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神様の思し召し  作者: 鳳凰楽


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35/77

35 それぞれが選ぶ事

 あれからアクアは私を抱っこして直ぐに転移をした。土地はあるし建物もあるし畑や果樹園等もある。アクアに書き換えをどうするか聞かれ私は紺の髪に紺の瞳にアクアはオレンジの髪にオレンジの瞳にし、名前は私はシーナ・アレグリア、アクアはフララ・パーチェにした。


 アクアは早速書き換えを行い2人で建物の中に入っていった。中は広くキッチン等もあり暖かな暖炉が着いていた。薪小屋もある。冷蔵庫もお風呂もトイレも温泉もある。全て欲しい物が揃っていた。流石は神様達だな。


 なんかフララと2人になってホッとした。何故かは分からないが嫌な予感がしたのだ。フララは直感力だと言っていた。超直感みたいな感じかな?ステータスに書いてあったし…。結局何処までいっても孤児でしか無かったのだろう…。だって我が家が出来てから母様といや、ユリアさんと話したのは僅かばかりだ。会ったのもだ。新婚だからって普通1回は顔見せるよね?それが全く無かった。皆で集まった時位だろう。血の繋がった我が子には同じ事しないで欲しい。


 それからフララと本棚を創って地球の本を入れていった。フララに聞いたら今迄は魔獣図鑑とかはないけどダンジョンが出来たので作られるのでは?という話だった。出たら是非欲しい。


 この森にもダンジョンがあるけど1歳なので大きくなったら行きたい。それまではフララとのんびり暮らしていきたい。何か色々疲れたのだ…。フララとアイノルン様以外信じられないかも知れない。


 オレンジ色のフララも美女である。でもアクアとは全く違うのでバレないだろう。多分自分もだろう。男にもなれると言っていたけど美女のままでいい。


 そう言えば一蓮托生で結婚もすると話てたが冗談だと思いたい。






「今帰ったぞ!」


 ダンジョンに行ってたメンバーの帰還だ。ユリアはウルフに駆け寄り抱き着いた。


「心配してたの…。無事で良かったわ!!」


「約束したでしょう?大丈夫です。それよりルーチェとアクアは?」


「え?家に居ると思うんだけど?」


 その言葉に帰還を喜んでいた街の皆は変な顔をした。


「確認してないのですか?一緒に居たのでは?」


「いえ…ウルフが心配で部屋にずっといたわ!」


「一度も顔を見せてないんですか?」


「えぇ、ウルフが心配だったから!」


 どんどん街の皆もダンジョンに行っていた冒険者チーム達も騎士の皆も顔を険しくした。教会の皆や実の父や母でさえ。特にウルフと同僚だった女性騎士達は冷たい顔をしていた。蔑む目線を辞めない。1人の女性騎士が発言をした。


「あの、前から思っていたのですがルーチェちゃんアクアさんに預け過ぎでは?母なんですよね?それに自分の命も救われた…。一度も顔を見せない居場所も分からないなんてあるんですか?常日頃ルーチェちゃんをアクアさんに預けている証拠ですよね??結婚する前からウルフといましたしね」


「え?だって今は新婚ですもの。」


「ルーチェちゃんとアクアさんがずっと気を使っていたのでは?そのおかげでウルフと結婚出来たんですよね??元の旦那の事や子供達の事迄ルーチェちゃんやアクアさんに気を使われていたのに…。それに結婚する前から貴方はウルフといました。ルーチェちゃん達が帰還に皆同席しているのに同席していない、これがルーチェちゃん達の決断なのでは?」


 神官のレオニルが話始めた。


「神はこの街と貴方を見限ったのですね…。恐らく結界も無くなるでしょう。そうすれば街に魔獣達が押し寄せて来る事でしょうが気が付かなかった私達にも責任があるという事でしょうから。貴方の本性を見抜けなかった私達には責任があります」


「なんて事を!お前はイーモンと同じだったのだな!結局自分本位で人を思いやれない!」


「なんて事を……」


「恐らくですが神の記憶も全てなくなるでしょう。見限られた者にもう一度なんてないでしょうから」


「お前自身が母親になれる人物では無かった!義務でもダレルと結婚していて子供達を育てていた時の方がまだマシだったのだな!」


「最低ですね!」


 皆に冷たい目線を向けられてなお、自分が悪いとはユリアは思えなかった。だって自分はずっと我慢をしていてずっと想っていたウルフとやっと結ばれたのだから。きっとウルフなら分かってくれる!同じ想いだったのだから。


