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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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156話 オペラティオ

 オペラティオの開発に成功した放課後、俺はオペラティオの訓練をするために忘れられた記憶の断片(アルカディアリベル)を手に取りじいちゃんの所に向かった。


「久しぶりじいちゃん」


「おぉ! 健ちゃん、久しぶりじゃのぉ。待ち過ぎて天寿を全うするところじゃったわ」


「そのセリフ聞いたことある。て言うかもう死んでるんだからもう死なないでしょ」


「そうじゃったそうじゃった。ま、暇を持て余したじいちゃんのシニアジョークとでも受け取ってくれ。それより、オペラティオって名前気に入ってくれたかの?」


「そりゃもう。それと、オペラティオの訓練しに来たから手伝ってよね」


「もちろんじゃ。逆にじいちゃんの暇を潰してくれて感謝したいぐらいじゃ」


「それじゃあ早速始めようか」


 そんな会話をしてから俺はオペラティオの訓練を始めた。と言ってもはずは俺一人の力でどこまで出来るか確かめることにした。現実世界では時間が過ぎ去っていくが、アルカディアリベルの中では時間が経過しない。つまり、いくらでも訓練できるわけだ。というわけでオペラティオの訓練を始めたのだ。その間じいちゃんには退屈だろうがただ待ってもらった。俺が集中出来るようにただ黙って何もしないで待つように言うとじいちゃんは不服そうな顔をしていた。俺はそんなじいちゃんのことは気にせず訓練に励んだ。何十時間と経ったであろう頃、俺のオペラティオは脳を除く全身を動かすことに成功した。だが、同時に動かせるのは二部位までだった。自分の才能と魔法の腕には自信があったのだが、まさか二部位までしか動かせないとはとかなり落胆した。すると、じいちゃんが落胆した俺を見かねて話しかけてくれた。


「健ちゃんよ、何も落ち込むことはない。オペラティオなんていう他者の体を動かす超高等魔法を使える時点で凄いことじゃ。しかも、その超高等魔法を二部位で動かせるんじゃから一生自慢出来るぐらいじゃ。じゃから落ち込むことなんて一切無い。もっと自分に自信を持ってもいいぐらいじゃ」


「……うん。それに、まだ時間はいっぱいあるしね」


 俺がそう言うとじいちゃんはまさかまた儂を待たせるんじゃないよなと言いたげな顔をしていた。その表情を見るとさすがにこれ以上待たせるのは酷だなと思い今度はじいちゃんを実験台にして訓練することにした。


「それじゃあ次はじいちゃんを実験台にするからそこで力抜いた状態で立ってて。もしくは座ってて」


「そ、それだけか?」


「うん。結構後で動かされないように抵抗してもらったりするけど、今は動かないことだけお願い」


「わ、分かった……じゃが、なるべく早くしてくれよ」


「はーい」


 というわけでじいちゃんを実験台にした訓練が始まった。じいちゃんに対してオペラティオを使うのは透より少ししんどかった。体が老いているからか歴戦の魔法使いだからかは分からないが、オペラティオには効きやすい効きにくいがあるのだと分かった。それと、自分の体にオペラティオを使うより他者に対して使う方が大変なのも分かった。他者に対して魔法を使う方が大変なのは当たり前なのだが、透に使った時はそんな感じがしなかったため分からなかったのだ。もしかすると、オペラティオが効きにくい対象には必要なマナ量とマナ操作が大きく異なる可能性もある。そんな推測をしているとじいちゃんが言った。


「健ちゃんや、儂にも何か教えてくれんかの? 体勝手に動かされるだけではさすがに暇じゃ」


「あぁそうだよねごめん話すよ。今、じいちゃんにオペラティオ使って分かったことがあるんだけど、透とじいちゃんではオペラティオの効きやすさが違うんだ。それが人によってなのか魔法とかからくるものなのかは分からないけど、必要なマナ量とマナ操作が段違いなんだ。透とじいちゃんじゃ年齢も魔法歴も全然違うから比較対象としてアテにならないけどそういう差があることが分かった。今の段階ではこのぐらいかな」


「ならほどのぉ。対象によって難易度が変わるのは面白いが、言ってしまえば龍王のような明らかに格上の相手には一切通用しないということじゃろうな。そもそも生き物としての格が違うから仕方ないじゃろうな。それじゃあ儂はオペラティオについて考えておくから自由に訓練しててくれ」


