18話 討伐と旅立ち
会議が終了した後、ジュストさんに一度質問したいことがあるので聞きに行く。
「なんで、シラミツが根絶されないんですか?」
「うーん、どちらかというと根絶させたいんだけど根絶できないって言った方がいいかもね、」
「どういうことですか?」
「シラミツは鳥を媒介にして種を広げるんだよ。」
どうやら、シラミツは鳥に食べられてそれで種を遠くまで運ぶそうだ。
「だから、山の向こうから飛んでくる鳥全部を対策しないといけなくなる。」
そういって、簡単な地図と一緒に出してくれる。
この町は二つの大きな山に挟まれた間の平野に作られた街なので、その山の向こうからくる鳥すべてを打ち落とすのは無理だろう。
シラミツが根絶されない理由がわかったところで、荷物の確認をしにロビーに戻る。
そうすると、ちょうどギルドの職員の人が、寝袋や、魔道具(シラミツを探したり、火を起こしたり)の確認をしているようだ。
その中にマオさんもいて、振り返って私の方を見る。
「...そういえば言い忘れてたけど、この荷物あの魔法で持ってける?」
どうやら、ブラインドストレージに入れて持っていく予定だったらしい。
「多分入ると思いますけど一人に任せて大丈夫なんですか ?」
さっきジュストさんにシラミツについて聞いたとき同時に教えてもらった遠征の注意点であった。
荷物は分散させることで、リスクを減らすとか何とかという話と少し違う気がする。
「大丈夫だとは思うわよ。だって、ルナは結構逃げたり、隠れたりするのには向いてそうだし。」
確かに夜の森を隠れて逃げてきたことがあるので、否定はできない。
「それに荷物を分散するのは、荷物で逃げ遅れるからという意味もあるね。」
どうやら、ブラインドストレージなら重さを感じないことを使って全部持たせれば安全という判断になったらしい。
というわけだから、最低限の食糧とか以外は全部ブラインドストレージに入れることにしたようだ。
そんなわけで、寝袋や、魔道具などを片っ端から、影の中に突っ込んでおく。
ちなみに蓋つきの物とかは入れた後蓋が取れるとかはないので基本大丈夫なはずだ。
そのあとは、食料も各自持ってきた分と受け取った分で、足りるだろうと確認をして出発した。
出発し、門を出た後はすぐ森へ入り進んでいく。
ちなみに私はついて行っているだけだが、アークさんや魔法使いの人が、羅針盤と小さめの地図を定期的に確認している。
途中途中で、魔物と出会うことはあったが、魔法で即串刺しにしたり、ガルムさんや他の前衛の人が倒したりと障害にはなってなかった。
出発してから、少し経った頃に、一度休憩を取ることになった。
「そういえば、ルナが預かっている魔道具の中に羅針盤に似た魔道具なかったか?」
とガルムさんが聞いてくる。
確かあったはずと思い取り出す。
確かに羅針盤によく似た針の先端が魔石でできた物があった。
「これですか?」
「そうだな。それが魔物の魔力を感知して一番近いマーキングされた魔力の反応を指す。」
どうやら、同じ魔物の似通った魔力を指すそうだ。
これで、シラミツをマーキングすればいいそうだ。
「今度、寄生された魔物を見かけたらそれをマーキングしてシラミツをつぶしていく。」
シラミツを探知する魔道具はこれらしい。
ちなみにこれは人もマーキングできるので、複数人で行動する冒険者は互いの魔力を込めておいて合流に使うとかなんとか、その話をしながら食事を終え再び進み始める。
噂をすれば、シラミツに寄生されたウルフが出てくる。
ちなみに前衛組に袋叩きにされ、息絶えた。
とりあえずさっきの魔道具を取り出して近くにいた魔法使いの人に尋ねる。
「これはどうやって使うんですか?」
そう聞くと、ウルフの死体から、シラミツの蔓らしき物を引きちぎって、それに魔道具をこすり合わせるそうだ。
そういうことでシラミツの魔力をマーキングした魔道具を頼りに近くにいた寄生された魔物を討伐しその死体を魔法で燃やしていく。ちなみにこれだけでもう軽く20体はこえているので、その手際わかるだろう。
そろそろ燃やし慣れて来た頃に日が傾いてきたので仮眠と、食事を取ることになった。
夜なので、火を起こし持ってきたリンゴをあぶって食べる。
「ルナはとりあえず寝袋を出しておいて。」
アークさんの指示で寝袋を出して、ついでに食料とかも少し出しておく。
そのあと、前衛と後衛二人一組で見張りをして、交代で仮眠を取ることになった。
ちなみに私のペアはガルムさんだそうだ。
曰く、知ってる人の方がいいのではということらしい。
とりあえず見張りを先にやってそのあと仮眠を取るそうなので、見張りをする。
「そういえば最近どうしてた?」
