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アルカディアリベル  作者: 描空


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100話 修学旅行一日目

 今日は待ちに待った修学旅行当日空港から沖縄に行くためかなり早朝に出発するとのことで午前五時学校に集合した。いつメンで集合してから学校に向かうと学校にはもうかなりの数の同級生たちが集まっていた。みんな余程楽しみにしているのだろう朝五時なのにみんなテンション高くなっており嬉しそうな表情を抑えられていなかった。話をしている最中もワクワクが止まらないようでずっとソワソワしていた。周りで待機している同級生たちもソワソワしており出発の時間を今か今かと待ち侘びていた。少しの間待機しているといつも通り鷲田先生が俺たちの前に出て話を始めた。


「全員集まったので今からバスに乗り空港まで行きます。気をつけることはいくつかあるのでしっかりと聞いてください。朝とはいえ一般の利用者の方もいるので空港では静かにすること。なるべく早く沖縄に行くために迅速に行動すること。無駄な行動、時間はなるべく省いているので集団行動を乱さないこと。これはみなさんのためです。光正のせいで飛行機が定刻通り飛べないなんていうことにならないために規律を乱すような行動は慎むこと。それではバスに乗り込みます。みなさん楽しい修学旅行にしましょう」


 鷲田先生の話が終わると各クラス今まで見たこともないほど迅速に行動しバスに乗り込んだ。みんなの期待や待ちきれないという気持ちが小さな子どもを見ているかのように思えるほどすぐに理解出来た。表情といい足取りといいどれを取ってもテンションが上がっているのを隠せていなかった。それはユースたちも同様でその様子に笑みが溢れてきた。


「何が面白いの?」


「いや何でもない」


 春奈が俺に問うてきたが、俺は微笑みながら答えた。春奈は一瞬疑問に思ったのだろうが気にしていないようだった。俺たちもバスに乗り込み空港へと向かった。バスが出発してしばらくすると、話している声がちらほら聞こえてくるぐらい静かになった。みんな慣れない早起きとバスに揺られることで睡魔に負けてしまったのだろう。いつメンのみんなはどうだろうと思い見てみると、みんなスイッチが切れたかのように眠っていた。その様子も何だか微笑ましく思えたので写真を撮った。何となく母さんにその写真を送ってみると、みんなすやすや寝ててかわいいと返事が返ってきた。母さんにも修学旅行楽しんでるのを見せるためにもいろんな写真を撮ろうと決めた。


 四十分ほどバスに揺られていると空港に着いた。俺はみんなを起こした。みんなすぐに目を覚まし荷物を持ちバスを降りた。先生たちの先導に続き空港に入った。普段訪れない空港に興奮したが、立ち止まっている時間なんてなく搭乗口に向かった。手荷物検査を終え搭乗口で飛行機が来るのを待っていると鷲田先生が指示を出した。


「飛行機が来るまで少し待ち時間があるので今のうちにトイレを済ませておくように。待ち時間だからと言って騒ぎ過ぎないように」


 鷲田先生の指示に従い各々行動し始めた。トイレに行く者や搭乗口から外を眺める者スマホを弄っている者友達と話している者など様々だった。しばらく飛行機が来るまで待っていると再び鷲田先生が指示を出した。


「飛行機が到着したようなので移動を始めます。一般の利用者の方に迷惑にならないように静かに移動します。それと、通路で広がって歩いたりしないように」


 俺たちは飛行機に乗り込んだ。エコノミークラスだが、そこまで窮屈に感じない座席の広さにこんな感じなんだと思い飛行機が離陸するのを待っているとCAさんが話を始めた。国内線だったことと沖縄までという短い距離なため非常事態の際に降りてくる酸素マスクやシートベルトの説明だけがされた。いよいよ離陸となりシートベルトをして待っていると、ジェットコースターの加速している時のようにかなりの重力を感じた。機内にある物がその重力と加速でガタガタと轟音を轟かせ、飛行機が風を切る音が耳をつんざくほどうるさかった。クラスの女子は初めての体験に少し怖がっていたが、俺を含め男子はとても楽しそうしていた。離陸し飛行機が安定するとさっきまでの轟音が嘘かのように静かになった。初めて飛行機に乗った俺たちが感想を語り合っているとユースが言った。


「健斗なら頑張れば飛行機より速く飛べそうだけどね」


「いやいやさすがに無理だろ」


 ユースの言い分を否定すると、ユースは反論してきた。


「今までとてつもない魔法見せといて説得力ないって。雷魔法撃つ時ぐらい風魔法にマナ使ってないからそう思ってるだけ」


「そうか。ユースがそこまで言うのならそうなんだろうな」


「そうよ。もっと自分がどれだけ凄いか自覚しなさい」


 褒められているのか怒られているのか分からない言い方に不思議な感情を覚えた。飛行機が飛んでから少ししたら塩田先生が修学旅行のしおりを配ってくれた。中には何をやるのか、どのぐらいの時間が確保されているのかが書いてあった。パラパラっと見ただけでしおりは閉じた。全部見てしまったら楽しみがなくなると思ったのだ。そのまましばらく飛行機の中でみんなと話しているとあっという間に沖縄に着いてしまった。思っていた以上に短いフライトに少し満足感が足りないように感じた。飛行機から降りて那覇空港に入ると、所々に南国を思わせる植物や看板がありついに沖縄に着いたんだと実感出来た。空港内を少し進み開けた場所に出ると鷲田先生が次の指示を出した。


「これからバスに乗りホテルに必要な荷物以外を預けてから平和記念資料館に向かいます。その後平和記念公園でガイドさんから公園と戦争の歴史についてのお話を聞きながら公園にある平和の(いしじ)などを見ます。その後はアメリカンビレッジに行きホテルに戻るまで自由に過ごしてもらいます。詳しくはしおりに書いてあるので時間の確認などはしおりで確認してください。それではバスに向かうのできちんとついてくるように」


 鷲田先生の先導でバスに向かい乗り込んだ。しばらくバスに揺られホテルに着くとスーツケースをホテルに預け平和資料館に向かった。平和資料館では戦争の資料と施設の方の講義を聞いた。修学旅行っぽい内容に少し不満に思ったが、今日が過ぎれば後は楽しい内容ばかりだと思い耐えた。平和記念公園も散策しアメリカンビレッジに向かった。一日目の自由時間となり俺たちはまず昼ご飯を食べることにした。ハンバーガーを食べアメリカンビレッジを楽しんでいるといつの間にか自由時間が終わりそうになっていた。いろんな小物やアメリカっぽい物を買ったりしていたらもうそんな時間かと集合場所に戻った。バスに乗り込みホテルに戻るともう晩ご飯の時間だった。夜はホテルのバイキングということで俺たちはゴーヤチャンプルや沖縄そばなど沖縄グルメを中心に堪能した。最後の二日間の自由時間に食べる物の参考になった。バイキングが終わりお風呂の時間になった。みんなと大浴場で裸の付き合いをし夜は枕投げや隣の部屋に行ったり青春を楽しんだ。三人部屋なため俺、勝、透もクラスのみんなと一緒に隣の部屋に行ったりして楽しんだ。塩田先生には早く寝るように怒られたが、そんなことするはずもなく深夜になってようやくみんな眠りについた。

次回もお楽しみに


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