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9/13

私は

その日は急に看護師が私の部屋に来た。いつもと同じ明るさでいつも通りに安心した。だけど車イスを持っている…数日前にあんだけ散歩はもう嫌だといったはずなのに…。また外に出されると思って首筋と手のひらに汗をかいた。

「平河さん、森先生が会わせたい人がいるらしいので来てもらえませんか?」

森先生が?誰だろう?もしかして…私の親?いや…だって前お見舞いすら最近来てないって聞いたはず…けど…もし本当に親だったら心配もしてくれなかったし素直に喜べる気がしない…。そんなことを考えながら車イスでその人の部屋についた。

「森さん、連れてきました。」

「はい、どうぞ」

そうゆうと看護師がドアを開けた。すると目の前には明るい光が私の目に直撃してきて反射的にうつむいた。うつ向いていると森さんが私の説明をする声がした。

「どうも」

と、森さんではない声がした。顔を上げるのはまだ難しかったが目だけ声の方に向けるとベットに座っている男性がいた。年齢は私よりは上そう、森さんがこの人と私を会わせたい理由がわからない…。そんなことを思ってたらその森さんの声がした。

「彼女をここへ連れてきた理由なんですけど…」

一体何なのだろう?この人は私の何なのだろう?

「彼女も新道さんと同じ橋で記憶喪失になっているんです。」

…この人と私は同じ場所で記憶をなくしているの?


この病院に来て始めてめを覚めたときここがどこなのかわからなかった。体は動いてすぐ起き上がれた…けど足が動かない。感覚がわからない。

足が動かないのでパニックになっていると、森さんが来て私の名前を呼んだ。けどその時は私は自分の名前もわからなかった。そして開口一番「誰ですか?」といっても森さんは青ざめた。その後は小学生の時に習った九九問題や基本問題を出された。けど急に親の事や自分の事を聞かれた。そして言われたのは記憶喪失という言葉。私は何があって病院に運ばれたのか色々聞いて森さんはちゃんと答えてくれたけど少し重そうな口を開いて私が驚愕する言葉を言ってきた。それは元々この病院の患者だった事…そして…癌だということ…しかも結構深刻化している…それから私の視界は真っ暗になった。

何も考えられない何も考えたくない…自分勝手だとは思うけど今ぐらいは許してよ…私何も悪い事してないでしょ…看護師には強く言ったり森さんを部屋から追い出したり…。だけどこんなに私が酷くしても看護師や森さんは私に優しく接してくれた。嬉しかった。数日八つ当たりとかしてた自分が馬鹿みたいで看護師ってすごいな…病院の先生ってすごいなってなった。だから今は改めて治療とかに専念してる。


私が見つかったのはここから近い橋の上らしい…記憶をなくしたのは転けたからではないのかと言われた。やっぱり足はもう動かないのかな?転けて結構衝撃を受けちゃったのかな?それだけを考えると視界が滲んできた。真っ白な布団に涙が落ちて滲んでいる…けど私はここに来て始めて泣いた気がする。

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