111話 生徒会
生徒会選挙が終わり結果が発表された。俺たち以外の立候補者はおらず信任か不信任かの投票の結果は、五人とも過半数の信任投票の結果生徒会役員に就任した。クラスのみんなからは励ましと期待の言葉が送られてきた。俺たちはみんなの期待に応えるべく頑張ろうと意気込んだ。塩田先生からも当選を喜ばれた。塩田先生は俺たちのことをえらく気に入っており当選したのが分かると自分のことのように嬉しそうにしていた。今日の放課後、前任の生徒会役員の先輩たちから色々教えてもらい仕事を引き継ぐことになっている。どんな仕事があるのか気になる一方で部活に顔を出せる回数が減ってしまうのではないかとも思ってしまった。
放課後になり俺たちは生徒会室を訪れた。まだ前任の先輩たちは来ておらず待つことにした。中はこぢんまりとした教室のような感じでどんな用途で作られた部屋なんだろうと思った。元から生徒会室用だったのかななどと思っていると前任の先輩たちがやって来た。
「ごめんね。ホームルームが長引いちゃって。時間もそこまで無いし簡潔に説明するね。物の場所とかはすぐには覚えられないだろうからどこに何があるのかビニールテープで書いてあるからそれ見て。それじゃあ説明していくね」
前任の生徒会長がユースに説明をし始めた。その間俺たちは何をしておけばと思っていると、先輩たちが各々の仕事を説明してくれるらしくしっかり聞いた。副会長は男女の先輩で各々やっていたことを説明してくれた。主に会長の補助や他の役員の補助をしていたらしく、会長が休みの場合は会長の代理をするらしい。そんな感じで説明が終わったが、他のみんなはまだ説明を受けていたのでどこに何があるのかを説明してもらった。重要書類の管理場所やその他諸々の書類など簡単に教えてもらった。大体生徒会室に何があるのか把握出来た頃他三人の説明が終わった。
「ちょうどみんな終わったね。やらなくちゃいけないことは今説明されたことぐらいだから。正直言ってあんまり仕事無かったから引き継ぐものもないんだよね。でも、体育祭と文化祭やるなら大変だと思うけど頑張りなよ。大体のことは担当の先生が教えてくれるから心配しなくても大丈夫だよ。それじゃあ光正をもっと楽しく笑顔溢れる高校に出来るように頑張ってね。俺たちも応援してるから!」
先輩たちはそう言い終えると生徒会室を後にした。先輩たちから聞かされた内容を俺たちは擦り合わせることにした。その結果、去年の生徒会がやっていたことは選抜戦と校内選抜の管理運営と部活動や委員会の補助、意見箱に寄せられた意見による学校改善、校則、制度の見直しも行っていたらしい。俺たちの代からはここに体育祭と文化祭も増やすと考えると少し大変だなと感じた。そもそも体育祭と文化祭を増やすことは可能なんだろうかと思っていると生徒会室に塩田先生がやって来た。
「先輩たちから色々聞いたか?」
「はい。それより先生はどうしたんですか?」
「先生は今年度の生徒会顧問だから。分からないことがあればなんでも聞いてくれ」
塩田先生が生徒会顧問なら心強い。一年からずっと担任として接して来たからなんでも気兼ねなく聞けると嬉しい気持ちでいるとユースが言った。
「体育祭と文化祭はやれそうですか?」
いきなりの質問に驚いたが、塩田先生は冷静に答えた。
「それはお前たち次第だな。学校としては開催しても何の問題も無い。だが、体育祭と文化祭を開催する費用は保護者だ。全校生徒からお金を集めて行う以上説明する必要がある。生徒たちを説得するのは簡単だろうが、保護者は一筋縄ではいかない。保護者としてはなるべくかかるお金は安い方が良いからな。でも、子どものためならお金を払うのが保護者でもある。保護者の満足のいく説得はお前たちに求められている。保護者を説得出来て初めて体育祭と文化祭を開催出来るってことだ。十分に準備をしてからじゃないと保護者は納得してくれないだろうから今のうちから考えておくこと。後は熱意だな。まぁお前たちなら出来るなろうがな」
塩田先生の話を聞き俺たちは保護者をどう説得するか話し合いを始めた。塩田先生は俺たちの邪魔にならないようにと生徒会室を後にした。分からないことがあれば職員室に聞きに来るようにと言っていたので俺たちは特に気にすることなく話し合いを続けた。今の段階としては全校生徒にアンケートを取り体育祭と文化祭を開催してほしいかどうかを聞き、人が家庭あたりの負担額を算出し、体育祭と文化祭がもたらす人生経験の大切さ説明することになった。俺たちは早速行動に移った。アンケートと負担額、人生経験に分かれて作業をした。来年度からいない三年生にアンケートを取っても意味がないんじゃないかとなったが、アンケートの結果として母数が多い方がいいとなった。負担額としては千円以内とし、人生経験としては体育祭文化祭の一生の思い出になるため……というような感じで仮決定した。ひと段落ついたので今日は帰ることにした。これから忙しくなるだろうなと思う反面楽しくなるなと思うとワクワクが止まらなかった。
家に帰り父さんと母さんに生徒会副会長になったことと、いつメンのみんなも全員役員になれたことを報告した。二人ともホッとしたように良かったと言った。当選することの嬉しさより落選することの不安の方が大きかったのだろう。俺たち以外の立候補者がいなかったから余計落選したらと思うと不安だったのだろう。俺は生徒会の話題が出たついでに保護者説明会のことも話した。すると、父さんと母さんが説得出来るか判断してやるということになったのでやってみた。
「私たち攻略校生徒は将来攻略者になるために日頃様々な勉強をしています。実戦授業であったり攻略授業、選抜戦など普通科の生徒より毎日大変な思いをしています。そんな私たちの学校生活では息抜きとなるようなイベントは滅多にありません。二年生の修学旅行のみです。私たちはまだ高校生です。もっと思い出を作りたいと思うのは至極当然ではないでしょうか。そこで私たち生徒会は体育祭と文化祭を開催して全校生徒の思い出を作れるようにしてあげたいのです。もちろん保護者の皆様にはお金の問題もありますが、光正は昨年から入学者数が増え来年も増加する見込みです。したがって、一家庭が負担する額はそれほど多くはありません。どうか私たち攻略校生徒にも楽しい思い出になるような学校行事を行うことをご容赦ください。て感じだけどどうかな?」
「それだけ言えれば文句ないだろう」
「そうね。お母さんも普通に納得しちゃった」
二人は俺の話を聞いて絶賛してくれた。これなら説得出来るんじゃないかと自信がついた。じいちゃんたちにも聞いてもらおうかなと思っていたが、もう大丈夫だと思えた。とりあえずそのことをみんなにメールしておいた。みんなからは好感触な返信が返ってきた。今度、保護者説明会に向けて話す内容をみんなで決めることにした。俺は今のうちにさっき話した内容をざっくりとまとめて送った。体育祭と文化祭が実現に近づいていることが何よりも嬉しくニヤニヤが止まらなかった。
次回もお楽しみに




