2 タグリード国チェリツリー公爵家
「うっ、はぁ、ふっ!」
「奥様もう少しです!頑張って下さい!!」
「うー!」
「赤ん坊が出て来ましたが泣かないですね…これは…死産…残念ですが…」
「はぁ、はぁ、嘘よ!!きちんと産まれたもの!!」
「此方は赤ん坊です…」
「嘘、嘘、私の赤ちゃん…うう…」
「旦那様、残念ながら赤ん坊は死産でした…」
「エノーラ、残念だったが良く頑張ってくれた…」
「ダレル、私達の赤ちゃんが!うう…」
此方はタグリード国のチェリツリー公爵家、産まれて来た赤ん坊は死産で重苦しい雰囲気を醸し出していた。
「今は何も考えずきちんと休むんだ。エノーラ。赤ん坊はきちんと埋葬して上げよう。子供達には私からきちんと話をしておく」
「うう…!」
「カイヨウ子供の埋葬の手続きを頼む」
「かしこまりました」
重苦しい雰囲気の中着々と埋葬の準備が行われていく。エノーラはショックの余り気絶した。
「此処は…?」
エノーラは真っ白な空間にいた。
「そなたは赤ん坊が欲しいか?」
真っ白な空間に声だけ聞こえて来る。
「欲しいわ!」
「そなたが産んだ子供ではなくともか?」
「えぇ。貴方は誰?」
「私はこの世界の神だ。そなたが大事にしてくれるなら私の赤ん坊を預けよう。亡くなった子供は抜け殻で生命が宿ってなかったのだ。抜け殻でも産んだ子供だ。きちんと供養して上げると良い。」
「えぇ。とてもショックで悲しいけどきちんと供養して上げたいと思います」
「供養が終わってそなたがきちんと休んでから大体だが一ヶ月後チェリツリー公爵領にある使われていない教会の廃墟に向かえ。そこに私の赤ん坊がいる。そなたに預けよう。名前はセレフィオーネ。女の子だ。そなたなら大事にしてくれると思っている」
「えぇ。必ず大事に致します!」
「約束だぞ」
「はい!必ず」
「一応そなたの旦那のダレルにも同じ様に伝えておこう。そうすればそなたも安心だろう」
「えぇ、お願い致します」
神と不思議な邂垢をしたエノーラはきちんと休んで体調に気を付けながら子供の供養をきちんとして夫のダレルに神と話たことを話した。ダレルも真っ白な空間で神の声を聞いたらしい。姿は自分の時と同じで見えなかったらしいが…。
それから夫付きの侍女が臨月を迎えているらしく暫くは休む事になった。エノーラはその侍女ドリアがあまり好きではなかった。昔から夫の側付きでエノーラに対して敵意むき出しだったのだ。子供が亡くなった時密かに笑っていたのをエノーラは見ていたのだ。
ドリアは男爵家で自分は実家も今の家も公爵家だがエノーラから見たドリアは不気味なのだ。ドリアがダレルを好きなのでは?と勘ぐった事は一度や二度ではない。
ダレルが自分以外の女は興味がない程エノーラに惚れていると言う事で納得したのだ。子供も4人いるしドリアは子供達には優しかった。
暫くは居ないと言う事でエノーラはホッとしたのだ。出来れば夫の側付きをこの機会に変えたいというのがエノーラの願いだった。




