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アルカディアリベル 〜神話級アイテムは俺を世界最強の攻略者へと導く〜  作者: 描空
三年生編

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139話 氷魔法

 体育祭が終わった翌日俺は燃え尽き症候群のような感じになりやる気が一切出なかった。それに、もう体育祭が終わってしまったという喪失感もあった。学校に着いてもやる気は出てこずぼーっと授業を受け、ぼーっと昼ご飯を食べているとユースが言った。


「健斗、さすがにもうそろそろ元気出しなよ」


「いやーそうしたいんだけど、しばらく楽しいことないからさー……」


 俺がそう言っても誰も反論しなかった。六月と七月は学期終わり手前ということで体育祭しかイベントはなく夏休みまで特に何も無いのだ。みんなもそれを理解しているから反論しないというか出来なかったのだろう。そんな時春奈が言った。


「そう言えば研鑽のダンジョンで氷魔法に凄く興味持ってたけど、それはどうなったの?」


「あ、忘れてた」


 春奈に言われて思い出した。氷魔法について知見を広めたいことを。出来ることなら氷魔法を習得して自分のものにしたいことを。なぜ今まで忘れていたのかと考えたが、普通に体育祭の準備でずっと生徒会の仕事をしていたからだ。逆に言えば今からは生徒会の仕事は減るだろうから氷魔法に集中出来る。


「忘れてたんだ……あんなに興味ありそうな感じだったのに」


 春奈がそう言うと勝も頷いていた。すると、透が言った。


「先生たちに聞いてみたら? 氷魔法を使える先生はいないかって。神田くんみたいに土魔法を使える人は滅多にいないのと同じで氷魔法も使える人は滅多にいないタイプだろうし」


「それじゃあ俺先生に聞いてくるからみんなは教室戻ってて」


 俺はみんなの返事も聞かずに職員室に向かった。職員室に着きまずは塩田先生に話を聞いた。


「先生たちの中に氷魔法使える人っていますか?」


「氷魔法かぁ、氷魔法は多分いないんじゃないかな。アイテム保管庫の中に氷魔法が使える杖はあるだろうけど、先生の中じゃ使える人はいないと思う」


「そんなに氷魔法って珍しいんですか?」


「氷魔法って言うよりマイナーな魔法は杖依存なことが多いからな。中村の杖は植物生やしたり出来る魔法だろ。神田の杖も土魔法が使えるようになる杖だからな。本当に知りたいんだったら一年生の頃特別講師として来てくれた間藤さんの連絡先教えようか?」


「ならお願いします」


 塩田先生は職員室に戻り間藤さんの連絡先が書かれている書類を持って来てくれた。俺は自分のスマホにその電話番号を登録し先生に感謝を伝えた。間藤さんなら顔も広いだろうから氷魔法を使える人を知っている可能性は高い。棚からぼたもちとはこういうことを言うんだなと思った。今日帰ったら電話してみようと思い教室に戻った。教室に戻るとユースが問いかけてきた。


「どうだった?」


「一年生の頃に特別講師として来てくれた烈火の鳳仙花の間藤さんの連絡先教えてもらった。先生たちの中には氷魔法使える人いないからって」


「確かにあの人ならお父さんたちより顔広いから適任ね」


 ユースの発言に俺は疑問に思い聞いた。


「トールさんってあんまり他のギルドとか攻略者たちと交流ないのか?」


「ないって言うか出来ないの方が正しいわね。日頃色んな場所のダンジョンに行ってるし海外も多いから拓郎さんたち以外と関わることがないの。それに海外はヴェナトレスみたいな奴らが多いから極力他の攻略者と共闘したりしないのが当たり前なの。と言うか普通の攻略者もヴェナトレスみたいな奴らだからそもそも関わらないんだって」


 海外は大変なんだなと思うと勝が言った。


「なんでそんなに危険が付き纏ってるのに海外のダンジョンに行くんだ?」


「攻略依頼の時もあるけど、まだ見たこともないモンスターを求めてとか珍しいアイテムを探しにとかが多いかな。基本的に自分たちが行きたいから行ってる感じだから止められないのよ。でも、それ以外の時間は家にいてくれるから多分親といる時間は普通の共働きの人と変わらないと思うよ。しばらくいないことがあるのはちょっと寂しいけど。だから、私は光正を卒業したらそのままお父さんとお母さんと一緒に攻略者になるの。もちろん健斗も一緒にね。みんなも一緒がいいなら話しておくよ」


 ユースの言葉に勝たちは嬉しさと驚愕が混ざったような表情をしていた。そんな話をしていると昼休みが終わり授業が始まった。授業中これからのスケジュールを頭の中で考えた。帰ったら間藤さんに電話して氷魔法を使える人がいれば連絡取ってもらって、それまでの間にじいちゃんから氷魔法の話を聞いてもいいだろうけど、それは間藤さんの知り合いに氷魔法を使える人がいなかった時にしようと考えた。考え事をしていると授業はあっという間に終わった。俺たちは体育祭のまだ残っている後片付けなどの仕事をやってから家に帰った。時間は夕方の十八時電話をするには少し遅いかなと思ったが、ギルドの事務仕事があったとしても終わっているか終わりかけの時間だろうしちょうどいいだろうと思い電話をかけた。数コールの後間藤さんが電話に出た。


「もしもし、お久しぶりです光正高校の小出健斗です。間藤さんのお電話で間違いないですか?」


「小出くん!? 久しぶり! 元気してた?」


「元気でしたよ。間藤さんも元気そうで良かったです」


「それより急に電話なんてどうしたの? 何かトラブルでもあった? それとも烈火の鳳仙花に入りたいとか?」


 そんな話もあったなと思ったが、明言はせず本筋を切り出した。


「自分今氷魔法に興味持ってまして、間藤さんの知り合いに氷魔法使える人いないかなって思いまして。もしいたら氷魔法教えてもらいたいなって」


「小出くんは何を報酬としてくれる?」


「何かを差し出したいところですが、これといって渡せるものが無いんですよね。間藤さんは今欲しい物あるんですか?」


「うーん……そう言われるとあまり無いわね。それなら人を紹介するんだから互いに人を紹介しましょうか。私としてはユースさんに会いたいわ。一年生の頃からどれだけ強くなったのか気になるもの」


「それじゃあ間藤さんの家にみんなで行きますよ。氷魔法が使える人も間藤さんの家なら集合場所として分かりやすいだろうし、俺たちの成長を見られるでしょうから」


「良いわね。それじゃあスケジュール確認したら折り返すわ。お友達にもこの話伝えておいて。多分連絡出来るのは明日以降になるだろうから気長に待っておいて」


「はい分かりました」


「それじゃあ日時決まったら折り返すから。それじゃあね」


「はい失礼します」


 間藤さんとの電話を終わり俺はみんなにメールを送った。間藤さんの家にお邪魔するから日時が決まったら連絡すると。みんな了承してくれ後は待つだけとなった。電話した二日後の夜間藤さんから折り返しの電話が掛かってきた。日時は来週の日曜日の午後からとなった。間藤さんの住所を送ってもらい俺たちは風魔法で飛んで行くことにした。みんなにも日時と風魔法で飛んで行くことを伝え了解の返事をもらった。

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