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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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152話 お家デート

 試練のダンジョンから帰ってきた俺たちはいつも通り学校に行きいつも通りの授業を受けていた。だが、俺の心の中はいつも通りではなかった。なんて言ったってユースの家でのお家デートがあるからだ。トールさんとメアリーさんが家にいるのかは分からないが、わざわざお家デートに誘っていながら両親がいるタイミングを選ぶのはあり得ない。だからと言って、俺たちはまだ学生であるためそういうことをするのは早過ぎるということはないが、避けられるのなら避けなければならない。これから先の攻略者人生に多大な影響を与える可能性が大いにあるためそう考えるのが当たり前だ。とは言えユースがどう思っているのかは分からない。もしかしたら攻略者になることでゆっくり出来る時間が減るため学生である今のうちにと考えているのかも知れない。そうである場合俺はどうすればいいのかそんなことが頭の中を支配していた。そんなわけでまともに授業の内容を聞いているわけもなく気がついたらもう金曜日になっていた。もう週末になったことを驚いているとユースからメールが届いた。


『明日私の家来て。時間は午後からね。お昼作ってあげるからお腹空かせてきてね。楽しみに待ってるから』


 内容を確認した後にユースを見ると微笑んでくれた。その微笑みはとても可愛らしく俺の心臓は心拍数を早めた。とりあえずメールを返そうと思い当たり障りのないメールを送った。するとすぐにメールが返ってきた。


『お昼のリクエストある?』


 俺は少し考えた。ベタなカレーとかでもいいなと考えたが、カレーは時間がかかるし昼と言うより夜のイメージが強い。それならと良い案が思いついた。


『二人で一緒に作ろうよ。その方が楽しそうだし労力も半分だし。難しいのは作れないからカレーとかいいんじゃない?』


 俺がそうメールを送るとユースは嬉しそうな顔をしながらメールを打っていた。


『それじゃあ今日食材買って帰るから明日の十時ぐらいに家来て。一緒に作ったカレー食べよ』


『楽しみにしてる』


 メールでのやり取りを無事終えた俺はユースにそういう気がないのかも知れないなと思った。純粋にお家デートを楽しみたいだけなんだと感じられる優しい微笑みと文面にそういうことを想像していた俺が恥ずかしく思えた。そんなことがありつつも授業が終わり生徒会の仕事を少しやり帰宅した。母さんに明日ユースと遊びに行ってくるとだけ伝え部屋に籠り、明日のために色々身だしなみを整えた。眉を整えたり髭が生えてないからチェックしたりした。諸々の身だしなみをチェックし終えお風呂に入った。いつもより丁寧に体を洗いゆっくりお風呂に浸かった。お風呂から上がり部屋でゴロゴロしているとユースからメールが届いた。


『実を言うとこういう恋人らしいことしたかったんだよね。正直なところいつまで経っても健斗からお誘いが無かったからもう私から誘っちゃったの。今度は健斗からデート誘ってよね』


 まさかのメールに俺はしばらくメールの返信を考えることが出来なかった。今までユースは色々忙しそうだし訓練もしているだろうからそんな暇は無いだろうし、いつも一緒にいるからデートに誘おうと思ったことが無かった。でも、ユースはきちんと恋人としてデートに誘って欲しい普通の女の子なのだ。そうと分かっていれば、いや俺が分かろうとしていれば一度はデートに誘えただろう。俺の努力というかユースの恋人という意識が足りなかった。そんな自分に嫌気がさした。でも、ユースを待たせるわけにはいかないためメールの返信を送った。


『言い訳っぽく聞こえるけど、ユースっていつも忙しいって思ってたから誘えなかったんだ。今度はこっちから誘うよ。今まで待たせてごめんね。明日楽しみにしてるおやすみ』


 少し待っているとユースから返信が返ってきた。


『私健斗が思ってるより忙しく無いからいつでも誘ってね。おやすみ』


 そんなメールのやり取りを終え眠りについた。明日のお家デート楽しみでいつもより少し寝つきが悪かったが、明日には影響は出ないほどだった。


 目が覚めると朝の九時だった。後一時間でユースの家に着いていなくてはいけないためすぐに準備を始めた。いつもより少し気合を入れた綺麗めの服装に最低限の持ち物を用意し香水を振りユースの家に向かった。十時十分前にユースの家の前に着きエントランスからユースの家に呼出を行おうとしたが、それより前に受付嬢によりユースから話は聞いているとマンション内に通された。流石だなと思いエレベーターで五十階まで上がりインターホンを鳴らした。少しすると玄関が開きユースが出迎えてくれた。普段着だが、そこはかとなく上品さが感じ取れる服装だった。


