながらダンジョンについての見識を広めていき勉強になったなと嬉しく思っているとユースがトールさんたちに気づかれないように俺の座席へとやって来た。どうしたんだと思っているとユースが耳元で囁いた。


「お父さんと喋り過ぎ。私とも喋ってくれないと怒るよ」


 飼い主がゲームしているところを邪魔してくる猫や犬のような可愛らしい嫉妬に笑みが溢れた。俺はトールさんと会話できるように下げていた座席の仕切りを上げてユースとの時間を作ることにした。俺が仕切りを上げたのを確認するとユースは嬉しそうに俺に抱きついてきた。前まではこんなこと一切無かったのだが、お家デートをしてからというもののユースは時々甘えてくる猫のような感じになった。俺としては可愛らしいので全然嬉しいのだが、まさかこんな時でもやってくるとはと驚いた。一年生の競技会でホテルに泊まった時のように抱きついてきていたので寝るのかなと思っているとユースが小声で言った。


「おやすみ」


「おやすみ」


 やっぱり寝るために来たんだと思い俺は静かにスマホをいじって時間を潰した。ただゲームをしたりするだけではもったいないと感じ困難のダンジョンにいるモンスターを調べてみた。調べた結果一番上にウルスニジャーという黒熊のようなモンスターが有名だというものが出てきた。ウルススニジャーの等級はどこなんだろうと思い検索してみると天災級の中では破滅級に近いモンスターだと出てきた。歯応えがありそうだなと思い他のモンスターも調べてみた。調べてみるとアルツトームスというマーモットのような外見のモンスターがいるらしく集団で行動しており災害級なのだが、見た目の可愛さに騙されて怪我を負う攻略者が後を立たないと書かれていた。それと、フェリスという獰猛な四足獣のモンスターもいるらしい。等級は天災級だが、ウルススニジャーには遠く及ばないのだとか。同じ等級でも大きく差があるんだなと思った。それならウルススニジャーを破滅級にすればいいのにと思ったが、野生動物型のモンスターである以上天災級の範疇だと考えられているんだろうなと感じた。キメラやミノタウロスなどの野生動物型ではなく魔獣型のモンスターでないと破滅級に分類されないのだとするとウルススニジャーが天災級の中では最上位なのかなと考えた。そんなことをしているとユースの体温で暖かくなり眠くなってきた。フライトはまだまだ続くため今は寝ようとスマホを閉じ寝ることにした。

次回もお楽しみに


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