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アルカディアリベル  作者: 描空


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101話 修学旅行二日目

 修学旅行二日目の朝前日の夜中まで枕投げなどをしていて夜更かしをしていたため朝起きるのが遅くなり塩田先生に怒られてしまった。朝のバイキングに眠い目を擦りながら向かうと春奈とユースにくすくすと笑われながら夜更かしするからよと言われてしまった。春奈とユースには俺たち男陣がどんなことをするのかまで予測出来ていたのだろう。まぁ男子と言ったらというようなことしかしていないので誰でも予想はつくだろうが、俺たちはそれを悪びれるほど大人ではない。バイキングの列に並び朝ご飯をよそい春奈とユースが座っている場所に座った。


「今日の予定見た?」


 ユースの問いに俺は首を横に振った。


「見てないの? 今日美ら海水族館行くんだよ。午後からはジャングリア沖縄に行って遊ぶんだって。ホテルに戻ってから明日からのマングローブ林のダンジョンの説明するんだって」


「そっか。今日はダンジョン前のリフレッシュっていうか最後の晩餐みたいな感じか」


「最後の晩餐って……死ぬわけじゃないんだし、三日間のダンジョン攻略終わったら二日間の自由時間あるんだからそんな卑屈になることないって」


 俺の返答にユースが励ますような同情するような口調で言ってきた。そんなつもりで言ったわけではないのに何だか変な雰囲気にしてしまった。


「別にダンジョンが面倒とかそんなつもりじゃなくて、適当に言っただけだからそんなに真に受けないで。それに、俺がダンジョン攻略面倒くさがる訳ないじゃん。何ならどんなダンジョンなのか、どんなモンスターがいるのか気になってるし」


「そうよね。健斗ほどの実力者が初めて行くダンジョンに興味ないわけないもんね」


「そうそう。ユースも楽しみだろ?」


「もちろんよ。でも、今日はのびのびと沖縄を楽しむことに集中するわ」


 そんな話をしながら朝ご飯を食べ終え今日の準備をするために部屋に戻った。色々準備をしホテルのロビーに向かうとクラスの半数ほどが集まっていた。他のみんなはまだ準備に時間がかかっているのだろうと気長に待った。少しすると徐々に集まり始め塩田先生の指示でバスに乗り込んだ。美ら海水族館までは距離があるためそこまで時間厳守ということではなく、そんなに忙しく集まったりはしなかった。各クラス揃いバスに乗り込んだようでバスが美ら海水族館に向かって出発した。しばらくバスに揺られながら沖縄の街並みを眺めていると隣に座っていた透が話しかけてきた。


「何か面白いものあったりした?」


「面白いものは特にないけど、普段見ない街並みだからただ眺めてるだけでも結構面白いぞ」


「本島の方じゃ見ない植物とかもあるしね」


 そんな会話をしながら沖縄の街並みを眺めつつ美ら海水族館までの道のりを楽しんでいると、どこからともなくかなり近いところを飛行機が飛んでいるような音が聞こえてきた。俺たちは何だ何だと空を見上げると、米軍基地の軍用機が飛んでいるのに気がついた。沖縄ならではの光景に驚いた。本島でも自衛隊の車両などは時々見かけるが、それ以外の物を見ることなんてイベントの時ぐらいしかないのに、沖縄は米軍基地があるから日常化しているのだろう。しばらくバスに揺られていると眠くなってきたので睡魔に任せて眠ることにした。


「健ちゃん起きて」


 透に起こされ目を覚ますとどうやら美ら海水族館に着いたようだ。寝ていると本当に一瞬で時間が過ぎるため理解するのに少しの時間を要した。俺は荷物を持ちバスを降りた。少し歩き美ら海水族館の入場口に向かった。入場口の手前にある広場にはジンベイザメの置物があり美ら海水族館に来たんだなと実感出来た。母さんに送るためにそのジンベイザメの前でみんなと写真を撮り中に入った。水族館に来ること自体かなり久しぶりであったためこんな感じだったなと思いつつ楽しんでいると、美ら海水族館のメインと言っても過言ではない黒潮の海というとてつもなく大きな水槽のところにやって来た。その中ではジンベイザメやマンタなどが優雅に泳いでおりとても幻想的だった。