ガルムさんに聞かれたので直近の受けた依頼や、やったことについて話をする。
ちなみに川に流されたことについては、呆れたような顔をしていた。
「まあ、無事だったからいいが無防備な状態になることは避けろよ。」
と危機管理能力が足りないと言われた。
そんな話をしていると、魔道具が針の向きを変えた。
「何か探知した?」
そう考えてそちらを見ると、シラミツの蔓が体についた分厚い毛皮のある熊のような魔物がいた。
同時にそちらを見たガルムさんは持っている剣を構え警戒を示していた。
私も槍を取り出し、『闇矢』も同時に構える。
それを火蓋にこちらへ白い眼を向け襲い掛かってきた。
まだ、熊(ガルムさん曰くアーマベア)とはまだ距離があるので、
構えた『闇矢』を撃つ足を狙ったものの、直感的によけられてしまった。
このアーマベアの特徴として、分厚く硬い毛皮で、剣や槍では刃が通りにくいという性質があるそうだ。
距離を詰められる前に『影槍』を使い、こちらに来るのを牽制する。
さすがに直線的に突っ切ることはなかったので、少しだが時間を稼げた。
その間に、ガルムさんはどうやったかわからないが剣に火を薄く纏わせていた。
私が『闇矢』を用意し終えた頃、熊はこちらと近接戦の射程に入った。
その時に私は7本ほど用意していた魔法をすべて熊の胴に叩き込む。
何本かは刺さり他は刺さらずに半ばから折れて消えたりした。あまり深くは刺さらなかったようなので、まだ血の流れる量は少ない。
ただ、ダメージはあったようで少しは動きが消極的になる。
そのタイミングで、ガルムさんが斬り付ける。袈裟懸けに切られた熊は血を吐いて倒れそのまま死んだ。
そのあとは死体を燃やして私とガルムさんの見張りの間は特に何もなかった。
少し寝るた後は朝が来るのを待ってから、魔道具の羅針盤を使って、シラミツを探して燃やすなどをして、
掃討は順調に進んでいた。
ちょうどお昼ごろになったときガルムさんに聞きたいことを聞いてみる。
「そういえば、昨日の戦いで、火を剣につけてましたけどあれはどういう原理ですか?」
「魔法だな、簡単に言うと魔法の属性と魔力を武器につけることで、威力をあげたり毛皮を焼き切るとかのことができるから便利な反面、扱いをミスすると武器自体を壊す。」
そういっていたので、できれば便利な物は極力欲しいものである。
羅針盤で探した限り、残りのシラミツの魔力の反応はほとんどない。
おそらく次が最後なのではと考えられている。
「とりあえず次を倒して羅針盤が何も指さなくなったら、引き上げだ。」と言っていたので、おそらく他に他はないのだろう。
次の場所では、昨日の夜に見た熊と同じ種類の熊がいたが袋叩きにして事なきを得た。
そのあとは、一通りシラミツを探した結果もういないようなので引き上げとなった。
戻って、シラミツの殲滅の完了について報告して解散となった。(その時に魔道具とか寝袋とかは返した。)
報酬も受け取ると、銀貨が40枚ほど入っていた。
そのあとはジュストさんに魔法を教えてもらうのと、雑談をしに行った。
「そういえばここからいける他の町はあるんですか?」
シラミツは山の向こうの方から来るといった話で地図を見て気になったことを聞いてみると。
「ここだね」
と結構遠くの街を指さす。
「もしかして行く気?」
そう聞かれたので、
「一応気になったので、行ってみようかとは思います。」
「いいんじゃない?遠くに行くのもいい経験だと思うよ。」
そういって、旅に出るなら、水と食料を多めに持ってきなよ。と言いながら地図をたたみながら言っていた。
気になったので、とりあえず雑貨屋で、魔道具じゃない方の羅針盤を買っておいた。
他には、リンゴ、パン、干し肉、虫よけの魔道具とかを雑貨屋で買い込んでおいた。
ちなみに地図は売っていたけど高かったので断念した。
とりあえず、報酬の中で、16枚ぐらい使って旅の準備をした。
そのあとは、宿で素泊まりで夜を越した。
目が覚めた時、ぐっすりと眠ったからか頭がさえていた。
とりあえずギルドへ行き、ジュストさんに別の町に行くことを伝える。
「やっぱり行く気だったか。」
予想してたようにジュストさんは言った。
「わかってたんですか?」
「まあ、勘だけどね。」
「じゃあ行ってらっしゃい。気を付けて。」
「はい、そちらもお元気で。」
そういって、ギルドを後にしそのあとは足早に街の門を出る。
荷物を一旦確認して街を後にした。
読んでいただきありがとうございます。
次の更新日は8/1の予定です。
ストックの関係上話数が不確定ですが、善処します。
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