45 神からの報告
元気いっぱいにフララと今日も畑作りをしていたらいきならり意識が引っ張られ白い空間にフララと共にいた。良く見るとお祖父様とお祖母様とカグナル様も一緒にいた。
「あれー?おじーさまとおばーさまとかぐなるさまだー!」
「シーナとフララか。それにカグナル迄も。私は本を部屋で読んでいたのだが…」
「私も本を読んでいたのだけれど…」
「私は教会の畑の様子を見ていました…」
皆それぞれ何かしていた様だ。
「私が皆を呼んだのだ」
いきなり声がすると案の定アイノルン様の登場だ。
「やはりですか…」
フララは呆れている。名を出すのは駄目だと思い神様呼びにする。
「かみさまー?どーしたのー?」
「タグリード国を探っていたら愉快…いや、大変な事になっていたので報告だ」
今、愉快な事って言おうとしたよね??
「先ずは魔族にエノーラが見つかり魔族がドリアに報告をした。けれど殺す事はせず何故かタグリード国に噂が流れた。恐らく魔族の仕業だろう。エノーラが生きていて北のカルド国の近くの森で結婚して暮らしているとな。殺す手筈なら北で噂を流さず殺していただろうが。噂は広がり王や王妃に迄届いた。王達は流石に確認しないといけない事がらなので宰相のレンダルと第一騎士団長のアイオネと数人の騎士を連れて王が書いた手紙を持って城の転移からカルド国に向かった。カルド国の王に手紙を渡し事情を説明してからあの2人が住む場所に向かった。」
「此方の事がバレたのですか?」
「いや、バレてはない。ウルフは孤児でカルド国の傭兵をしていると話たからな。それに此方の事を話そうにも話せない様にしてるからな。」
「よかったー!」
「ただ、ウルフにとっては最悪な事が起きたがな。宰相と第一騎士団長も騎士数人もエノーラを見て顔を顰め嫌悪感丸出しだったがな。その後謁見するタグリード国の王や友人だった王妃や城の者全てが寒気と吐き気と嫌悪感を我慢していた様だかな。エノーラを見て話を聞いて。エノーラは父親や母親はぼんやりとしか覚えていない。子供達の事もだ。ダレルやドリアやイーモンの事は覚えていない。更に馬車に誰といたか誰と乗っていたのか誰が襲撃して来たのかも覚えていない。気がついたら馬車の下に3人の遺体があった事位しか覚えていない。どうやって北にいたのかすら覚えていないがウルフ以外どうでも良い様だから構わないだろう。その態度を王の謁見の場で見せつけたのだからな。小さい令嬢の方がしっかりしてるとの意見だ。王妃が何度も忠告をしたのだがな…」
その話に皆顔が険しくなった。
「流石、シーナを一ヶ月以上放置しフララに殆ど預け育てさせるだけはある。此処からが問題なんだがエノーラのお腹にはウルフとの子供がいる。」
「えー!?」
「本当ですか?」
「あぁ、タグリード国の王城できちんと調べたから間違いないぞ。元々公爵令嬢に公爵夫人だったからな。でもチェリツリー公爵はエディーノが継ぐ事になっているしでどうするか考えたのだろう。何の罪も犯していないエノーラを男爵や子爵にする理由にはいかないとウルフがまともだった事もあるが国が管理していた領地のクライート伯爵領をウルフが継ぐ事になりエノーラはクライート伯爵夫人になった。まぁ、エノーラをウルフに押し付けた感じだな。元々一緒に暮らしているし結婚しているし子供を作る事をしているのだから愛情はあると判断されたのだろう。それに王の謁見でエノーラはウルフ以外はいらないとウルフは自分の物だと離縁はしないと話をした。叫びながらな…。ウルフは自分は孤児で庶民で傭兵だったから結婚は無しにと話たのだがな…。子供が出来ていない事をウルフは願ったのだがな。出来ていたのだ。まぁ、皆に見捨てられる位自分の本性を王との謁見でさらけ出したのだよ、エノーラは…」
皆の顔が更に険しくなった。人を物扱いとか最低である。
