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神様の思し召し  作者: 鳳凰楽


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16 それぞれの動き

 翌日の朝早くからチェスター・タグリードは王妃エイベラと共に忙しくしていた。


 昨日襲撃を受け崖から落ちたであろうエノーラ・チェリツリー公爵夫人を捜索する為王国の騎士団を動かす事となった。神様からの啓示の赤ん坊もいるとの事で生きていてくれ!と強く思いながら宰相のレンダルと細かく調べていた。


 第一騎士団長はイーモン・オーキッド公爵つまりエノーラ夫人の兄である。元騎士団長であった父であるガイドロス・オーキッドも報告を聞きかけつけた。


 前チェリツリー公爵夫婦も心配してる中でダレル・チェリツリーだけが普通にしており皆奇妙な目でダレルを見ていた。嫌悪感を顕にする騎士も沢山いた。


 昨日の出来事は既に噂になり噂話だと気にしてなかった人物達もダレルの態度を見て本当の話だと更に噂されていった。


 チェリツリー公爵の子供達はアルネ・オーキッドに預けられ此方に向かっていた。


「やはりダレルとドリアの犯行か?」


「あの態度を見ればそう思います!」


「本当何であんな男の為に!!私の友人を殺されなくてはならないの!!」


 王妃エイベラは悔しくて叫び涙した。


「エイベラ、落ち着け。きちんと捜索して必ず証拠を見つけよう。ダレルかドリアかどちらもなのか、必ず証拠は出て来るはずだからな。影にも探らせているからな。それにドリアはチェリツリー公爵の側付き侍女だったのだ。使用人達の中で必ず何か知ってる者がいるはずだ」


「えぇ、そうですね。私の方は使用人から責めてみましょう!」


 そう言いレンダルは後見人のミックレリーと法務大臣と騎士数人と魔法騎士数人と文官数人と教会の神官と共にチェリツリー公爵家へ出掛けていった。神官を同乗させたのは嘘を見抜く為だ。王国には神の真実の水晶があり神から決められ認められた者だけが使用する事が出来る品物だ。水晶はを神から力を分け与えてもらい真実と嘘の証拠が分かるのだ。それから犯罪履歴等も。真実の水晶の他に犯罪履歴だけを調べる水晶もあるが、それは検問所等に置かれている。


 ミックレリーはチェリツリー公爵家の使用人で使える者がいるか確認する為に書類を整理していた。もし使えるようならば魔法契約をしてもらうつもりだ。そうすればわざわざ王都から来る人間を減らせるだろう。森での捜索は夫人達は生きていないだろうとミックレリーは思った。出来る事なら神様の娘を見てみたかったと…。


 それにしても妻が亡くなったかも知れないのに普通にしてたダレル・チェリツリー公爵はミックレリーから見ても異常であった。普通は悲しみにくれるのではないのだろうか?悪魔の様な男だと思った。



 森に入った騎士団は魔獣を警戒しながら捜索を始めていた。馬車が襲われた場所は王都からそう遠くはないはずだ。


 ガイドロスが先人を切って捜索に当たった。


 そして数時間後に馬車は発見され、馬車の下にいた娘と一度見た子供と側付き侍女が見るも無惨な死体となって発見された。


 遺体は布に包まれ騎士達に運ばれていった。ガイドロスは悔しくて悲しくて拳を血が出るほど握りしめた。あんな男と結婚等しなければ…。あぁ、我が息子が結婚を無理に推し進めたのだった。自分と妻は止めたにも関わらずに…。


 ガイドロスは息子を恨まずにはいられなくなっていた。孫もダレルそっくりなのだ…。このままでは孫迄恨んでしまいそうだと悲しみの中ひっそりと思っていた。



 一方ミックレリーやレンダル達はチェリツリー公爵家に着いた。


 一気に屋敷が騒がしくしなりブリリアンのせいで寝不足なドリアは苛立っていた。そして来たなとも思った。ドリアと仲の良い侍女は弟の看病の為にとドリアが実家に帰していたのだ。これでドリアの悪事を知る人物は居なくなっていた。


 そして同じ使用人から様付けされる様にしつけたのだった。様付けされるだけでドリアの気分は上がった。自分は公爵夫人になるのだからと…。


 そして1人1人調べられていったが使用人達は何も知らないから答えられない。


 そしてドリアも調べられたがドリアは真実の水晶の抜け道を知っていた。だって自分がエノーラ達を直接手を掛けた理由ではないのだ。


 エノーラを憎いかに反応しても旦那様に愛されているのが悔しかったが自分は娘を産み同じ夫人になったのだから仲良くしていければ良いと答えるだけだ。


 だが、そこでドリアの想像と違う事になった。


「ダレル・チェリツリー公爵は息子のエディーノに公爵を継がせフラーゴラ男爵領を継がせる事とする。エノーラ夫人とは離縁という形になり娘を産んだダレル夫人が同じフラーゴラ男爵夫人となる。エディーノの後見人にミックレリー・タグリードが選ばれ3日以内に男爵領へと移動して貰う。それから前公爵夫婦もフラーゴラ男爵となる。良かったですね。没落貴族だった貴方が本当の貴族になれて。娘さんも一緒ですよ。それが王の決定ですから」


 レンダルの言葉の余りの衝撃に娘を落としそうになりながら必死にドリアは笑顔を作った。


 まぁ、今は男爵で我慢するわ!でも公爵家の血を引いた娘がいるのだからなんとでもなるわ!女性優遇の世界なのだから!ブリリアンを誰もが欲しがる令嬢に育て上げれば良いわ!ドリアは自分に似た娘には可能だと信じていた。


 そしてミックレリーが公爵に残る者達には魔法契約をして他は男爵領へと移動する事になったのだ。






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