8 エノーラの覚悟
エノーラは夢から目を覚ましたがまだ夜中でセレフィオーネはベッドで寝ていた。
直ぐ様エノーラはダレルが寝ているであろう部屋に向かったがダレルはいなかった。ついでに書斎等もダレルが居るであろう所はくまなく見て回ったがダレルを見つける事は出来なかった。
エノーラはやはりと考えてふつふつと怒りを感じていた。エノーラの実家は騎士の家系でエノーラも剣を振り回すお転婆だった。
茶会でエノーラに一目惚れをしたとダレルが言いチェリツリー公爵家から結婚の打診が合ったのだ。ダレルはおしとやかな女性が好きでエノーラもそうだと感じていたのだろう。親や兄から剣を振り回す事を禁止され12歳の時に剣を辞める羽目になったのだ。それに魔法を使う事も禁止された。ダレルが魔法を使うのが下手なのか、弱いのかは解らないが。そして成人して16歳の時にダレルと結婚してエディーノを授かったのだ。
多分きっとドリアとダレルはエノーラに出会う前からの関係なのだろう。小さい頃からいた所詮幼馴染という関係なのであろう。
ドリアとそういう関係になるなら自分に結婚の打診等せずにドリアと結婚すれば良かったのに!!そうしたら偽りの自分を演じる事等無かった筈だ。
自分に一目惚れと言う事だったが男爵家で侍女のドリアとの結婚はチェリツリー公爵は許さなかったのではないか??チェリツリー公爵家を守る為にエノーラが選ばれたのではないだろうか?
エノーラはダレルの血を引いている自分の子供にも憎悪と嫌悪感を感じはじめていた。
セレフィオーネはこんな自分にも生きて欲しいと神様に願ってくれていた。
セレフィオーネだけが唯一自分の為に。何のしがらみもなく生きて欲しいだけだと…。
色々考えて思ったのは簡単な事だった。自分らしくセレフィオーネと共に生きたいと…。全て捨てても構わない。貴族なんて重苦しいだけだ。
こんなあっさり全てを捨てられる自分は酷い人間であるとエノーラは思ったがショックではなく笑えてしまった。
セレフィオーネがいなければあの悪魔の様なドリアとダレルによってエノーラは自分を偽りながら死んでいったのだろう…。
さて、明日は廃墟の神様に報告しなくては。やる事は決まった。ドリアとダレルの思惑通りセレフィオーネと共に花々しく散って差し上げよう!
そうなると…味方が必要だな。誰も彼もが公爵の息がかかっているはず。自分の実家も当てに出来ない。そう言えば最近入ったランはセレフィオーネが異様に懐いていたので大丈夫かも知れない。慎重にやらなければ…。ランに頼みお金も持ち出す為宝飾品等売りに出せば良いだろう。
後はそうだな…騎士にはもうなれないから冒険者にでもなって稼いでセレフィオーネを育てていけばいいだろう。
自分は水と風と氷と空間魔法を使える。氷と空間魔法を使えるのは親や兄にも言ってない。後付けで使える様になったので、6歳で教会で調べた時は水と風だけだったのだ。貴族は使える魔法は2〜3個程。平民は1つ程。ダレルは貴族なのに弱い火と土魔法だけだが…。
子供達は6歳迄解らないが、自分の魔法を受け継がないで欲しいので明日神様に願ってみよう。




