4話 本と採集
二人を見送った私は先ほどカウンターの方に聞いた書籍所に向かう。
「入館かい」
髪が少し跳ねている男性が聞いてくる。
「はい魔法についての物と薬草の採集についてが欲しいです。」
「珍しいね、魔法のために来る人なんて」
「?」
「いや、悪い意味じゃないよ普通、感覚でやってる人が多いからね。」
そう言って、本についてるフックに鎖をひっかけて書見台の上に置き木板を添える。
「読み終わったら片付けるから言ってね。」
そう言って、先ほどまで読んでた本をまた読み始める。
用意された本を開くと、魔法、魔力についてとある。
その中には、魔物や魔族は魔力を物質にして体を作っているとか、
魔物と魔族は体が魂に引きずられる人間は魂が体に引きずられるとかぴんと来ないものがあった。
とりあえず役に立ったのは、魔力を意識して体に張り巡らせて体を強化したりすることのコツだった。
体を自分の魔力で体の中を満たした上で薄く布を張るようにすることが重要だそうだ。
次に見つけたのは初歩魔法だ。
「灯」「火種」「送風」「造水」の四つは旅であるとかなり便利だと書いてあった。
他にも「洗浄」「整地」などもあった。ただ、闇魔法に関するものはないようだ。
どれも使えそうだが、ここで試すことはできないだろう。
ここらで本を読むのに飽きが出始めたので、木板に目を移す。
そちらには、この町の周辺の植生と、どれがどんな効果でどんな採り方をするべきかが書いてあった。
例えば、ブラド草という植物の場合、葉の部分を少し取り、根からは取らない。これは取りつくさず、継続的に採集するためだ。また、薬にする場合が多いので、虫食いの部分は捨てるそうだ。
ちなみに薬効としては、血止めの効果があるそうだ。
他には、魔草について書いてあり、シラミツという草は、見つけ次第報告が必要だそうだ。
その他にもいろいろあり、ついつい長く読んでしまった。
読み終わったところで本のフックから鎖を外し木板とともに、本の管理人に本を持っていく。
「ありがとうございました。」
「別にいいよ、次も来てくる?」
「読み終わってないので次も来る予定です。」
「よかったー 待ってるよ。」
なんか気の抜ける雰囲気を持った人だったが、良くない感じはしなかった。
終わったらギルドで、薬草採集の依頼について聞く。
「薬草採集ですか?」
「はい、お願いします。」
「ええっと…これならいけるかな?」
そう言って一枚の紙を出される。そこには先ほど調べた薬草「ブラド草の葉とリネイン草の花びら30個ずつ」と書いてある。
「ブラド草がこちらで、リネイン草はこっちです。」
「確かに、図鑑通りですね。」
ブラド草は赤い点が葉についており根付近から大きく葉が生えている、リネイン草は、白い花びらに、
細長い葉が特徴的である。
「図鑑通りの取り方をしてくださいね。ではギルドカードを出してください。」
ギルドカードを出して、受付カウンターに出す
「お願いします。」
受付の方がペンを走らせ、
「受付完了しました。右の出口から出て、近いほうの門から出るといいですよ。」
「ありがとうございます。」
お礼を言って、ギルドを後にする。
ギルドに近い門、西門をくぐると、踏み固められた道と草原、その向こうに森が見える。
「向こうの森の入り口に薬草が生えているはず。」
木板によると魔物の危険性は森の浅部ならかなり薄いそうだ。
それでも、夜になると魔物だけでなく肉食性の魔獣の動きも活発になるので、早めに採集を済ましてしまおう。
「確かブラド草は木陰に生えやすかったはずで、リネイン草は木漏れ日の当たる場所に生えるはず。」
木板を読んだ情報をもとに探索を進める。
その時、木漏れ日の当たる場所に白い花が数十輪まとまって咲いている。
「これがリネイン草かな?」
よく観察しても特徴と一致するためリネイン草で確定だろう。
「確か採取法はナイフとかで花の根本から切る…だったはず。」
採集方法に従って、持ってたナイフを使って、花のみを切り取る。
一つの花で、6枚の花弁があるので、余裕をもって、7個ほど花を摘む。
次にブラド草を探すのだが、1つ問題がある。
問題としては、ブラド草は日陰を好むので、必然的に森の奥の方が生えやすい。
日が傾きかけなので、帰るまでに門限を迎えないのかというのが一番の問題だろう。
もう一つは、魔獣の活性化だろう。夜は魔法や魔獣、魔道具といった魔力が関係する物が活性化するそうだ。そうなる前に、早く町に戻る必要があるだろう。
とりあえず森で、赤斑点の葉を探す必要がある。そうして、途中でつまずき、マントに泥がついてしまったが、とりあえずブラド草を見つけることはできた。
ブラド草も採集して帰るとき、足音が聞こえた。




