9 教会の像
翌朝目覚めたセレフィオーネは心配そうにエノーラを見た。
「あら、セレフィオーネ目が覚めたのね」
「うー!あー!(大丈夫??)」
「フフフ。ご飯かしら?オムツからしら?今日は母様とランと共に神様の像がある場所に行きましょうね」
うーん…?から元気ではないみたいだが、何時も通りでなんとも言えないな。自分の心情を赤ん坊には見せないのかも…。
それからランが来てご飯を頂いてからオムツ交換をされて着替えをさせられた。
「ラン、申し訳ないんだけどこの布袋の数々を馬車にこっそり運んでくれないかしら?それから私とセレフィオーネと共に教会の廃墟に行って欲しいのだけど。それと朝食に行って来るからセレフィオーネをお願いね」
「かしこまりました」
昨日、目が覚めてから思い経ったエノーラは装飾品の数々を纏めておいたのだ。
朝食を食べ終えたエノーラは部屋にやって来てセレフィオーネを抱っこして出掛ける準備をした。
「母様何処かに出掛けるのですか?」
子供達を代表してエディーノがエノーラに質問した。
「えぇ、少し用事があるのとセレフィオーネの服を買いに行くのよ。貴方方は先生が来てお勉強でしょ?将来の為にセレフィオーネの立派なお兄様になる為に頑張りなさい。お父様もいらっしゃるから安心でしょう?」
「そうですね!頑張りますから速く帰って来て下さいね!」
「僕も頑張ります!」
「僕もです!」
「僕も!」
次々と子供達はエノーラに宣言してから部屋に戻って行った。
それからエノーラとランは馬車に乗り込み廃墟の教会へと向かった。勿論護衛は付けずに。ただどうしても馬車に乗らないといけないので御者は公爵家からの者だったのでエノーラは溜め息を吐き出した。
廃墟の教会に着きエノーラとランは中に入って行った。神様の像がある場所でエノーラは昨日考えた事を祈りながら神様に伝えた途端に眩い光が辺り一面に広がりまた白い空間にエノーラはいた。今回はランも一緒である。エノーラの腕の中のセレフィオーネもだ。
「覚悟は決まった様だな」
「はい!昨日考えてみたら偽りの自分を演じていた事に気が付きました。愛等と言っていましたが私は愛されていると思いこもうとしていただけで私はダレルを愛してはいなかったのだと。今はダレルもダレルにそっくりな子供達にも憎悪と嫌悪感しかないのです。血の繋がった母なのに自分は酷い人間だと自分自身にも嫌悪感しかないです。けれどこんな自分にセレフィオーネは生きて欲しいと神様に願ってくれた…。もう偽る事を辞めて全て捨ててセレフィオーネと共に生きたい!それが私の全ての願いなのです。そして神様にお願いがあります。私の魔法を子供達に継がせないで欲しいのです。」
「ふむ。そなたはダレルのせいで大好きな剣を辞め魔法を使う事も禁止されてたのだな…。自身に嫌悪感を抱く必要はない。そなたはセレフィオーネを預けても良いと考える位には魂が澄んでいるのだから。悪いのはエノーラの周りのせいであってそなたのせいではないぞ。魔法の事は承知した。そなたは空間魔法を使えるであろう?」
「はい。後発的に使える様になりましたが魔法を禁止されていたので…」
「空間魔法は空間収納つまりはアイテムBOX空間に物を仕舞える事が出来る。空間転移や空間認識も出来るぞ。まぁ、魔法を禁止されていたのだからこのマジックバックをやろう。アイテムBOXと同じでこのマジックバックには物を沢山入れられるしバックに入れた時時間が止まるので食べ物を入れれば新鮮なままだ。アイテムBOXも同じ様な感じだが…慣れる迄は使えないだろう。それからセレフィオーネのアイテムBOXにも色々と入れたがこのマジックバックにもセレフィオーネを育てていくのに必要な物が沢山入っている。」
「有難うございます!!」
「そなたはセレフィオーネを育てる為に装飾品等を売ろうと考えていたな。この領地では足がつく。王都で売った方が良いだろう。高値になるだろうしな。そこにいるランに任せるといい。マジックバックにも色々入っているからそれも売るといい。まぁ、売らなくても困らない金品をマジックバックに入れたがな。それと魔法に関してだがセレフィオーネは全部を使えるから教会に行く必要はない。目を付けられたら困るからな。それからドリアだが3日後には第二夫人になってる事だろう。ダレルが明日手続きをして明後日王城に書類を出す筈だからな。ふむ。そうだな。護衛もいない今日が最適か…。エノーラ思い残す事はないか??」
「はい。ありません!!」
「それでは王都に行き装飾品等を売って、そうだな、ドリアに護衛なく出掛けているとエイダを使って情報を流すか。そうすればドリアは動く筈だからな。帰り際に破落戸に馬車を襲わせるだろう。身代わりを置くか…。ランに後は任せよう」
「え?ランは…?」
「はい。すいません。私はアイノルン様の腹心のウラランと申します。セレフィオーネを助ける為に侍女に扮していました。」
「え?ではランは神様!?」
「今はランで大丈夫ですよ。御者は記憶を弄りましょうね」
「ランは私より悪い奴には厳しいぞ。クールと言えば聞こえが良いが冷徹だからな」
「それはアイノルン様がうっかりしすぎの甘々だからですよ!!私がいなければ世界は悪い奴で沢山になり世界は最悪な状態で終わるはめになるのですから!!」
「ふむ。ウラランは厳しいな。まぁ、頼もしい相手だから安心すると良い。後は任せたぞ!」
「かしこまりました」
そう言うと光が眩くなり光がなくなると廃墟の教会に戻っていた。




