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メテオブレイカー!〜両性女になった俺は、世界最強のヒーローを目指す〜  作者: 月影光貴


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第6話 俺がメテオブレイカーだ

 父は会話中に突然服を脱ぎ始めた。


「な、なにしてんの!?」


「実は俺も変な事になってなぁ」


 そう言うと彼は体毛を長く太く変質させて逆立てる。まるでハリネズミの様な姿になる父に驚愕した。


「悩んでいた脱毛しなくてよかったね……」


 父もミーティアンか。

 遺伝も関係するのか?


「今までむさ苦しいと言われたが、これで文句を言わせんな! 毛は射出できるし硬いから防御も可能だぞ! だからお前は少し肩の力を抜け!」


「……ありがとう」


 なんて2人で笑っていると廊下の奥からボンベイの黒の雌猫、シュヴァルが近づいてきた。


「おお、朝は大丈夫だったか〜? 私、いや俺が誰かわかるか、シュヴァル?」


 私が指を猫の鼻に突き出すとくっつけてくる。独特な湿り気と冷たさを感じた。

 猫は可愛い物だな。


「どうだろうなぁ〜原型ないし匂いとかも変わっているだろうし……」


 そう話していると下の方から声が聞こえた。


「シュヴァルわかるよ」


「そうかぁ〜わかるかぁ〜……っ!?!?」


 ニコニコで貴音が撫でていたら可愛らしい女の子の声で話しかけられて驚愕した。


 嘘だろっ!?

 ミュータントになったのか? 見た目は猫のまま、ミノタウロスみたいにはなっていない。本当にただの猫ちゃん。


「えっ、父さん! シュヴァルがミュータントになっていたの? サプライズ多くない?」


 それに後頭部を掻きながら困った様に言う父。


「……いや、今知った」


 シュヴァルは貴音の肩まで登り話始める。


「朝の襲撃から主人が見えず嘆き、見た目が全然違う主人を見た瞬間、脳が突然冴えて人語も理解できた! つまりシュヴァルにも理解不能大困惑〜」


 それを聞いた貴音は能力者になるトリガーの法則性が見えず悩む。


「そうかぁ……シュヴァル帰ってきたよ。もう心配させないからね〜」


 とりあえずわしゃわしゃする。


「ふにゃ! にゃー! ん? あ??? えっ」


 仰向けの猫を撫でていたら人間態に変化し、全裸の女児を撫でる最悪の絵面になる。


 父は頭に手を置き困惑。

 

「マジか、そうか子猫だしな。お前が悪徳ペットショップの火災から助けた時の血統書もあるから年齢はわかる……」


「黒髪ショートにケモ耳、尻尾が二つって猫又か?」


「なんで人間になれるんだろ〜? てかそろそろ寝なよ。シュヴァルはこの見た目でも家族でしょ? だからヤクシジ? ってやつの面倒事を済ませてからで良いんじゃない〜シュヴァルについてはさ」


 本人含め3人とも困惑する。


「そうだな、シュヴァルは明日話そう。まあ、おやすみ、明日は頑張れよ」


 そう言うと父は寝室に行った。


「じゃあ、いつも通り貴音の部屋で寝るからね〜」


「じゃあせめて猫に戻ってくれ……気が狂う」


 目を逸らす貴音。


「……ロリコンっ! 変態だね! まあシュヴァル的にはオールオッケー」


 理由を高速理解した彼女は、猫の姿で貴音の頭の横にピッタリくっ付き眠る。


「おやすみ、可愛いシュヴァル……はぁ、薬飲むか」


 だが何時間経っても寝れず、かと言って吐き気や眩暈などの不快感はなく、いつも通り抱き枕を抱えたりシュヴァルを抱えたりしていたが朝日が昇る。


 ……眠気が一切ない、吐き気やらも無い。

 私はもしかしたら睡眠が要らなくなったのかもしれない、だとするなら行動時間は増えるから良いな。


「はぁ、薬も効かない。そこまで身体が強くなったのか? まあいい、行くか」


 寝ぼけているシュヴァルの頭を軽く撫でると外に出た。


————————————————


 首相官邸 AM11:45


 貴音が着くなり、何故かピッタリのスーツを渡される。準備を終えて部屋から出ると秘書がいた。


「こちらが原稿です、そろそろ始まりますので準備をお願いします。先に首相がヒーローはいないと否定したのでスムーズに行くかと思います」


 そう渡された文章に軽く目を通す。

 なんだこれは……酷すぎる。

 

 ミュータント狩りの肯定やミーティアンの管理などが書かれている事に許せない、絶対に裏切ると決めた。


「分かりました、では行きます」


 これを見せられてヒーロー()は黙っていると思ったのか?

 徒労と知れ。


 入った直後に貴音の容姿を見て会場が(どよ)めく。そしてお偉いさんが立つ場所に立つ貴音。


「どうも、梶原貴音です。久しぶりに自分の足で歩いたので少し遅れてしまいました」


 言うなと言われたのにジョークを言うが無意識だった。ブラック過ぎたが笑いが起こる。


「えーっ、先日の朝に私が脱獄犯を捕まえたとされている趣旨のZのポストが」


 貴音が話す言葉を遮る記者。


「薬師寺総理が先ほど仰った通り、あなたのヒーロー的活躍は編集で誇張された物で事実はメインは自衛隊が鎮圧した。……なんて信じられ……」


 ここで貴音が今度は遮る。


「確かに信じられないのはわかります。だからと言って憶測や陰謀論めいた事だけで物を言うのは如何かも思います。私があたかも救世主(メシア)でありスーパーヒーローかのように……」


「別に救世主とまでは言ってません」


「あ、ああ……そうですね、なら大丈夫です。第一私はノーベル平和賞を取ったからと言って、私はヒーローに元々は向いてない性格だと思う。自己顕示欲に承認欲求の塊。それに精神病……だが友人は多い自信はあるりでも最後はしくじって脚はハムになるし……」


 嫌なことって1つ思い出すとドミノ倒しに次々に出てくるよね。


 そうついつい関係ない事を言い始めた貴音に、秘書は怒り気味に近寄り耳元で言う。


「本筋に戻ってください」


「では……この際はっきり言いましょう……真実は……」


 私は会場の視線を一点に集めている。

 これは私の覚悟と邪悪な政府との決別だ。

 ()の道で世界を救う。





()がメテオブレイカーだ」


 会場は沸き立つ、熱量が伝わる。

 ちょっとアメコミの真似事をし過ぎたが、ここまで苦労したんだ。このくらいカッコつけさせてくれよ。


 そう言いながら空中に浮遊しニヤッとした表情で両手を広げてポーズを決める。

 会場はシャッター音と記者の声で包まれたのであった。

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