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忘れられた記憶の断片から力を得れる俺は小出しで成り上がる  作者: 描空
学生編

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13話 魔法①

「それじゃあみんな杖は持ったな? まず、基本的な魔法の使い方を説明する。魔法はマナと呼ばれる目に見えない物質を使うことで発動できる。空気の中にマナがあると思ってくれればいい。だから、私たちの体内には常にマナが存在している状態だ。だが、自分の体の中に酸素がどのぐらいあるのか分かる人間はいないのと同じでマナを感知することはとても難しい。だから、初めてマナを感じるその瞬間が重要となる。人間で言う初対面と同じ状況だ。そこで、私がここにいる全員にマナを感じれるようにしたいから、クラスごとに分かれて待っていてくれ」


 俺たちは担任の先生の指示に従いクラスごとに分かれた。俺たちの学年は六クラスあり、俺たちは三組なためちょうど真ん中だ。間藤さんが一組の生徒たちにマナを感じさせるために、一人づつマナを流している。じいちゃんがやってくれたのと同じだったのでこれがマナを体内には流すのが一番効果的なのだろう。待っている間、各クラスは担任の先生の指示によって様々なことをした。俺たちのクラスは塩田先生という事もあり基礎戦闘術をやっていた。今日のメインは魔法だからあまり体力を消耗しないように軽めだった。


「三組のみなさーん!」


 俺たちの番となり早速間藤さんの所に向かった。クラスでやっているので一番わかりやすい名簿順でマナを流してもらうことになった。一番最初は出席番号一番の勝で、誰が見ても分かるほど緊張していた。間藤さんは緊張をほぐせるように優しく肩を揉んだりしてマナを感じれるようにしていた。間藤さんは勝に合図を出し体にマナを流したが、勝はしばらくの間それらしい反応を示さなかった。間藤さんは少しマナの量を増やしたのか手に力が入っていた。すると、勝もようやくマナを感じれたのか反応を示した。次は春奈だった。春奈も勝と同様緊張しており間藤さんに緊張をほぐしてもらっていた。春奈は勝よりマナ感知に長けており結構すぐに反応を示した。そこからどんどんスピードを上げて一人にかかる時間を減らした。


 いよいよ俺の番になった。俺はじいちゃんにも驚かれるぐらいマナ感知に長けているので大丈夫だろうと特に緊張せず臨んだ。


「小出くんだね。それじゃあマナ流していくけどそんなに緊張しなくて大丈夫だからね」


 そう言うと間藤さんは俺の両肩に手を乗せた。その時点で間藤さんの手からマナが流れており俺は背筋がゾクゾクした。自分の意思でマナを動かす時はこんなことにはならないのに、他人のマナだと変な感じがするのは何で何だろうと思っていると間藤さんが驚いた表情で言った。


「もしかしてもうマナ感じた?」


「え、はい」


 俺はそっちが流してるのに何驚いてるんだと不思議に思ったが、じいちゃんが驚くぐらい俺のマナ感知は凄かったから人一倍なのか、ななどと思っていると間藤さんが俺にだけ聞こえる声で言った。


「君、凄いね。もし良かったら私のギルドに来ない?」


 突然のお誘いに俺は誰が見ても分かるほど動揺したが、間藤さんはそんな俺を落ち着かせて言った。


「ごめんごめん急にこんなこと言われても困るよね。でも、君にはそのぐらい天賦の才があるからこれから頑張ってね」


 俺は他の人がマナ感知にニ、三分程度かかるのに対して両肩に手を乗せた瞬間だったから何か言われるかなと思ったが、間藤さんがそれを隠すようにずっと手を置いていてくれたため周りの人にバレることはなかった。別にマナ感知ぐらいなら自慢してもいいだろうが、それが原因で魔法使い志望の人に嫌われたら嫌だから結果としては良かった。


 そこからしばらくして透の番になった。透は他の人と比べて終わるのが比較的早かった。マナ感知を終えた透はご機嫌な顔で俺たちの元に戻ってきた。


「僕、マナ感知結構いい感じだって!」


 俺たちは透に各々優しい言葉を投げかけた。透は魔法使い志望だからマナ感知が重要なため、マナ感知に長けていて一安心したようだった。三組の全員がマナ感知を終えて再び基礎戦闘術に戻った。他のクラスを見てみると、アイテムを使ったり魔法を使ったりしていて楽しそうだった。その様子に不満を覚えクラスの何人かは愚痴を漏らしていた。すると、塩田先生は俺たちだけに聞こえるように言った。


「お前ら、今はただの暇つぶしだ。他クラスみたいに無駄に体力を使う必要はない。それに、間藤さんから事前に話を聞いてるんだが、ここからぶっ通しでお前たちに魔法を叩き込むつもりだから少しでも疲労がたまらないように難しくなく、準備運動になる基礎戦闘術をやってるんだ。多分他のクラスの先生はあんまり危機感を持っていないんだろうが、初めて魔法を使うお前たちにとって結構心身ともに疲労が溜まるだろうからこうしてるんだ」