「写真撮ろうよ」


 春奈の申し出に俺は黒潮の海を背景にどれだけ大きいのか分かるように画角を調整して写真を撮った。しばらくぼーっと眺めていると勝が先に行くぞと声をかけてきた。俺はみんなの元に向かった。みんなと水族館内をくまなく見て周りお土産も買った。昼時ということもありお腹が空いた俺たちは昼ご飯を食べた。次はジャングリアかと楽しみにしていると美ら海水族館の終わり時間が近づいてきた。俺たちは少し早めにバスに戻り何が凄かったとかどの水槽が気に入ったと感想を語り合った。しばらくしてバスが出発した。次はジャングリアだと心躍らせているとあっという間に着いた。美ら海水族館とジャングリア沖縄はかなり近く本当にあっという間だった。俺たちはジャングリア沖縄について全然知らなかったためとりあえずどんなアトラクションがあるのか調べてみた。どうやら自然を活かしたアトラクションが多いようで普通のテーマパークとは違っていた。


「どれから行く?」


 勝の問いに俺たちは互いに行きたいものを提示し合いじゃんけんで勝った順に行くことにした。その結果透、勝、春奈、ユース、俺の順番になった。

 透はツリートップレッキングというジャングルの上に設置されたアスレチックのような足場を進んでいくものだった。早速向かい体験してみると、ジャングルの綺麗さと自分たちがかなり高いところにいる恐怖感の両方が楽しめ不思議な感情になった。

 次は勝のバギー体験だ。バギーに乗ること自体初めてで出来るか心配だったが、そんな心配はいらなかったと後悔するぐらいとても楽しかった。バギーの駆動を肌身に感じオフロードを走る爽快感が心地良かった。

 次は春奈のダイナソーサファリだ。これはティラノサウルスから逃げる体験が出来るというもので、車両に乗り込みジャングルの中をティラノサウルスに追いかけられながら駆け回るスリリングな体験だった。

 次はユースのタイタンズスウィングというもので巨大なブランコに乗りその高さを楽しむというものだった。男女で分かれて乗ってみたが、思っていた以上に高く早くスウィングするのもだからかなり驚いた。

 最後は俺のヒューマンアローだ。文字通り弓矢のように引っ張られ飛び出すという体験ができるものだ。風魔法で疑似体験できるが、やってみたいと思い試してみた。思っていた以上に待機している間は怖かったが、飛んでみるとスピードと風を切る感じが爽快感があり何だかスッキリした。みんなも体験してみたが、人によって楽しさには個人差があった。


 ジャングリア沖縄を楽しんでいると集合時間が近くなり俺たちはバスに戻った。結構ギリギリの時間だったため俺たちは急いでバスに乗り込んだ。バスが出発しホテルに戻った。ホテルのロビーで鷲田先生からの翌日のダンジョンの説明が始まった。


「明日のマングローブ林のダンジョンについて簡単に説明する。ダンジョンはその土地の生態系であるため本島とは異なったモンスターがいるのは調べてくれている人が多いだろう。したがって、いつもと同じ感覚で挑むのは賢いとは言えない。常に警戒心を持ちどんなモンスターがいるのか予想して攻略するように。今回は地域によってダンジョンの違いがどれだけあるのか知ってもらうために行う。どれだけモンスターを討伐したかなどは求めない。みなさんの知識として蓄積してもらうことが目的なので、攻略授業ほど全力でなくても咎めない。攻略より知見を得ることを目的として様々なモンスターと戦ってみて欲しい。それではお腹が空いていると思うので晩ご飯を食べてきてください。そして、今日はしっかり寝ること。以上です」


 俺たちは早速バイキングで晩ご飯を堪能しお風呂に入りゆっくりと過ごした。明日のダンジョン攻略に向けてみんな夜更かしはしたりせずしっかりと鷲田先生の言いつけを守っていた。

次回もお楽しみに


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