「はいはい上がって上がって」


「お邪魔します」


 久しぶりのヨハネス宅に上がりリビングに荷物を置くとキッチンにいるユースに呼ばれた。


「先にジャガイモ洗っちゃうから健斗は玉ねぎの皮剥いて」


「はーい」


 俺は腕枕をしながらキッチンに向かうとユースにエプロンを着させられた。


「服汚れないようにね」


「ありがとう」


 些細な気遣いに感謝したと同時にユースも同じエプロンをしていることが分かった。このためにお揃いの物を買ったのかは定かでは無いが、なんとなく夫婦っぽいなと笑みが溢れた。すると、ユースはなんで俺が笑っているのか不思議そうに見つめてきた。


「別に変な意味は無いよ。ただ、ユースとお揃いで嬉しいなって」


「それなら良かった。早く作ろ」


 俺たちは他愛の無い話をしながらカレーを作った。食材を洗ったり切ったり煮込んだりとやっていることはまさに新婚さんだった。俺はこんな幸せがこれからも続くんだなと思うとニヤけが止まらなかった。カレーの味を確認しながら最終調整をしているユースの後ろ姿がどうも愛おしく、後ろから抱きついてしまった。


「どうしたの?」


 ユースは困惑したような、でも、少し嬉しそうな声色で言った。


「何となく抱きしめたくなったんだ」


 俺は本音を伝えた。ユースはふふっと笑い嬉しそうな笑みを浮かべた。そのまましばらくユースを抱きしめているとカレーが出来上がり俺たちはお腹が空いているのもあってすぐにカレーを食べ始めた。


「「いただきます」」


 二人で作ったカレーは今まで食べたどんなカレーよりも美味しく愛情が込められているような気がした。


「美味しいね」


「うん。今まで食べたカレーの中で一番美味しい!」


「そう言ってもらえると愛情込めて作った甲斐があります」


「ありがとう」


 俺たちはそんな幸せな会話をしながらカレーをお腹いっぱい食べた。二人で協力して洗い物も終わりソファーでまったりと一緒に過ごしているとユースが言った。


「こんなこと言うのも変だし悪いんだけどさ、健斗ってさ全然私とスキンシップしようとしないけど何でなの?」


 突然の質問に返答に困った。正直言ってスキンシップなんて出来るものならいくらでもしたい。でも、俺たちはまだ高校生だしあと一年もすれば攻略者になっている。そんな時期に一線を越えるのはよろしくないと考えている。俺の考えを直接伝えるべきなのかはぐらかすべきなのかを一瞬のうちに考えて口にした。


「正直、一度でも一歩進んじゃったら歯止めが効かなくなるだろうし、そうなった場合ユースにも迷惑がかかるだろうから、俺がもう少し大人になるまで待って欲しい」


「……ごめん。私が待てない」


 ユースはそう言うと俺を押し倒してキスをしてきた。この状況で拒むのはユースのこと自体を否定することになりそれは避けなければならない。キスの合間にユースに止まってくれるように言おうとしていたのだが、いつの間にかユースの舌が俺の口腔内を蹂躙してきた。さすがに息苦しくなり一旦離れるとユースが言った。


「我慢出来なくてごめんね。本当に嫌なら突き飛ばしてくれていいから」


 ユースは再び俺の口腔内を蹂躙してきた。俺はもう今日がその時なのだと受け入れることにした。しばらくユースの愛を受け止めているとユースが少し恥ずかしそうに言った。


「……ベッド行こ」


 俺はユースと共にユースの部屋に向かった。そこは女の子らしい可愛らしい部屋でありユースの匂いが充満していた。ユースはベッドの上で俺を誘っていた。俺は理性を殴り捨てて本能のままユースを求めた。気がついたら辺りはすっかり暗くなっていた。こんなに時間が経っていたのかと驚いたと同時にユースのことが心配になり声をかけた。


「大丈夫か?」


「……大丈夫。それよりこれで本当に夫婦になれたわね。一生私のそばに居なさいよ」


「一生一緒にいれることを光栄に思うよ。さ、お風呂入ろ。体ベタベタだ」


「連れて行って」


「はいはい。我儘なお嬢様」

次回もお楽しみに


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