105話 修学旅行六日目
修学旅行自由時間一日目の朝俺たちはユースと春奈からのモーニングコールで目を覚ました。俺のスマホにユースから勝のスマホに春奈からのモーニングコールがかかってきたのだ。俺たちは鳴り止まないモーニングコールに出た。
「起きた? 私たちもう準備出来るから一緒に朝ご飯食べるよ。限りなく無駄な時間は減らしたいから協力してよね」
ユースはそれだけ言うと電話を切った。俺たちは顔を洗い寝巻きを脱ぎ私服に着替えた。そんな時部屋のインターホンが鳴った。勝がドアを開けるとユースと春奈の声がした。
「もう準備出来た?」
「早く行くよ」
二人のいつにも増して積極的な態度と行動に慣れないでいたが、俺たちは少し時間を貰い荷物の整理などを行った。俺たちが準備を終えるとユースたちはもうバイキングに行ったようだった。俺たちも向かうと学年全員が急ぐように朝ご飯を食べていた。みんな自由時間楽しむために必死なのだなと思いながらバイキングの列に並び朝ご飯をとった。ユースたちを見つけ席についた。
「改めておはよ。ちなみに予定表見てないから聞くんだけど、今日どんな感じで一日観光するの?」
俺が聞くとユースが答えた。
「朝の早い時間帯に首里城行って、国際通り行って食べ歩きして、識名園って言う庭園に行って、波の上ビーチっていう所で浜遊びする。海水浴するのはエメラルドビーチで。晩ご飯は店舗の沖縄そば食べようかなって。大まかな流れはこんな感じ。移動は決めてないからバスでも歩きでも。個人で風魔法で移動するのが一番早いんだろうけど、それだと風情がないというかせっかくの旅行なのに勿体無いからね」
ユースの言葉に激しく同意した。せっかくの旅行で移動に風魔法を使うのはお金がかからないし早く移動出来るからとメリットはあるのだが、やはり旅行なら歩いてその土地の土を踏みしめてここにはこんな建物があるんだと発見を見つけることも楽しみの一つだろうから、風魔法での移動なんて野暮なことはしない。そんなことを考えてると透がユースに聞いた。
「それじゃあ朝ご飯食べたらすぐ出発?」
「ええそうよ。だから、モーニングコールして起こしたの。明日もするからちゃんと起きてよね」
明日もモーニングコールされるのかと億劫に思ったが、明日を楽しむためにしてくれているのだと口にはしなかった。言ったところで誰もいい気分にはならないし余計無駄なことは言わないようにと思った。俺たちが朝ご飯を食べ終えそうになった時鷲田先生が俺たち生徒に向かって言った。
「楽しい二日間にしてほしいですが、羽目を外しすぎないように。迷惑をかけるようなことはしないように。夜はホテルに戻ってくるように。明日の帰りの便に間に合うように。これらのことを守り二日間の自由時間を楽しんでください。それではいってらっしゃい」
鷲田先生の話が終わると朝ご飯を食べ終えていた生徒たちがホテルから出て行った。俺たちも食器を片付け首里城に向かった。ホテルから首里城はそこまで遠くない場所にあるので歩いて向かった。道中未だ見慣れぬ街並みにテンション上がっていると勝が喉が渇いたと言い自販機でさんぴん茶を買っていた。味は苦味も渋みもなく飲みやすいらしい。自販機でさんぴん茶を買うという沖縄でしか出来ない体験をしながら歩いていると時間が経つのはあっという間でもう首里城が見えてきた。
首里城の中に入りその大きさと精巧さに見惚れているとユースが写真を撮ると言い俺たちを並ばせた。俺たちは各々ポーズを取り写真を撮った。母さんにもその写真を見せたいなと思いユースに後で写真を送ってもらうように頼んだ。ユースは快諾してくれ写真をメールで送ってくれた。首里城をひとしきり楽しんだ俺たちは心残りがないようにした。首里城を後にした俺たちは国際通りに向かうことにした。首里城から国際通りまでは沖縄市のモノレールで行くのがいいと分かったためモノレールに乗り込んだ。那覇市を眺めながらモノレールに乗っていると春奈が景色を楽しんでいた俺と勝、透の三人を写真に収めた。俺たちは一瞬驚いたが、笑顔でカメラを見つめ写真を撮った。しばらくモノレールに乗っていると国際通り近くまで来た。モノレールを降り国際通りに着くと、その楽しそうな雰囲気と和気あいあいとした人たちが目に映った。俺たちはその光景に自然と笑みが溢れた。早速国際通りを満喫することにした。
国際通りには本当に多種多様なお店が建ち並び全てのお店で買い物をすることは不可能だ。でも、そうとは分かっていても全てのお店により何かを買いたいと思わせるほど魅力溢れる店舗が多い。お金は限られているためしっかり吟味してお土産を選び食べる物も本当に食べたい物を選んだ。美味しいものを食べお土産も買い大満足で国際通りを後にした。次の識名園まではバスで向かった。しばらくバスに揺られていると識名園に着いた。識名園はのどかな場所で心休まるという感じだった。侘び寂びというか一息入れたくなるような感じで俺たちはゆっくりと時間が経つのを忘れてのんびりとした。しばらく心落ち着かせ心身ともに休憩させ識名園を後にした。浜の上ビーチまではバスで向かった。かなりの時間バスに揺られているともう日が暮れそうな時間帯になってきた。浜の上ビーチに着いた俺たちは残りの時間を余すことなく楽しむことにした。
俺と勝は靴を脱いで靴下を脱ぎズボンを捲り海水に触れた。夏も終わりかけているとは言えまだ暑い日だったので海水の冷たさが沁みた。俺たちはしばらくビーチを楽しんでいるといつの間にか日が水平線に近づいていた。その光景は美しい一言で表せるものでなく、様々な感情が溢れてきた。テレビなどで似たような光景は見たことはあったが、生で見るのは全然違い感動した。日が沈むまで俺たちは黙ってその光景を眺めていた。周りにいた人たちも黙ってしまうほどの光景が過ぎ去ってしまった。
「終わっちゃったな」
「そうね。沖縄そばどうする?」
「なんかお腹いっぱいだわ」
みんな俺と同じだったらしく沖縄そばは明日行くことにした。ホテルに戻った俺はしばらく今日の思い出を振り返った。目を瞑り今日一日の光景を思い浮かべながら首里城綺麗だったなや国際通りであれも買えば良かったなと思っていると勝と透が風呂に行こうと言ってきた。俺は二人と風呂に入りながら今日の感想を語り合った。クラスの男子たちとも話し合いどんな場所に行ったのかを話し、時間を忘れ話し込んでいるとのぼせそうになったので急いで風呂から上がった。風呂から上がった後もしばらく話すためにロビーで話し合い夜も明日はどこに行きたいかなどを話し合い時計は午後十時を刺していた。ユースから電話がかかってきたので出ると早く寝るようにとそれだけだった。俺たちはクラスのみんなに断りを入れて寝ることにした。クラスのみんなよりユースと春奈を怒らせる方が怖いからだ。
次回もお楽しみに




