リハビリ
あの金木犀の奴から三週間が経った。あれからあんな夢みたいなのは見ていない、いや…見ない方がいいかもしれないが、けど次にあんな夢に入ってもすく覚めることが出来る。それはなぜかと言うと腕が動くようになったからだ。この三週間色々な動きに挑戦しているうちに物を掴んだりする基本的動作は出来るようになった。まぁ起き上がるには看護師の支えが必要だけど…、口の方は大に関節くらいまで動くようになった、声も出て「はい」と「いえ」だけ言える。だからあの看護師が来ても「はい」って言えるんだけど…少し変にタイミングが悪くて…
ふと、目を時計に向けると十二時過ぎ…そろそろ看護師の来る時間かな…と思っていると、
「新道さ~ん!お昼ごはんの時間でーす。」
そう、この看護師は人がはなせるようになってから疑問系を使うのをやめた、いや?タイミングが悪かった、の方が言い方的にはいいな…
「今日は噛む練習ということで!お野菜ホロホロスープでーす。」
なるほど、朝まではまだマシになったお粥だったが少しレベルアップって事か、スプーンは掴めるんだけどすくうのがな…少しねっとりしてたお粥は最近すくうコツを掴んできたが液体系に変わって難しいな。そして野菜をゆっくり口の中に入れた直後に声がした。
「少し良いかな?」
この声は森さんだ。
「あ!森さんどうしましたか?」
「あぁ、新道さんにはなしがあってね。」
俺にはなし?一体何のはなしだろう?
「最近は上半身が動くようになって来たから
早めにリハビリのはなしでもしとこうと思ってね」
そっか…最終的にら歩けるようにならないと行けないのか…
「まぁ、最速ではないしまだタイミングも早いと思うから、けど時期にするから覚悟しといてね」
と、森さんは笑いながら出ていった。そして野菜を一口口にいれて考えた。まだ看護師の支えがないと上がれないけどキツそうだから早めになれてた方がいいのか?頭のなかで早めにする声とまだしなくて良い声が天使と悪魔のように囁いてくる。
「まだ良いとは思いますよ~」
看護師がそういった。
「こんな言い方は駄目かもしれませんが新道さんは腕は動くけど自分を支えるほどの力はまだありません。なので今からリハビリをしても転けてばっかだと思いますよ。」
この看護師にこんな正論をぶつけられるなんて予想もしてなかったから、すごくビックリしている。
いや、これも失礼のうちか?いや、お互い様だな。
だが、この場合はなんて答えるのが正解なのかわからないし、言える選択肢は二つしかないから「はい」と、答えることしかできなかった。
「あ!そうだ!リハビリで思い出した!」
看護師がそうゆうと昼食と一緒に持ってきたローラー付きの台から一冊の本を出した。
「腕を動かすのに良いかなって思ったんですけど、新道さん本読みますか?」
本か…そういえば自分って本を読んでたのか?
「個人的にこの本は好きなんですけど…共感してくれる人がいなくて…腕のリハビリついでにどうですか?」
と、ベットの上の机に本を置いた。何だか気を遣わせてる感じだが、本も気になったので読んでみるとこにした。
「じゃあ!今度感想聞かせてくださいね!紙とペン持ってくるので!」
と、笑顔で出ていった。そんなに理由をつけるまでだらかと共感したかったのか?そう思いながら本の表紙に目を落とした。『愛してるの意味 上』
タイトルからして恋愛系?しかも上ってことは続きがある?気になって本に手を伸ばした。
君は理解してくれない…ずっと望んでた事を…ただの私の一方的な片想いだったの?それだったらあの言葉の意味は?本当に友達としてだったの?
プロローグからして何かの事情がある?それからストーリーを読んでいくと、やはり恋愛ストーリー。
ただストーリーの内容は読者も本の中にいるキャラクターも混乱する内容。主人公の好きな男の子の発言や行動…それに対しての恥ずかしさ…そこまでは良かったが…告白の流れになって主人公が思いを伝える……何だかここまで見るとタイトルともマッチしてて良いとは思うが意味がわからない。どうしてなのだろう?なんで?何て思ってページを開こうとするが腕がジンジンと痛くなってきた。前森さんに無理はするなって言われた…タイミングが悪いなぁ~そして自分がその本を開くのは晩ご飯の後だった。