「私は教会に行き神に祈りましょう。許される事ではないでしょうが…」


 レオニルの言葉に皆教会へ向かった。ウルフとユリアと父と母を残して。


「ウルフは私の味方よね?同じ想いだもの!」


「私は貴方を勘違いしていた様ですね。でも結婚していますから最後迄責任は持ちます…」


「私もユリアはイーモンとは違うと思い込んでいたのだな。人を思いやれる人間だと…」


「私の育て方が悪かったのですわ…」


「私はイーモンもユリアも自分の子供だと思わぬ事にする。此処まで一緒に着いて来てくれた街の人間達の方が大切だからな」


「何故?お父様!!」


「これだけ言っても言われても分からないのですから仕方ないのよ。貴方は人として持っていなくてはならない物がかけてたのね…。当然母としても…」


 そう話すと父と母も教会へと向かって行った。



 レオニルが代表して神様に謝罪をした。


「神よ…。すいませんでした…。謝って許される事はないでしょうが謝罪を…。常日頃のユリアを見て気付くべきでした…」


 そうすると街の皆は白い空間にいた。何もないし何も見えない所だった。そうすると声だけ聞こえて来た。


「お前達はユリアの事を何も疑問に思わなかったか?私も初めはユリアの魂はルーチェを育てるのに相応しいと思い込んでいたが違った様だ。ルーチェはほとんどアクアに育てられていた様だな。ルーチェは嫌な予感がすると、血の繋がった子供が出来ても同じ事をするのではないかと感じていた様だ。アクアも同じ事を言っていたな。人間は変わる生き物だからな。変わらない心を持ち続けるのは大変な事だ…。私は街の皆はルーチェを大切にしてくれるのではないか?と思い直ぐ記憶を消す事はせず様子を見させて貰った。初めはアクアとルーチェと共に生きたいと願う者も一緒に移動させる事も考えていたが分からなくなった。お前達はどうしたい?教会も創ったので私と通づる教会の者には聞きたかったのだ。二度も移動して新たにやり直しがしたいか?それともこの街に残りたいか?此処を捨てるとなるとユリア達を捨てる事となるが?」


「私は新たな教会で神に仕えさせて頂ければと思います」


 そうレオニルが言うと教会の者達は皆頷いた。


「また、新たな書き換えをする事となるぞ?」


「えぇ、それで教会一同は構いません!どんな場所であろうと構いません!」


「俺達ギルドも新たな場所で構いません!」


 ギルドを代表して冒険者ギルド長のエサシが話して各々のギルドの者達は全員頷いた。


「俺達冒険者も構いません!」


 冒険者を代表して星読の光のリーダーカイルが話して各々冒険者チームの皆も頷いた。


「俺達漁師も海があれば構わない」


 漁師のギレイが話して他の皆も頷いた。


「俺達も鉱山があれば構わない」


 鉱山の者達と家族全員が頷いた。そして次々と皆が納得して神様に頼んでいってグロウの屋敷に仕えてる者達だけが残った。


「では納得した者達だけを移動させる。家等や畑や果樹園や工房や店や船や小屋や動物達も一緒に移動させる。ビアンコ街は規模を小さくして記憶は無くす事とする」


「私達はグロウ様を裏切れません…」


 屋敷の者を代表して侍従のガイナルが答えた。


「なる程な。私はルーチェが1番なのだよ。そなたらの1番はグロウというだけの話だ。別に残りたいと思う者達の為規模は小さくなるが結界を消す事はない。だからグロウに恩義を感じてる者は残っても構わない。今移動すると答えた者達も恩義を感じているなら残って構わないぞ。偽る事をする必要はないからな。後々偽りがバレる事になる方か問題だからな…」


 行くと話した者達の心を覗いたが偽りではないようなのでアイノルンは内心ホッとした。人間は偽る事も直ぐ心を変える事も出来るからだ。


「では建物全て移動と後は教会は無くす事とする。後は皆移動してから書き換えをしろ。裏切る事は許さないぞ?その者達は神からの裁きがあるから移動したく無い者は今の内に正直に話せ」


 行くと言った者は意見を変えない様なので移動を開始した。後は残った者の記憶の書き換えと教会を無くす事と規模を小さくして森に戻す作業をした。でもルーチェとアクアを裏切った事だけは記憶に残した。顔はぼんやりとして思い出せない様にだけはした。痕跡は全て消す事にする。勿論温泉等もだ。地球の知識も神の知識も全てだ。ただ、小さい家等を少し残す程度にした。それから皆がユリアに感じた不信感も残す。スキルについて等ステータスの事も消す。


 あぁ、人間とは本当に面倒な種族だ…。







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