20 接触
森で生活を始めてから2週間位経っただろうか?毎日母様とアクアが木々を切り出し纏める作業をしているが2人だからか森が広いからなのか終わりは全然見えない。
朝食作りをしていた時アクアが話始めた。
「そろそろ2週間位経ったのでユリア様のご両親の様子見て来ようかと思っています。此方に来るかは分かりませんが…。多分、葬儀埋葬は終わったのではないかと思いますから」
「そうなのね、分かったわ。いざとなれば私とアクアでルーを育てれば良いだけだし、お願いするわ」
「分かりました。取り敢えず様子見して大丈夫そうなら話をしてみたいと思います」
そして朝食を食べ終えたアクアは転移魔法で出掛けて行った。
オーキッド前公爵の屋敷にてガイドロスとエライザは深い悲しみの中にいた。
「駄目だわ。私はイーモンを産んだ事を恨まずにはいられないの…。それにエノーラの子供達は皆ダレルに似ているからどうしてもダレルに見えてしまって仕方ないのよ…」
「私もだ。イーモンを恨んでも恨んでも悔やみきれないでいる。子供達も可愛いいと思えない。イーモンに公爵を譲ったのは間違っていた。最近では税率も上がったと皆が言ってる。あいつは自分が1番の人間だからな…。民達の事も考えてないんだろう。エノーラを人形の様に思っていた様に奥方も子供もあいつの人形なのだろうな。エノーラはゼルダと思いあっていたにも関わらずそれを引き裂きダレルと結婚させたのだからな。ゼルダと結婚していたら幸せな日々を今でも過ごしていただろうな。屋敷にいる者達も皆今も悲しみに囚われている」
2人で部屋にて話をしていると1人の女性がいきなり現れた。
「突然の訪問で失礼します。エノーラ様の父君と母君でいらっしゃいますか?」
「あぁ、そうだが、お前は?」
「エノーラ様とセレフィオーネ様付きだった侍女のランと申します。突然の訪問で失礼しますが先ず話を聞かれない様に結界を張っても宜しいですか?内密な話なので…」
「あぁ、構わない」
そう言うとランは慎重に部屋に結界を張って他の者に話を聞かれないようにした。
「それで話とは?」
「そうですね。何から話せば良いのか…貴方方は今の生活を捨て別人として生きるならエノーラ様に会えるとしたらどうしますか?勿論、貴族ではなくなりますし、贅沢な暮らしは出来なくなるでしょう。それに苦労するかも知れません。選択次第では記憶を消して頂きます事を先に述べときます」
「そんな事決まっている。苦労しようがエノーラに会えるならそちらを選ぶ!」
「私もです!」
「エノーラ様は別人として生きています。神様の思し召しです。そうですね…旅に出るという事にし、貴方方が信用信頼出来る人物を集めてほしいのです。準備は金目の物を全て売りお金にしてキャンプ用品を揃えて欲しいのです。これはマジックバックです。血を垂らし契約をすれば貴方方以外の者は使えなくなります」
それから集め欲しい人材の話をした。
「人数が決まり次第契約魔法で契約をして書類にして纏めて下さい。どれだけの人数が集まるかは分かりませんが…1週間後にまた来ますので。お二人とも空間収納をお持ちですよね?そこに必要な物を入れても大丈夫ですから。マジックバックは多めに渡しときます。血を垂らし契約をさせて下さい」
「分かった。1週間後だな?」
そう話したらランは空間移動で元いた場所に戻って行った。
「エノーラは生きてるのね!」
「あぁ、1週間後だから早急に人を集めなければ…」
そう言うと前公爵は必要な人間を吟味し始めた。そして前公爵は周りにバレない様に暗躍する事になる。
そして必要な人材にも屋敷の信頼信用出来る者達に話をしてから全員魔法契約を行なった。
息子のイーモンにはバレない様に売るものは違う領地で行い買い物もそうした。
そして全財産は空間収納に入れた。
着る物も全て貴族の服ではなく庶民が着る物と冒険者が着る物を買い込んだ。食料もだ。それから武器等も大量に買い込んだ。
キャンプ用品も必要との事だったので家がないのではないか?と推測して出来る限り必要な人材と物を用意した。買える物は全て買い込んで空間収納にしまった。
人材はガイドロスの知り合いや信用信頼出来る人物のみを選んだ。
せっかくエノーラが生きてるのだ。ダレルやドリアやイーモンに知られる理由にはいかなかった。やっと解放されたであろ娘がまた地獄に戻る事を夫婦は許しはしない。
殺されたであろう怖い思いもしたのだから。
次こそは守り切ると夫婦は固く強く思った。
「ただ今戻りました」
「あら、お帰りなさいアクア。どうだったかしら?」
「お二方共にユリア様にお会いする事を強く思い、今迄の生活を捨てるとの事でした。人材も用意して頂けると…。1週間後に迎えに行きます」
「良かったわ。母様と父様に会えるのね!」
「うーあ!(良かったね!市長?村長になってもらったら良いんじゃないか?街?村?の名前も考えないとね!後、こっちに来るメンバーは名前と髪と目の色を書き換えしないとね。何処からバレるか分からないからね)」
「そうですね…村?街の名前は必要ですし、此方側に来るメンバーも名前や髪や目の色を書き換えて貰わないとどこから漏れるか分かりませんから。魔族が絡んでいますしね…」
そうしてメモに名前の候補を話し合いをして書いていった。母様の両親以外はランダムだ。何人いるかは分からないから多めに考えた。
髪や目の色はアクアがランダムで決める事になった。ただ母様の両親は父が赤の髪に紅茶色の目、母がミルクティー色の髪にミルクティー色の目になった。
それからこの場所の名前はビアンコという名前になった。
そうして昼食を取りまた母様とアクアは木々の切り出しを始めた。私は赤ん坊だからずっと見てるだけだがな。木々はどんどん増えていく。まぁ、冬は寒いだろうから大丈夫だろう。家も建てないとだし…。
アイノルン様、1国に匹敵する程の広さにしたのではないよな??ちょっと心配だ…。
どのくらい人が増えるかは分からないが今よりずっと作業は捗るだろう…。森の中だから入り口も出口も今の所見えないからな…。モシアイ国とカルド国だったか…近いのは。買い出しにも行けないよな…。
考えてても、暇だしお昼寝でもしよう。赤ん坊だしな。