「分かった。今度は同時に動かせる部位増やせないか試してみる」


 じいちゃんは頷いた後目を瞑りオペラティオについて考え始めた。俺はそんなじいちゃんの体をどうにかして三部位動かさないかと試行錯誤し続けた。両腕を同じ動きにさせることでマナの必要コストを削減したり必要最低限のマナ量で動かして三部位目の余裕を持たせようとしたりしたが一向に上手くいかなかった。どうしたら上手く出来るのか考えたが、俺の頭では全然良いアイデアは思いつかなかった。しばらく考えているとじいちゃんがオペラティオを使われていないことに気がつき目を開けた。


「どうしたんだじゃ? やっぱり上手くいかないか?」


「うん……二部位まではいけるんだけど、どうしても三部位目からは実力不足感が否めないんだ。それでどうしたら出来るのかなって考えてたんだ」


 俺の話を聞いたじいちゃんは自分の考えを話してくれた。


「儂もちょっと考えてみたんじゃがな、健ちゃんのオペラティオは無駄が多いんじゃないかと思ったんじゃ。健ちゃん今どうやってオペラティオを使ってる?」


「えーと、腕全体にマナを侵食させる感じで神経を自分のものにする感じかな」


「それが無駄じゃと儂は考えたんじゃ。もちろんそのやり方もいいんじゃが、腕全体を動かすってだけ考えたら肩と肘だけでいいんじゃないかと思ったんじゃ。もちろん力強く殴ったりするのは腕の筋肉まで使わなくちゃならんから健ちゃんのやり方が正しいんじゃろう。でもの、腕全体を動かすだけなら肩と肘だけで事足りると考えた訳じゃ。それで一回やってみてくれんか?」


「分かった。肩と肘だけにマナを集中させてみるからじいちゃん側でここにもって場所があったら教えて」


「もちろんじゃ」


 俺はじいちゃんに言われた通り肩と肘だけにマナを集中させてオペラティオを発動させた。その結果、腕を動かすだけなら今までとは比べ物にならないほど省エネになった。とりあえず右腕だけやっていたのを左腕も同じようにやってみると、より必要なマナ量が大幅に削減出来たことに気がついた。


「出来た! 出来たよじいちゃん! めっちゃ少ない量で動かせる! 流石じいちゃんだよ! ありがとうね!」


「流石じいちゃんだろ。伊達にじじいになるまで生きとらんからの。ま、今はもう死んでしもうてるんじゃがな」


「じいちゃんって本当にシニアジョーク好きだよね。それよりさ、もっとここにもマナ集中させた方がいいって場所あった?」


「肩甲骨辺りにもあると動かしやすいじゃろうが、敵対してる相手にはいらんじゃろうな」


「そっか。それじゃあこの勢いのまま三部位までいけるかやってみる。足動かすからなるべくこけないように頑張るけど、もしかしたらこけそうになるかもしれないから身構えといて」


「分かった」


 俺は膝と股関節、足首、腰にマナを集中させてじいちゃんを歩かせることに成功した。そして、なるべく自然な感じで肩にもマナを集中させ歩いている時特有の腕の張りも再現することに成功した。じいちゃんはとても嬉しそうな顔をしながら言った。


「このまま左肩もじゃ」


 俺はじいちゃんの指示通り左肩にもマナを集中させて歩かせながら両腕を自然に振らせることに成功した。しばらくじいちゃんを歩かせてからオペラティオを解除するとじいちゃんがとても嬉しそうな顔で駆け寄ってきた。


「流石健ちゃんじゃ! まさかこんな短い時間でものにするとは思ってもみなかった! 本当に自慢の弟子じゃ!」


「ありがとうじいちゃん。これもじいちゃんのおかげだよ。これからも頼りにしてるからね!」


「もちろんじゃ。いくらでも頼ってくれ」


 そこから俺たちは少しの雑談を挟んだのちオペラティオの感覚を忘れないように何度も繰り返し行い完璧にオペラティオを使いこなせるようになった。最後にじいちゃんにオペラティオに抵抗もしてもらったが、間接を動かしているため抵抗することは不可能らしく、マナも自分の物ではないためなす術が無いらしい。つまり効く相手には一方的に俺が体を支配出来るということだ。その時邪な考えと暴力的な考えが同時に浮かんだが、そんな使い方は本当に必要な時しかしないと心に決めた。後は複数の対象に使えるようになることだけだ。

次回もお楽しみに


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