11話 魔合金と変な調合師
「この結晶なんだろう?」
てかてかとして鈍く光るこの結晶は手の中で重量を主張している。
とりあえずは影に入れといてギルドで聞こう。
そんな感じの収穫があり坑道から出て帰り道についた。
ちなみに帰りはあの変な鳥はいなかったので結構安心した。
時間は昼時を過ぎて門をくぐるころにはかなり空腹を感じた。
ちょうど大通りに行商人らしき人がいた。
人が集まっていて珍しい別の都市の果実や、香味料、他には布や穀物も並んでいてここでは見ない物が多い。
商品の中に砂糖もあったし干菓子もあった。
物珍しさから、試しにクッキーを買ってみた。
ちなみに結構値段が高く一袋銀貨1枚というかなりの高額だった。
食べてみると、ぼそぼそとしているが果実とは違う甘味が口に広がり美味しかった。
とりあえず、謎の結晶についてはギルドで聞いてみることにする。
というわけでギルドに来て結晶について聞いてみたところ、この結晶は魔晶というらしく
鉄や銅などに混ぜることで魔力の伝導率が上がり強度も増す魔鉄、魔銅と言った魔合金と言ったものを作れるらしい?
とりあえず聞いたそのままだが「魔合金って何?」と聞いたら
「それは、あれですよえっとあれ、…とにかく強くなるってことですよ。」というどうにも容量を得ない答えだったので結局、レイラのところで聞くことにした。
「それで、魔合金とはなんですか?」
ちょうど鍛冶屋に行くとレイラはおらず親方がいたので聞いてみた。
「魔力を帯びた金属だな、基本的に強くて魔力を通しやすい、お前さんが持ってた短剣つまり魔硬鉛だってその一種だな。」
魔法金属と魔合金は同じもので言い回しの違いだったらしい。
「で、ルナはその魔晶をどこで見つけてきたんだ?」
「えっと、火山の坑道を潜ってたら生えてました。」
「ああ、火山の坑道…お前さん命知らずなのか?」
頭に手を当て困ったように聞いてくる。
「?」
「なんで、防火装備も水とか冷却の魔道具も持たずに火山の洞窟潜るやつがどこにいる。」
確かに、マントを除けば可燃性のものしかないからそれはそうなのだが、
「フレイムセンチピートとか遭遇したら丸焼きにされるぞ。」
と言って苦言を呈してきた。
それに対して、目を少しそらしながら
「魔法あるし、マント燃えないから大丈夫かなって...」
そう歯切れ悪く答えつつ考える。実際マントが燃えないのはあの時分かったことだから下手したら丸焼きだったのはそうだろう。
「だとしてもせめて武器の柄の部分を金属にして『防火』、『断熱』を付けた手袋を用意しておけ。
ところでなんだがこの魔晶、うちで武器作るんなら買うんだがどうだ?」
確かに今使ってる槍の柄は木製なので下手したら燃え尽きていただろう。
それなら買い替え時なのは確かだ。
「これそんな高く売れるんですか?」
一応魔晶の値段も聞いてみた。
「ああ、いい魔鉄作るなら欲しいからな、それにお前さんもまた坑道に行く気なら買い替える気だろう。」
実際考えてたので渡りに船なのだがほんとにいいのだろうか?
「魔晶と大銀貨2枚でどうだ?」
それを聞いて自分の財布を見ると大銀貨1枚と銀貨5枚程度だったので足りなかった。
「お金が足りないので一旦考えてきてからでいいですか?」
「…ああ、いいぞ依頼を受けてきて稼いできてからでも全然問題ない。」
そうは言いつつも少し残念そうに魔晶を見ていた。
その後街の中央広場の縁に腰をかけて肉をはさんだサンドウィッチにかぶりつく。
「武器の買い替えか~…」
正直に言ってあんま考えてなかったがこの中古の槍も結構ガタが来てるのは確かである。
壊れてから考えようとか考えてはいたが、ここで買い替えられるならちょうどいい。
それならお金が必要だから、ギルドに行って依頼を受けよう。
残っていたサンドウィッチを口に放り込み、とりあえずギルドへ行くことにした。
ということでギルドに来たのだが、カウンターには誰もおらず、上の階から何かを煮込む音が聞こえた。
ともかく上の階に行くと鼻を刺すにおいがしている。
音の発生源であろう部屋の扉を何回か叩いてみる。
そうすると、中から「ああ、入っていいぞゆっくりな。」
ゆっくりと扉を開けると人が入るぐらいの大釜をかき回しているローブを着た人がいた。
「ちょっと手伝って、あっちの方にある月輪花の蜜入った瓶持ってきて」
そういわれて一瞬面食らったがとりあえず散らかっている部屋を気を付けながら進んで大きめの瓶を取って蓋を開けてから差し出すと
「ありがと、そういえば君どうしたの?」
瓶を取って、から中に入ってる蜜を大雑把に半分ほど入れ鍋をかき回し、こちらに質問を投げてくる。
「何か煮込んでいる音が気になったので見に来ました。」
「ほうほう、え、君ギルドの子じゃないの。」
そういって、こっちを見て何度か瞬きをしていた。
その後少し申し訳なさそうな目で大釜のそこを見る。
「ちょっとお願いがあるんだけど魔力余ってたらこっちの魔道具に注いどいてくれると助かるかな~。」
大釜の下には何やら大がかりな魔道具らしきものと魔法陣の書かれた布があった。
とりあえず魔道具に魔力をある程度入れておく。
そうしたら鍋を混ぜてる人が
「ありがとう楽できるよこれで。」
と言ってから何やら植物をすり潰したものであろうペーストを鍋に入れてさらに混ぜている。
そのまましばらく混ぜた後
大鍋を混ぜてる棒を取り出して下の魔法陣を消した。
「よっし完成。それと君も手伝ってくれてありがとね。」
そういった後少し間を置いて。
「で、何か用あるの?」
そういって、こっちの方を向いて聞いてくる。
何処から取り出したのか分からないが小瓶で何か薬を飲み干し椅子に座って足を組んでる。
「何かやってる音が聞こえて気になったので」
「そっか~、まあ気になるもんね~」
「うん、分かるよ。」とつぶやいて頷いている。
そういって、棚の中から小瓶のたくさん入った箱と片方が注ぎ口になっているお玉を持ってきた。
そのまま鍋に入ってる物を瓶詰めしながら続きを話す。
「とりあえずあっちの伝達ミスかな~職員に入っとくよ。」
「それでなんだけどこの後もこういう調合やるんだけど手伝ってくれる?」
そういって、若干見上げるようにしながら言ってきた。
読んでいただきありがとうございます。
ほんとにちょっときついので来週あるか怪しいです。
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