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起きたら石櫃で一人でした  作者: 寝ぼけ猫
1章 目覚めと旅立ち
20/32

sideマオ 降って湧いた魔族?

開拓街のフィルフェルトの町のギルドで働いてるマオさん視点の話

本編3~4話にかけて

ギルドは今日も少し騒がしいくらいで平常運転だ。

軽く伸びをしてカウンターでギルドにある薬の期限や依頼書の整理精査をしている。

そういえば昨日森に調査に行ったガルムさんとアークが帰ってきていない。

私とアークは昔口減らしで捨てられた孤児だった。

それでさまよっていた時ガルムさんに拾われた。

当時はまた捨てられるかもしれないという恐怖があったが、今でもたまに食卓を囲むような形の関係は続いている。

あの二人は冒険者を続けているが私は冒険者をやめて今はギルドの職員になっている。

「帰ってきてないな、あの二人。」

あの二人が万が一ということはないだろうが少し気になる。

大体こういう時は予想外のトラブルを運んでくることが多い。何か魔獣の変異個体を持って来たり、孤児を見つけたからと拾ってきたり。 優しいことはいいのですが何かと変なものを拾ってくることが多いです。

そう考えてカウンターに立っていたら。ギルドのドアが開いてガルムとアークと謎の黒いフードをかぶった子供が入ってくる。

案の定孤児とかを拾ってきていたらしい。

黒いフードの子供の方は周りを珍しそうに見まわしている。

ガルムさんの方に「また何かあったんですか」目を向けるとガルムさんは目で「ギルド登録しておいてくれ」と言わんばかりの目線を向けてくる。それに対してしょうがないと苦笑しカウンターの方に来た子供に登録をする。

その子供がそのタイミングでフードを取った。

どうやら女子だったらしく白い髪に赤い目の整った容姿をした少女だった。

ただその半面多くの魔力を感じ、人とは思えない存在だった。

「ギルド登録をお求めですね、承知しました。この木板に名前と年齢をお書きください。」

とりあえず登録に使う針を箱から取り出している間。その間小さい声で少女が規則を読んでいた。

少しして名前の部分だけを書いた板を渡してくる。

年が分からないのだろうか?

「年齢はわかりますか」

と聞いて見る。

それに対してルナという少女は

「わかりません」

と即答してくる。

とりあえずその場合は見た目を基準とするのだがとりあえず16歳として置いた

名前しかわからなくて魔力量が多い孤児、正直に言ってかなり怪しい。

ただ、ガルムさんが連れてきたということは少なくとも悪意を多く持っていないということでもある。

なぜかあの人は人の悪意などに敏感なのである。

なまえと年齢を金属でできたカードに書き写して記録の魔道具に通す。

この記録の魔道具は昔神が遣わしたという「勇者」が作った物らしい。

カードと人の魔力を結びつけ人の識別をする。

これが各国のギルドや戸籍の管理に使われている。

そうやってできたカードを受付にいる少女に渡す。

少女は興味深げにカードを眺めた後少し不思議そうな表情をしていた。

このギルドカードは所有者の血を着けることで魔力を記録し本人の物だと証明する。

多分それを知らないからだろう。

「この空欄の部分に、血をつけていただくことで完成します。」

そういって針を取り出すとルナはかなり素直に指を差し出してきた。

正直に言って子供がこんな素直に差し出してくると思わなかった。

昔ギルド登録したときは私もアークもおびえて指を隠したりして結構時間がかかったことを覚えている。

そうして予想以上にすぐに登録作業は終了した。

ただ、私としては疑わなくてはいけないところがいくつかある。

それは「この少女が本当に人なのか?」ということである。

正直に言ってこの魔力の多さ、なぜか文字を読める、このあたりでかなり怪しい。

この年で文字を読めるものは少ないはずだ。

そうなると貴族の隠し子、はぐれ魔族、後は魔物が化けた存在に絞れる。

貴族の隠し子なら魔力適正を見れば大体わかる。

化ける魔物は付近にいないからそれもない。

だとすると魔族の可能性がかなり高い。

魔族は私たちが生まれるより前に起こった戦争で負け今もどこかに身を隠しているらしい。

ただ、魔族なら記憶喪失を装って入ってくるメリットが少ない。

ばれたら処刑されるところにわざわざ出てくるなど間抜けだろうそれなら隠れて魔族同士で暮らした方が安全なはずだ。

とりあえず貴族の隠し子、この街の領主の血縁の線を探ってみよう。

「ついでに、適性の判定も行っておきましょう。」

そういってルナを魔力適性判別に誘導する。

水晶にも見える魔道具を取り出し置く。

「これにも血を垂らしてください。」

そう思ったらルナは自分の手を眺めて困っていた。

血が止まっていたらしく、それを見てもう一度針で血を滲ませた。

ルナはその指を魔道具に血をつける。

そうすると水晶は黒紫色に翡翠色の入ったマーブルを示した。

それは闇属性を第一、風属性を第二適性に持つことを表していた。

これで貴族の隠し子の線は消えた。

この街の領主は水と光の属性を持っている。

隠し子ならどちらかは受け継いでいるはずだ。

「闇と風の適性ですね。」

「これは何ですか?」

ルナはこれが何を調べたかわかっていなかったようだ。

魔力の適正なことを説明しつつ考える。

魔力を測る装置は魔族も持っていたはずだし、文字を読めなくてもこの魔道具を知ってる子供はいる。

それにルナは続けて魔法についての情報を聞いてきた。

ここで引っかかることがあった。

なぜ魔力は知らず魔法は知っているのか、この知識の歪さの理由は何なのだろうか?

今は結論付けられないが、悪人には見えなかったしガルムが連れてきたということは悪意はないのだろう。

一旦経過観察ということで私の中では納得した。


初めてサイドストーリーを書いてみたので結構新鮮でした。

読んでいただきありがとうございます。

次の更新日は8/2です。

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