 先生なりの配慮があったのだと理解した俺たちはのんびりと基礎戦闘術をやっていた。ついに全クラスのマナ感知が終わり間藤さんが指示を出した。


「十分休憩をしたらみなさんに魔法を教えますのでその間みなさんも休んでください!」


 一体どんな授業になるのかと少しの好奇心と不安感を覚えつつ気持ちの整理を行った。十分休憩が終わり間藤さんが指示を出した。


「それじゃあ今から私の魔法をみなさんに叩き込みますので、必死でついてきてください。それではまず、先ほど感じたマナを自分の物にするところから始めます。先ほどの感覚を鮮明に思い出し杖を集中させてください。これが魔法を使う第一段階となりますので、これができない人は周りの先生に助けてもらってください。できない事は恥ではありません。そのできない現状をどうやって打開するかが重要です」


 俺はいつもの感覚でマナを杖に集めた。


「次は自分が使いたい魔法が杖の先端に現れるようにイメージしてください」


 俺が杖の先端に火を出現させると間藤さんがニコッと笑った。それから数分すると、何十人かは妙に魔法を出現させた。でも、俺を含めた八割が自分の杖を持っている人だったので、流石に一年生には厳しいかと思っていると間藤さんが続けて指示を出した。


「ここからは自分の魔法が出現させられた人たちをメインに指示していきます。他の人たちは、まず自分で魔法を出現させてください。そこからが魔法の始まりです。正直言って、私が教えられるのは今日だけですので多数は切り捨てて少数の出来る人たちを伸ばそうと思っています。多数のみなさんもゆっくり時間をかければ魔法は使えるようになります。ですが、今回は時間が限られていますのでゆっくり教えられません申し訳ないです。ですので、今後のために必死でメモしてください。必ず今後のためになります。魔法使いを目指していない人でも、いつか魔法を使おうかなと思う時が来た時のためになりますので聞いてください。それでは魔法を使える生徒は前に出てきてください」


 俺たちは間藤さんの周りに集まり、他の生徒はメモを取るために俺たちから一歩下がったところに集まった。


「それじゃあ始めていきます。まず、魔法には向き不向きがあります。それは使ってみないと分からないので今日は一旦置いておきます。その向いている魔法をどうやって伸ばすのかは一度言いましたが、何度も何度も実戦で使い死にそうになっても使い続けることです。この方法はどうしても時間がかかります。ですが、最も効果的です。じゃあ今から何をするのかと言いますと、私の爆発魔法を避けながら私に魔法を当ててください」


 俺たちは何を言ってるんだと間藤さんを見つめたが、間藤さんの目は至って真剣で俺たちは驚愕した。俺は流石に一年生にこんな事求めるのは酷だと言いたかったが、成長の機会を自分の手で潰すのは惜しいと質問をすることにした。


「質問いいですか?」


「どうぞ」


「間藤さんに魔法を当てろとのことですが、間藤さんは普通に避けるんですよね?」


「もちろんです。でないと意味がないので。それでは実戦場に向かいましょう。校庭をボコボコにするわけにはいかないので。安心してください。みなさんにはギリギリで当たらないようにしますし、威力もかなり弱くします。もし怪我をしても大丈夫なように保健医の松本先生にも同行してもらいます。他に質問はありませんか?」


「ちなみに間藤さんに魔法を当てたらどうなるんですか?」


 透が少し遠慮気味に聞いた。


「もし私に魔法を当てられたら烈火の鳳仙花から一つアイテムを贈呈します。ですが、私に魔法を当てるのはそう簡単じゃないのは分かってるよね? それに、私は防御もするからちゃんと当てないと当たった判定にはしない。まぁ、緩い実戦だと思って気楽に取り組んでください。でも、油断はしないように」


 俺たちは息を飲んだ。緩い実戦とは言え、俺たちに実戦経験なんてほとんどない。栄誉のダンジョンで逃げながらゴブリンに魔法を撃ったぐらいなので心配でしかなかった。すると、間藤さんはそれを感じ取ったのか俺たちに笑みを見せてくれた。でも、その笑みが何だか不気味な感じがして余計に心配になった。絶世の美女でも、時と場合によって笑顔が怖く映るんだと知った。


「健ちゃんは大丈夫?」


 透が不安そうな顔で言ってきた。正直言って大丈夫じゃないが、透をさらに不安にさせないように気丈に振る舞った。


「大丈夫だって。死ぬわけじゃないし、このぐらい乗り越えられないと攻略者になんてなれないって」


 俺の言葉に間藤さんが反応した。


「そうよ。みんな攻略者になるならこのぐらい朝飯前にならないとすぐ死ぬわよ。だから、小出くんと同じマインドで臨むように。もう一度言うけど、油断は決してしないこと」


 その一言でみんなにスイッチが入ったのか不安そうな表情だったのが少しだけマシになった。俺も頑張らないとなと自分に喝を入れて臨んだ。

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