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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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153話 切り替えて

 ユースと初めてを過ごした翌日、俺はまだユースの家に居た。なぜかと言うと、ユースがまだ一緒にいたいと駄々を捏ねたからだ。小さい子の駄々のように可愛らしくお願いしてくるものだから断れなかったのだ。恋人の珍しい姿を見られたと少し嬉しくもあった。甘えるというか俺にしか見せない一面のようなものが見れて嬉しくない人などいないだろう。しかもそれが可愛らしい一面なら尚更だ。そんなわけで俺はまだユースの家にいるのだ。昨日一緒に作ったカレーを食べたり気分転換に訓練をしたり、一緒にゲームをしたりと昨日のようなことはなく清い一日を過ごしていた。昨日のような爛れた午後とは違い一安心だった。しばらくユースと楽しいひと時を過ごし辺りが暗くなってきた。さすがにもうそろそろ帰らないといけないなと考えているとユースが服の裾を掴み言った。


「健斗さえ良ければだけどさ、またいつでも来てね。一人で寂しいから……」


「うん分かった。でも、昨日みたいなことはちゃんと大人になってからね」


 自制とユースを戒めるために言ったのだが、ユースはそれを逆手に取り言った。


「大人になったら出来なかった分目一杯楽しもうね」


 まさかの発言に動揺したが、俺はそれを隠すためにユースの家を後にした。父さんと母さんにはちゃんと連絡はしていたので説明の必要は無かったが、二人とも何があったのか察していたようで聞いてくることはなかった。俺としてもその方がありがたかった。晩ご飯を食べ寝る用意を終えベッドに入ると昨日のユースの恍惚とした表情や嬌声が脳裏に焼き付いており寝かせてくれなかった。明日は学校だから早く寝なくちゃいけないのにと思い自分を慰めることでようやく寝ることが出来た。


 目を覚ますと昨日の夜のことを思い出した。何とも言えない罪悪感に襲われたが、あれはユースが悪いんだ俺は悪くないと自分に言い聞かせることで何とか落ち着いた。気持ち切り替えられるかなと心配だったが、朝ご飯を食べる時には自然と切り替えられており人間の体って便利だなと思った。ユースはどうだろうと思ったが、きっとユースのことだからいつも通りな感じだろうなと謎の自信があった。ある種のユースへの信頼なのかもなと思いながら学校に向かった。学校に着きみんなと雑談しているとユースがまだ登校してきていないのに気がついた。何かあったのかなと思いメールを送ることにした。


『今日学校来ないの?』


 メールを送ってから数分すると返信が返ってきた。


『寝不足で体調崩しちゃったの。熱は無いから明日には行けるわ。心配してくれてありがとう』


 良かったと一安心し返信を送った。


『それなら良かった。もし体調が悪化したらいつでもメールして。色々必要な物届けるから。とりあえず今はゆっくり寝てて』


 次はすぐに返信が返ってきた。


『ありがとう。とりあえずゆっくり体休めておくわ。それと、今日授業でやったところの板書明日にでも見せてもらってもいい?』


『もちろん。学校のことは気にせずゆっくり休んでて。安静にね』


『ありがとう』


 ユースが体調を崩すなんて珍しいなと思ったが、ユースは治癒魔法が使えないのかなとも同時に思った。もし体調が酷く悪化したら治癒魔法で治してあげようと思った。朝のホームルームで塩田先生がユースの休みを告げるとクラスのみんなは珍しいねと声を上げた。ホームルームが終わると春奈が俺に何か知ってそうだからとユースのことを聞いてきた。俺はただの寝不足だと説明して板書を見せてあげるように約束したことを伝えた。すると春奈が俺にだけ聞こえるような小声で言った。


「流石旦那さんなだけあるね」


 まさかのイジリに声を上げそうになったが、クラスのみんなから注目されてしまうとグッと堪えた。俺は春奈にイジワルをしてやろうと同じように春奈にだけ聞こえるような小声で言った。


「透と楽しそうに探索してたけど、何か進展あったか?」


「……っ! な、何も無かったわよ」


 春奈は俺と同じぐらいの声量で言った。それにしても春奈は明らかに動揺していて何かはあったんだろうなと確信した。でも、透と春奈ならいいカップルになれるだろうしそこまでイジワルはしないでおこうと決めた。そんな話をしていると授業が始まり俺たちは席についた。ユースのために板書を取っているためいつもより丁寧に先生が言っていた教科書に載っていない内容などもメモしておいた。自分のためなら絶対にこんなことまではやらないのにユースのためだと考えるとここまで出来るのは自分でも不思議だな思った。でも、ユースは俺のそんな一面を好きになってくれたわけでこういう性格で良かったと心から思った。生徒会の仕事も難なくこなし家に帰ろうとした時ユースからメールが届いた。


『生徒会の仕事大丈夫そう? もし大変だったり分からないことがあれば聞いてね』


 ユースの優しさ溢れるメールに返信した。


『大丈夫だよ。みんなでちゃんとやったから。板書は明日見せるので大丈夫?』


『うん。明日で大丈夫。今日は色々ありがとう』


『困った時はお互い様だよ。もう体調は大丈夫なの?』


 ユースとメールで会話をしているとみんなはもう帰るらしく俺も一緒に帰った。家に着きスマホを見るとユースからメールが届いていた。


『もう大丈夫。心配してくれてありがとう。おやすみ』


 ユースのメールにおやすみとだけ返した。文面からはユースの体調は感じ取れないためどうしようもないため信じるしかない。でも、ユースはこういう時嘘をついたりはしない性格だろうし大丈夫だろうと思った。


 翌日学校に登校するとユースがいた。今日はいつもより早い登校に俺たちは不思議に思っているとユースから話しかけてきた。


「みんなーおはよー、昨日はごめんね」


「いやいや大丈夫だったよ。それより体調は大丈夫なの?」


「そのことならバッチリ。昨日ずーっと寝てたから早く起きちゃったの」


「だから今日は早いんだな」


「そういうこと」


 みんなと話をしている間に俺は昨日の板書を書いたノートを見せることにした。


「はいこれ。昨日のノート」


「ありがとう。今のうちに写しちゃうね」


 ユースは急いで板書を書き写し始めた。授業が始まる前に写してしまおうという気概を感じられた。俺はそんなに急がなくて大丈夫だと言ったが、ユースは今日も授業がある教科は書き写すと言って手を止めなかった。そういうことならと俺は止めることしなかった。そんな時ユースが春奈に言った。


「そう言えば春奈のアイテム鑑定してもらった?」


「あ……」


「忘れてたのね。朝のうちに塩田先生に渡しておきなさい」


「そうする」


 まさか鑑定に出し忘れていたとはと思ったが、昨日はユースが休んでいたため頭から抜け落ちていたのだろうと結論づけた。春奈は朝のホームルームが終わると塩田先生に精霊水晶と懐中時計、バンダナを鑑定に出した。後は結果を待つだけとなり俺たちも結果を楽しみに待った。

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