第2話 荒廃
硬い。首がめっちゃ痛い。まるで洞窟で三十年くらい寝ていたようなくらい体が痛い。
「ふぁあああー。ねむ。」
僕が目を覚ますと。そこは知らない天井だった。なんかとてもゴツゴツしてて、グレーで、めっちゃ冷たい。あと、声がめっちゃ響いてめっちゃ暗い。なんか岩の蔵みたいな。
「ええええええええ!?ここ洞窟じゃん!」
まさか例えが実際に起きるとは夢にも思っていなかった。まあ僕はさっきまで夢見てたんだけど。
「え?僕さっきまでちょっとおしゃれなバーにいたよね!?」
頼んだブラックシャウトを飲んだところまでは覚えている。あのめっちゃ真っ白な。
あれは美味しかったな。もう一回飲みたい。
「そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!とりあえず出てみよう」
僕は自分で自分にツッコミを入れながら光のある方へ向かう。
そういえばあれを飲んだら寝ちゃったんだっけ?なんか黒いフードの人かこっちに近づいてきたような気がする。まさかあの人達に誘拐され
ゴツっ
何かにぶつかってしまった。僕は反射で謝る。
「痛っ。すいません。大丈夫ですか?」
そう言いながら僕は前を向くと……信じられないという目でこっちを見てくる女の人がいた。
驚きで声が出ないと言った様子で固まっている。
「大丈夫ですか?体調でも悪いんですか?」
返事は……ない。ちょっと悲しくなる。
不意にその人が話す。
「人…類?」
これはちょっと心外。かなり痩せてる方ではあるが、一応人間なんだけど。
「まだいたの?人類が?」
「ちょっと待ってください。一体何の話をしてるんですか」
僕が覚えている限りでは人類は今8億人以上いるはず。まさかこの洞窟で暮らしている原住民?
「ごめんなさい。取り乱してしまった。まさかこの荒廃の時に人類に会えるなんて思っていなかったから」
情報量が多すぎる。ただでさえ、洞窟で起きてなにがなんだかわからないのに。荒廃?ここってそんなに栄えてないのかな?
「そうよね。こっちに少しついてきてくれないかしら」
僕はとりあえず言われたとおりについて行く。
彼女は僕のことを外に連れ出してくれるようだ。こんなことをしてくれるくらいだから悪い人ではないんだろうけど、なにを見たいのかな?
そうして僕が外に出ると、僕の目に最初に写ったのは空だった。空は………見たこともないくらいキツイ色をしていた。例えるなら外国のお菓子みたいな。
僕が空に釘付けになっていると、彼女が下を指さす。僕も釣られて下を見ると、そこにあるのは苔むして、ツタが生えて、倒れている……ビルの残骸だった。
「なにこれ」
思わず声が出る。
「分かった?これが荒廃の意味よ。あなたが寝た瞬間から、10億年経っている」




