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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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149話 天井裏③

 三通りの作戦を立てた俺たちは早速準備に取り掛かった。各々魔法とアイテムの準備をしいつでも戦えるように体制を整えた。俺たちが準備を終えるのを確認した春奈が精霊水晶を手に持ち火の精霊を生み出し指示を出した。


「今から私たちの前にいるモンスターを倒すからそのモンスターの上まで移動してそこで待機しておいて。私が手で戻ってくるように合図したら私の所まで移動して、その後戦いが始まったら一緒に戦ってね。それじゃあ行って」


 火の精霊は春奈の指示に従い真っ直ぐ前に向かって進んだ。しばらく進むと止まりそこにモンスターがいるのだろうと目星がついた。そのモンスターは精霊には反応を示しておらず俺たちはゆっくりとモンスターとの距離を詰めた。そして、凍界無別をある程度の幅で地面に刺し火魔法の準備をした。俺たちの準備が終わると春奈は火の精霊に手で戻ってくるように合図をしたため勝が凍界無別を発動させた。それと同時に俺は火魔法でそのモンスターの姿を明らかにした。そのモンスターは今までの動物のような外見から掛け離れた見た目をしていた。その見た目は丸い肉塊であり地面に接している部分は焼け爛れているようで痛々しく、血によって腐食している剣や槍が刺さっていた。何より一番気持ち悪いのが多種多様な目が肉塊の上の方に付いているのと肉塊の左右に様々な動物の耳が付いていた。その中には人間の耳も付いていて余計気持ち悪さに拍車をかけた。


「な、何だよコイツ……」


「そんなことより攻撃!」


 ユースに喝を入れられて俺はその異形の見た目のモンスターに小さなシクットソルを撃った。シクットソルが爆発し爆煙が発生した。俺はその異形のモンスターが生きているか確認するために風魔法で爆煙を晴らした。シクットソルが爆発した周囲には肉片と血が付着していたが、大元は倒せていた。俺たちは一息つきさっきのモンスターについて話し合った。


「何だったんだよあの気持ち悪いモンスター……マジでモンスターっていうよりバケモノだったぞ……」


「あれはテネブラアデスよ。闇の中に生息している異形のモンスターで明かりが一切差し込まない暗闇にしか生まれないの。でも、テネブラアデスは闇の中を移動する能力を持っているから世界中どこにでも行ける厄介なモンスターなの。多分あの剣と槍は反撃にあって逃げたんだと思うわ。それで、テネブラアデスは空腹を満たすためにどんな生き物でも襲ってその生き物の一部を自分のものにするの。だから、さっき人間の耳があったと思うんだけど、その犠牲になった人の仲間が剣と槍で反撃したんだと思うわ……」


 そんなモンスターがいるなんて正直言って信じられなかった。龍なんかよりよっぽど信じられない存在だった。あんな悍ましいモンスターとはもう二度と出会したくないと心の底から思った。


「初めてあんな気持ち悪いモンスター見たわ……」


「なんか、醜悪の具現化って言うか、この世の醜い部分を全部集めたような見た目だったね……」


「ねぇユース、他にはあんなモンスターいないよね……?」


「いないと言えば嘘になるけど、ほとんどはあれよりはマシだから……」


 テネブラアデスと同じような見た目のモンスターがまだいることに驚きと動揺を隠せなかった。テネブラアデスのような異形のモンスターがどうやって生まれてくるのかは少し気になるが、知ったところで何の利益にもならないため知らない方がいいだろうと感じた。テネブラアデスによって明らかにテンションを落とされた俺たちはこれからどうするか話し合った。


「これからどうする? 正直言って俺はだいぶやる気削がれた」


「俺も。なんか、ゆっくり休みたい気分」


「僕も。みんなで休憩施設戻ろ」


 男子陣は休憩施設に戻り休憩を取るつもりだ。


「私はどっちでもいいわ。みんなが戻るなら戻りましょ」


「ちょっと待って。テネブラアデスの前に生み出した火の精霊が宝箱とモンスター探してくれてるからそれだけ確認してから戻ろ」


 俺たちはそれなら仕方ないかと最後に春奈の火の精霊を確認することにした。俺たちは進行方向とは逆の五方向に進んで行った火の精霊たちを探すために火魔法を消した。すると、視界の奥の方に微かな明かりが見えた。そこで俺は春奈に聞いた。


「この距離から精霊に指示って出さないのか?」


「大声ならいけるかな? 試してみる。みんな戻ってきて!!」


 春奈が出来る限りの大声で指示を出すと視界の奥の方にあった明かりが俺たちの方に向かってきた。結果として五匹の精霊が春奈の元に戻ってきた。すると、春奈が精霊たちに聞いた。


「宝箱見つけた子いる?」


 そう聞いたが、精霊たちは何の反応も示さなかった。


「モンスター見つけた?」


 そう聞くと、精霊たちは各々肯定と取れる反応を示した。その反応を見た春奈が俺たちにどうするかという顔で見つめてきたが、俺たち男子陣は首を横に振った。


「それじゃあ戻りましょうか」


 俺たちは休憩施設に戻ることにした。勝が天井裏に穴を開けた場所から降りて二階層から一階層に戻った。休憩施設に戻る道中、勝が風魔法に慣れるために風魔法で移動し続けた。その結果、勝は試練のダンジョンでかなり風魔法に慣れある程度のスピードで飛べるようになった。俺たちは休憩施設に戻るとベッドに横になった。シンプルに攻略で疲れたのとテネブラアデスで削られた精神を癒すようにスマホを眺めていた。ふと今が何日の何時なのか確認すると、攻略授業四日目の夜だった。もうそんなに時間が経っていたのかと驚いた。もう夜も遅いし寝ようとした時透が言った。


「ねぇ健ちゃん、健ちゃんって夢とかある?」


「急にどうしたんだ?」


 透の言葉にこの前の春奈との会話を思い出した。


「いやぁね、僕たちももう三年生だし将来のこと考えなくちゃなって思ったんだ。それで、健ちゃんはユースとトールさんたちと攻略者として活動するだろうけど、僕たちは学生だからトールさんたちの攻略に連れて行ってもらってる立場だからどうしようかなって」


「透たちのことも連れて行ってくれると思うけどな」


 俺が何気なくそう言うと勝が言った。


「トールさん優しいけど、俺たちみたいな新人が増えたら大変だろうからしばらくは連れて行ってくれないと思うぞ。まぁ俺たちがトールさんに認められるぐらい強くなればいいんだけどな」


「二人とも十分強いと思うけど、トールさん的にはそれでも足りないのかな?」


 俺が呟くように言うと透が答えた。


「足りてたとしても人数が増えることでカバーしなくちゃいけない範囲が増えるとかでデメリットもあるだろうからそういうことも考えてると思うよ」


 確かにそういうことも考えなくちゃいけないなと思った。それでも戦力が増えるのはいいことだろう。そんなことを考えても俺には正解が見つからないためもう寝ることにした。


「二人ともおやすみ」


「「おやすみ」」


 二人の返事を聞き俺は眠りについた。

次回もお楽しみに


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