12話 昼食と夜への仕込み
「ごめんください、牛の塩香草巻きと野菜スープをお願いします。」
第一声とともに注文が告げられ店主に「牛の塩香草焼きと野菜スープ一つずつ」と注文を伝える。
それを聞いた店主は塩漬けされた香草と肉を氷室から取り出して、焼き始める。
「嬢ちゃんはコップに水魔法で水注いどいてくれ。」
言われた通りにコップが入っている棚からコップを1つ取り出し、魔法で水を作って注ぐ。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
客はよく見ると首からギルドカードを下げた青年で、少しよさそうな武器を携えていた。
青年はコップを仰いで水を飲み干してパンを取り出して食べ始めた。
それが終わったときに今度は、4人組の作業着を着た人たちが来て、
「鳥の香草包み串と羊の腸詰入れたスープ4人前頼む。」と言われ「鳥の香草包み串と羊の腸詰スープ4人前」と店主に行ったときにちょうど「これ持って行ってくれ」と言われ、野菜スープと牛の塩香草焼きを盛られた皿を先ほどの青年に持っていく。
その次が来る前に水、鳥の香草包み串と羊の腸詰スープを順次配膳していく。
それが終わったときに次のお客さんが来た。
「牛肉のステーキを頼む」
来たのはギルドの武器屋のおじさんだったようで、とりあえず注文を厨房の店長に伝えコップを持っていく。
その後もお客さんは入りっぱなしだったので、終わったのはお昼時を過ぎて少ししてからだった。
「お疲れさん」
渡された果実水を受け取って飲み干す。
あまり息継ぎの暇がなかったので喉が潤うと少し元気が出た。
「昼飯何にする?」
店主は厨房のカウンターで肉を焼いていて昼食を作っている。
「じゃあ牛肉のステーキで」
「あいよ」
それを聞いて厚めの肉を追加で焼いてくれる。
それを見てブラインドストレージから固焼きパンを出してカウンター先で待つ。
「ほい、これ嬢ちゃんの分な」
厚焼きのステーキを渡される。
一口食べれば肉汁があふれて来て味付けされた塩と香草らしき味が染み渡る。
続けてパンを食べる手が進む。
「おいしいですね。」
「そうだろ、うちの看板メニューだからな。」
そういって、店長は自分の皿の豚肉と野菜の炒め和えを食べる。
「とりあえず昼飯終わったら店の掃除だな、特に机の上を吹くの重点的に頼む。」
ステーキとパンを食べた後雑巾を借りて、机の上を水拭きしていく。
「晩飯の時間帯に人が来るんでな」
吹き掃除をしてる間に料理の仕込みをやっていたらしい店主は
すでに戻ってきて食器を洗っている。
「追加のお使いを頼まれてくれるか?」
店主は、市場で売っている香草と、腸詰一本が足りないようなので先ほどの肉屋と行商人を訪ねてほしいとのこと。
「嬢ちゃんならさっきの変な魔法で物を持ってこれるだろ。」
そういうことで、買い出しをしてきた。
ちなみに特に何事もなかった。
「やっぱその魔法便利だよないろんな物入れとけて。」
「便利なんですけど影より大きいものは入らないし出せないから少しそれは考慮しないといけないんですけどね。」
「それでも影を用意で来たら長旅でも荷物なしで行けるってことだろ、そんなもの昔のおとぎ話の魔法のカバンぐらいだぞ」
「魔法のカバンってなんですか?」
「昔の勇者の持ってた鞄のことだ、なんでも物の大きさ、量に関係なくなんでも入ったらしい。」
その話では、勇者と軍、魔族側の軍が戦いどちらにも大きな被害を出し、勇者は死んだらしい。
「ただ、それのおかげでいったん講和して、それの後、勇者の残した計画に感銘を受けた国々が協力し、今のギルドができたそうだ。」
だからギルドカードは身分証代わりになるし万国共通なのだそうだ。
「それのせいか、勇者の遺品はギルドの本部にあるっていう噂もあるんだ。」
勇者の遺品はほとんどが見つかっておらず、唯一見つかっているのが片手の籠手だけらしい。
ちなみに勇者というのは1人ではなく数百年に1度表れるそうで、この話は初代の話だそうだ。
その初代勇者の死体を見た人はいないので生きてたとも言われているが、
一方で勇者は異界の存在だから魔王を殺した時点で元居た世界に帰ったという意見もあるそうだ。
「まあ、今から30年ぐらい前かな、そのぐらいにもいたけどそいつも死んじまったらしい。」
なんでも軍対軍で戦い双方に大きな被害が出て魔族は姿を消したそうだ。
「聖女とかほかにも強い冒険者も多く死んで魔王をやっと倒したそうだ。」
かくいう店主も先代の時に勇者が一度来たことがあると言っていたそうだ。
「まあ俺はそん時いなかったから見たことはないけどな。」
そういって、自分の皿に盛られた野菜炒めを一口食べる。
「確かそん時は吸血鬼の魔族の王と差し違えになって死んだっていう話だったはずだ。」
「吸血鬼とは何ですか?」
疑問を聞いてみる。
「吸血鬼っつのは魔族の中の一種類でほかにも獣人、魔人とかがまとめて魔族と言われてる。でこいつらは共通している特徴が、魔力を多く持っていて、その中でも吸血鬼は力も強くて血を飲んで力を回復してるつう特徴があるらしい。」
そんな話をしながら夕方に向け机を並べ替えたり、乾かしたコップや食器を置き場所に戻しておく。
窓から差し込む日がオレンジに色づき始めるころに鐘が鳴り夕刻を知らせる。
ちなみに今まで気にしてなかったが、朝の店が開くころ、昼の太陽がもっとも上がるころ、日が沈み始めるころの3回鐘が鳴り時間を伝えているそうだこの鐘の音は領主の館にある時計塔から響いているそうだ。
「今日の夕食の時間だから昼みたいに注文と水出し頼んだぜ。」
店主がそういって厨房に薪を持っていく。
ちなみに店主は着火は魔法でやるが継続燃焼は薪でやるらしい。
そのあとほどなくして人が入り始める。
読んでいただきありがとうございます。
次の更新は7/26で3話更新します。
いいねや感想を書いていただけると励みになります。




