頬の痛み
ピ、ピ、ピ、
何かの機械音がした。それと同時に眼を開くと物凄く眩しい光が目に入ってきた。けどすぐに目を開けるようになったが、ここは何処だろう?と、真っ先に思った。今見えるのは白い何かだけ。それと頭がとても痛い。後頭部辺りに思いっきり稲妻が走ったかのようにズキズキを超えてガンガンする。そう思っているとコツコツと何かがこっちに迫ってくる音がした。次にシャーと何かが動く音。そして自分の視界に誰かが入ってきた。
「あ!おはようございます新道さん。体調はどうでしょうか?」
女性の声?明るくて大きい…この声は頭にくるな…だか今はそんなことより聞こえた声の質問に答えないと、その人の聞かれた事に対して何か答えようとしたけどた。けど口が動かない。ただ黙ってその人を見ることしかできない。
「ちょっと松本さん!新道さんは麻痺してるからはなせないわよ!」
さっきの人とは違う声が小声で言っていると思うが自分にははっきり聞こえた。
「新道さん、お目覚めになられましたか?」
さっきの人達とは違う野太い声がした。音この人の声か?
「えーっと、では簡単に新道さんの容体について説明さして貰いますね。新道さんは二日前橋から落ちて、頭が石にぶつかり全身麻痺状態なんです。」
橋から落ちた?全身麻痺?全然頭の整理が追い付かない。
「けど安心してください。少ししてリハビリをしていけばまた歩けるようになりますから。」
少しって絶対数日ではないだろ、と心の中で呟いた。
「では、また来ます。」
そうして、シャーという音がした。リハビリってことはここは病院?色々なことが頭にはいってきて混乱していき余計に頭が痛くなってきた。どうして自分は橋から落ちたのか?その理由ですら思い出せないのに。
パチン
痛々しい音が響き渡る…だがその痛々しい音は俺の頬からだろう。そう思ったのは頬を思いっきり叩かれた感覚があるからだ。
「どうしていつもミスばっかなんだ!」
とても大きい声が自分の耳に入ってきた。目を開くと五十代後半くらいの男が偉そうに椅子に座って肘をつきこっち睨んでいる。多分自分の頬を叩いた直後かもしれない。何が起きているのかがわからなくて、自分は辺りを確認しようとすると体が勝手に動き、その男に頭を下げていた。だがまた頬を叩かれた。
「無愛想で仕事もできない!おまけに嫌われものが何でこの会社に雇われているんだ!社長も社長でこいつを採用した意味がわからない!」
社長…つまりここは何かの会社?つまり自分がここに居るってことは自分はこの会社の社員?そしてこの人は一体?だが、さっきまで見ていた病院は夢?自分は寝てたから怒られたのか?
「いいか!明日の朝までに全部やり直さないと上に言いつけるからな!」
さっきより大きい声がまた俺の耳に入った後、無意識に足が動いて一つののデスクについた。デスクの上には栄養ドリンクやコーヒーの缶が大量に置いてあった。捨てに行こう空き缶に手を伸ばそうとしていたら椅子に手がついて椅子に腰掛けていた。そして目の前にあるパソコンを起動させると『○○会社との契約案件』と書いてある明らかに重要な資料があった。役割や予算…口では言えない内容がズラリとあった。だか俺の手はパソコンのキーに向かっていて一つずつ文字を消していた。多分怒られたのはこの事なのかもしれない。ゆっくり一文字ずつ消している。多分少しでも時間を稼ぐためだろう。なぜかわからないけどそう思った。
ちょうどテキストの半分まで消した時視界が一気に暗くなった。まばたきをしたからなのかと思ったけど長いし自分では開けない…目蓋に重いおもりが乗っているようだ、
しばらくすると目蓋の重みもなくなって開けるかと思ったが何かが違う違和感を覚えた。さっきまで振れていたパソコンの感覚が消えたからだ。恐る恐るゆっくり目を開いた、次は何処に居るのだろう?と思ったが急に目に眩しい光が入ってきた。それは最初に居た病院の光のような…いや…ここは最初に居た病院の天井だ。
白くてなにもない天井。俺はまた寝てしまったのか?どうしてまた同じ夢なのだろう?早く夢から覚めないと、と顔をつねろうと思ったがこっちでは体が全身麻痺だったんだ。また覚めたら叩かれるかもしれない、無意識に恐怖感を抱いた。
早く起きて現実に戻りたい。