「それでどうする?ラニット、ステラル。私に忠誠を持ち最初から此方に来たカグナルは大丈夫だろうと思うが、エノーラはシーナの事を見て来て分かる筈。子供の面倒なんか見ないぞ?シーナにはフララがいたが確かに使用人達は伯爵だからいるだろうがエノーラはウルフしか見ていないぞ。ウルフは伯爵領を治める為に貴族になる為に勉強をしなくてはならない筈だ。今なら旅から帰ったと前オーキッド公爵夫婦として戻れるぞ?オーキッド領にいた民達もどうなんだろうな?」
「おじーさま、おばーさま、もどってー!わたしにはフララがいるしーかみさまもいるしーかぐなるさまもかなー?こどもみすてちゃーだめーよ!」
「はい。私は此方に残りますよ。教会一同も同じでしょう。」
「私は…、此方に残る。どっちみちイーモンの子供達もエノーラの最初の子供達も見捨てた様な物だしな。それに私達には子供はいないと決めたのだよ。シーナという孫はいるがな。それにこの街の市長だからな!此方を発展させていきたい。酷い事かも知れないが子供の問題はエノーラとウルフの問題だからな。皆も戻らないと言うだろう。本音を言うならタグリード国にも貴族にも戻りたくない!それに戻れば厄介な事に巻き込まれる様な気がするしな!」
「えぇ、その通りね!」
その言葉に私とフララとアイノルン様は例の女の事ではないか?と変な顔になった。お祖父様の勘凄すぎである。
「なる程。魔族の事ですね?」
いや、それもだけどもっと変な奴いるからー!地球の記憶持ちだからー!カグナル様ー!そっちの方が大変だからー!!またしてもフララとアイノルン様は微妙な顔になっていた。
ぶっちゃけ地球の神様と物々交換で地球からやべー奴転生させた事言っちゃえヨォ〜!乙女ゲームの世界だと言っちゃえヨォ〜!タグリード国の学園が舞台だと言っちゃえヨォ〜!対象キャラいっぱいいる事言っちゃえヨォ〜!美形な男大好きなやべー奴だと言っちゃえヨォ〜!
「はぁ〜、シーナ??タグリード国には魔族やドリアの他に違う意味で厄介な奴がいる…」
「それはどんな方でどう厄介なのですか?」
「頭の中がお花畑で自分大好き美形な男大好きな女だ…」
それにお祖父様とお祖母様とカグナル様は変な顔をした。
「そういう女性は沢山いるのでは?」
カグナル様の言葉も酷いぞ。
「カグナルと同様な強い光魔法を持っていて下手をすれば聖女と呼ばれる事になるだろう…。今年6歳になるがな…。とにかく色々な意味で何を仕出かすか分からぬ女だ。前世の記憶を持っているし馬鹿だから魔族に利用されるのが目に見える様な女だ。その世界の神様にどうしてもと頭を下げられ仕方なく転生させた。その世界ではこの世界は乙女ゲーム、主人公が美形な男性と色々困難を乗り越え結ばれる話だそうだ。舞台はタグリード国の学園だ。結ばれる相手は沢山いて主人公の女の選び放題だそうだ」
おー!言葉を濁して話をしたぞ!肝心な事は話てないけどな。
それにお祖父様とお祖母様とカグナル様は顔を顰めた。
「やはりタグリード国に戻らないのは正解だな!」
「えぇ、本当にそうだわ!貴方の勘は凄いわ!」
「えぇ、更にタグリード国がどうでも良くなりましたからね」
「問題だらけですからね。タグリード国は。ドリアの事、魔族の事、イーモンの事、ダレルの事、エノーラの事、気狂い女の事」
皆結構酷い言葉を言ってるぞ!
「戻らないのであれば関わらなくて済むだろう。世界の滅びでは無い限り、シーナが危なくならない限りほっとく事とする」
アイノルン様も結構酷いぞ!
「そうそう、シーナが喜ぶと思い森にキノコや山菜を植えたからな」
「えー?ありがとー!うれしー!」
「私も勉強しているからな。何かあればまた伝えよう。では、またな!」
そうして気が付けば畑にフララといた。それから何事も無かった様に作業を続けた。




