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起きたら石櫃で一人でした  作者: 寝ぼけ猫
2章 火山の町メルフィア
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10話 未明の冒険と坑道

なぜだか目がさえてまだ周りは明るくないのに起きてしまった。

しっかりと伸びをした後まだ暗い中街を眺める。

暗い中浮き上がってくる街の輪郭を眺めながらいつも通りマントを身に着けて、魔法で水を作って喉を潤す。

「そういえば昨日の夜ごはん食べなかったな。」

そう思ってまだ余っていた最後の1つのリンゴを食べる。

「今日は何をしようかな?」

そう考えたあと、山の側面にある坑道に行ってみることを思いついた。

「確かこのきれいなガラスもなんかそこで掘ってきたって言ってたっけ?」

影から黄色のガラス球を取り出して手の上で転がす。

こういうきれいな物が取れるといいな~と思いながら未明の中、街を出ていった。

街ではまだ何処も空いておらず大きい門も開いてなかったものの、門番の人はいたので聞いたところ、裏口があるそうなのでそこを通してもらった。

ということでまだ日も上がらない中、火山の方へと歩く。

周りを見れば朝露が下草にのり、じめじめとした空気が肌をなぞる。

そういえば前に火山に包閃花を取りに行ったとき、上る途中に洞窟があったことを覚えている。それの中のどれかは坑道に繋がっているのではないだろうか?

「今日は時間も十分にあるしゆっくり行こう。」

山の麓のところにはちょうど着いた。

そこでまた前にも感じた魔力を見つけた。

そちらを向けばオレンジから赤色の羽を持つ謎の鳥がいた。

まだ暗い中だから闇属性魔法が使いやすい時間だ。

「牽制を兼ねて撃っとこう。」

「闇矢」を3発ほど打ち込むが軽い身のこなしで鳥は躱した。

さっきよりは距離を離したがまだこちらを観察してるように滞空している。

不思議な点は、逃げるわけでもないがかといって攻撃してくるわけでもないことだ。

魔獣と言っても全部が攻撃的なわけではない、現にカパラプトルのように臆病なのもいる。

ただ、このように逃げるわけでもなく攻撃するわけでもない存在はよくわからない。

攻撃しようにもこの距離では当たらないことは分かっている。

「どうしようこれ、」

とりあえず坑道まではついてこれないと踏んで早めに逃げてしまおう。

そうと決まったら後ろに警戒しながら走り始める。

魔力で分かる限り、距離を一定で保ってつけてきている。

本当に厄介である。

途中で何か動いてる岩を蹴とばしてしまったがとりあえず放置しておく。

低木が減り、荒野になってきたあたりで洞窟の入口が木枠で補強された場所が見えた。

そこにそのままの勢いで入ってすぐの礫の山に突っ込んだ。

結構な轟音を立て、全身に跳ねた礫が当たりながらだったが一応無事である。

「いたた、あの鳥はついて来てるのかな?」

魔力で探そうとして、洞窟に満ちて火の魔力に邪魔をされた。

「うーんよくわからない、旅の途中から魔力がわかってきたんだけどまだ使い慣れない。」

魔力が大きいものは分かってもそれ以外がよくわからないし何の魔力かしかよくわからない。

ちなみにこの洞窟は火の魔力を多く含んでいて後は土の魔力もある。

「まあ、どうせこの洞窟探索する予定だったし、しばらく探索しよう。」

と意気揚々と探索を開始したのはよかったのだが、空気がよどんでいる。

「でも暗すぎるわけではないからたぶん行けるかな。」

ここも自分の夜目でどうにか対応できる範囲の暗さである。

進み出ると壁の側面からかなり大きいムカデがはい出てくる。

それを見て影から槍を取り出す。

「なんだこのムカデ」

その間にムカデはこちらにはい寄ってきて噛みつこうとしてくる。

それを蹴りはらい裏側をに槍を刺す。

ただ、浅かったのか体液を流しながらも生きていた。

その状況でそのでかいムカデはこちらに向けて炎を吐き出してきた。

「あっつ」

マントに大きく火が当たり弾かれる。

その火の煙幕に紛れてムカデは逃げ去っていた。

熱さは伝わってくるが、燃え移らずどうにかなった。

念のため水魔法で全身を冷やす。

「まさかいきなり火を吐いてくるとは思わなかった。」

火魔法には警戒してたが魔法ではなく直接吹いてくることはないだろう。

とりあえず分かったことはあの程度の火ならマントで弾けることと、壁の側面から出てくる可能性が高いということである。

それでこの洞窟は微妙に下り坂になっているが一部に木の支えがあって、側面は赤と黒のマーブルになっている。

進んでいくとジトっとした場所があり、一部の壁に黒くつややかな場所がある。

「ここのあたりであのガラス玉見つけたのかな?」

あのお祭りでガラス細工を売っていた人が言ってたのはこの坑道なのかは分からないがこの輝いている黒い石のところから結構魔力を感じる。

「これを削るのかな」

そう考えた時、そのための道具がないことに気付いた。

石を見て試しにそこらへんに落ちてた石を拾い上げて試しに叩きつけてみると。

パキリという音とともに一枚板が割れて落ちてきた。

黒い石が薄くはがれ、こちらに倒れてきた。

そして倒れた拍子に砕けて、地面を転がる。

それを拾い上げると魔力を含んでいて火を主体として、闇を少し含んでいた。

「使えるのかなこれ、とりあえず袋に入れて持って帰ろう。」

地面に転がっている石の破片を大きめのものを入れて革袋に詰め込んで、ブラインドストレージに入れておく。

さらに進んでいくと特に光るわけでない黒い石が増えてきて一部に黄色い粒が混じっていた。

それと同時に整備されてた道がごつごつとして歩きづらい場所が増えてきた。

とうとう槍を構えながら進むのが不可能になってきた。

そこで槍を影の中に仕舞って、体をかがめながら進む。

途中で横に少し光ってるものを見つけた。

そちらを向くと何やら金属のような物が結晶になって生えていた。

なんとなく魔力も感じ、よさそうなものに見える。

「これはなんだろう?」

地面に張り付いているその結晶を取ろうとするが地面と張り付き離れない。

引っ張るものの動かない。

そこで影で石を壊すために闇をハンマーの形に固める。

そう、あの後どうやったらほるのが楽になるか考えた結果、魔法で何か武器を作ってしまえばいいのだと気づいた。

片手に真っ黒なハンマーを構え結晶を叩く。

何度も叩いた後、その金属のような結晶ははがれて飛んで行った。

転がっていったその結晶を取ると少し透けてるけど金属光沢を持つ物だった。


読んでいただきありがとうございます。

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